【椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症】腰痛原因は脳の「圧迫ストレス」?脳脊髄液を流して改善できる呼吸法

【椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症】腰痛原因は脳の「圧迫ストレス」?脳脊髄液を流して改善できる呼吸法

私は、50年以上にわたる治療家人生で、幾種もの治療法を学び、研究してきました。そしてわかったのは、脳脊髄液の循環をよくすることで、腰痛などのつらい症状や、多くの病気が改善するということです。【解説】宮野博隆(ミヤノ・ヒーリング・ラボ院長・鍼灸師)


宮野博隆
1945年、東京生まれ。柔道整復師、按摩マッサージ指圧師、鍼師、灸師の資格取得。整形外科で働き医学的知識を習得。71年、大田区蒲田に独立開業。著書に『「脳の呼吸」を整えればあなたの全身はよみがえる!』(現代書林)など。

脳を圧迫するストレスが腰痛を引き起こす!

私は、50年以上にわたる治療家人生で、幾種もの治療法を学び、研究してきました。
そしてわかったのは、脳脊髄液の循環をよくすることで、腰痛などのつらい症状や、多くの病気が改善するということです。

私の治療院では、脳脊髄液の循環を促す施術(脳脊髄液調整法)を行うだけで、腰の激痛が消えて、杖なしで元気に歩けるようになったという患者さんが多数いらっしゃいます。

まず、脳脊髄液について、簡単に説明しましょう。

私たちの体内には、血液やリンパ液以外に、脳脊髄液という体液が循環しています。
脳脊髄液は脳の中心部(脳幹)で作られ、脳や脊髄の周りを流れたあと、神経に沿って全身を巡ります。
そして、内臓や筋肉、骨などの末端器官で吸収されます。

この脳脊髄液の循環に大きくかかわっているのが、頭蓋骨の動きです。
脳脊髄液の材料になるのは血液で、脳に血液が集まり、脳脊髄液が作られると、頭は膨らみます。
その脳脊髄液が脳から排出されると、頭は縮みます。

このように、頭は大きくなったり小さくなったりしながら、脳脊髄液を全身に流しているのです。
その回数は、1分間に約15回。
これを私たちは「脳呼吸」と呼んでいます。

私は、この脳呼吸こそ、人の生命力の強さを決めるものだと思っています。
なぜなら、脳脊髄液がスムーズに流れていれば、神経の働きや、血液、リンパ液の流れがよくなり、健康な状態を保てるからです。

反対に脳脊髄液の流れが悪くなると、頭が膨らんで脳に圧迫ストレスがかかります。
そして、この圧迫ストレスが、腰痛やさまざまな病気を引き起こす根本原因になっているのです。

では、なぜ脳脊髄液の流れが悪くなり、脳の圧迫ストレスがかかるのでしょう。
それは、末端での脳脊髄液の吸収がうまく行われていないからです。

睡眠不足や不規則な生活など、さまざまな要因で脳(自律神経の中枢)に疲労が蓄積すると、その影響で全身の筋肉、血管、内臓なども疲労し、むくんできます。
すると、脳脊髄液をうまく吸収できなくなり、頭蓋骨内に脳脊髄液がうっ滞してしまうのです。

腎臓の疲労が改善し腰周辺のかたさも取れる

脳脊髄液の流れを悪くする要因は、疲労などのほかに、先天的なものもあります。

私は、人体を水の入ったさまざまな袋(膜)の集まりととらえています。
その大きな袋の中に骨や内臓、筋肉を包む袋があります。
さらにその中に、細胞という小さな袋があります。

このように袋でできた人体は、母親の胎内で圧迫ストレスを受け、ねじれた状態で生まれてきます。
そのため、どの人にも体にねじれがあり、先天的な機能低下(発育不全)があります。
その部位(内臓)は人によって違い、それがその人の体質を決めます。

生まれながらに発育不全のある臓器は加齢とともに老化が進み、疲労が蓄積しやすくなります。
痛みは、脳(自律神経)の疲労と、この内臓の蓄積疲労が関係しています。
内臓が疲労すると、「内臓体壁反射」といって、その内臓と関係する筋肉が反射的に縮んだり、かたくなったりするのです。

腰痛の場合、関係が深い臓器は腎臓です。
腎臓に疲労が蓄積して機能が低下すると、その内臓体壁反射で大腰筋という深部筋が収縮します。
その影響を受けて、背中の大きな筋肉(広背筋)が持続的に緊張するようになります。

広背筋を支配している神経は、頸椎(背骨の首の部分)から出ていて、腰椎(背骨の腰の部分)からは出ていません。
広背筋が緊張すると、この神経が持続的に圧迫されて腰痛が起こるのです。
したがって、腰をもんでも腰痛は治りません。

では、どうしたら腰痛を改善できるのでしょうか。

脳脊髄液をスムーズに循環させ、脳の圧迫ストレスを取り除いてやればいいのです。
そうすれば、生命力が回復し、腎臓の疲労も改善されます。
腰周囲の筋肉のかたさも取れ、腰の痛みが軽減してくるのです。

これは、すべての慢性腰痛にいえます。
椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症と診断されても、それは腰痛の原因ではないのです。

私の治療院には、さまざまな腰痛の患者さんが来られますが、冒頭に述べたように、脳脊髄液を促す治療を行うと、痛みが軽減し、笑顔で帰られるかたが少なくありません。

私は、患者さんが自宅でできる「脳呼吸法」も指導しています。
これは、脳への血流を促し、脳呼吸を活性化するものです。
治療院で行う脳脊髄液調整法に準ずる効果が期待できます。

脳呼吸法には「手上げ法」と、「かかと上げ法」があります(やり方は下記参照)。
どちらも、非常に簡単です。

手上げ法

あおむけになり片手を頭上に伸ばし、15秒間静止します。
このとき上腕を耳にぴったりくっつけます。
これを左右、交互に行います。

腕を上げると、後頭部の骨が下に引っ張られて、上げた側の頭が大きくなります。
それによって血液を頭の中に呼び込み、脳脊髄液を作れます。
反対に腕を下げた側は頭が小さくなり、作られた脳脊髄液が体のほうに流れていきます。

元鹿児島大学大学院医歯学総合研究科助教授の横山幸三先生の協力で行われた実験では、「手上げ法」を行うと、脳組織の全血液量は約15%上昇することもわかっています。

かかと上げ法

イスに腰かけ、左右交互に、15秒間、かかとを1cm上げる運動です。
これは、かかとを上げた側の頭が小さくなり、反対側の頭は大きくなります。
大きくなった側に血液が集まり、小さくなった側からは脳脊髄液が体のほうに流れていきます。

こうして簡単に脳への血流をよくし、脳脊髄液の循環をスムーズにすることができるのです。
結果として頭が小さくなるので、脳の圧迫ストレスが取れ、腰痛が改善していきます。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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