抗老化には健康な水が重要
私は皆さんに健康な水を飲むことをお勧めしています。それがレモン水です。
水の健康度を測る、具体的なものさしはありませんが、私流に定義すると、健康な水とは「不老長寿」の目的にかなった水のことです。
人間の体の6〜7割は、水が占めます。なぜこんなに水が多いのかといえば、生命は水(海)の中で生まれ、生物が生きるためには、水が不可欠だからです。生物が存在するためには化学反応が必要で、化学反応は水の中でしか行われません。
人間の体も、細胞を満たしている水の中で絶えず化学反応が行われ、生きるためのエネルギーを作っています。
このエネルギーを作れなくなったとき、人間は死を迎えます。エネルギーを徐々に生み出せなくなっていく過程を、「老化」と呼んでいいでしょう。
ですから、常に体をエネルギーレベルの高い状態に保つためには、体内にも健康な水が必要なのです。
私たちには、生まれ持った寿命の能力があり、それを最大限に生かし切ること。それがここで言う「不老長寿」であり、「アンチエイジング(抗老化)」です。言い換えれば、生きている限りエネルギーレベルを高く保つことです。そのためには健康な水が重要なのです。
水の還元力が若返りのポイント
この不老長寿にかなう水の条件は、三つあります。
(1)不純物を含まない水
水の中には、さまざまな物が溶け込んでいますが、その中に、体に有害な物質が溶け込んでいない水、それが不純物を含まない水です。
水に不純物が溶け込んでいると、そこで行われる化学反応にも予期せぬ変化が生じ、健康に悪影響が出てきます。
(2)溶解力の強い水
溶解力の大きい水とは、水分子の集団(クラスター)の小さい水です。
クラスターの小さい水は、さまざまな物を包み込み、水の中に溶解させます。体内で行われる化学反応(代謝)は、この溶解力なくしては成り立ちません。
(3)エネルギーの大きい水
エネルギーの大きい水とは、還元力の大きい(酸化還元電位の低い)水のことです。
人は生まれたときから呼吸し、酸素を取り入れています。この酸素の数%は活性酸素(体内で増え過ぎると細胞を傷つけ老化の一因となる物質)に変わり、体は徐々に酸化されていきます。この酸化を、老化と言い換えることができます。
しかし、体内に還元力の強い水があれば、活性酸素を除去し、酸化を阻止できます。つまり還元力こそ、若返り(不老)のポイントなのです。
健康な水がレモンで作れる
この三つの条件を満たす水が、自然のわき水です。これこそ天然の不老水ですが、自然のわき水も、いまや汚染にさらされ、必ずしも安全に飲める水とは限らなくなりました。
そこで私が提案したいのが、レモン水です。ミネラルウォーターにレモンの果汁を加えると、水の還元力が高まり、いつでも手軽に還元力の高い水が飲めます。
この還元力は、レモンに含まれるビタミンCの作用です。ビタミンCには強い還元作用があり、活性酸素による酸化を防いでくれるのです。
還元水を作るためには、ビタミンCを水に溶かすだけでもいいのですが、味の点で劣ります。その点、レモンならさわやかな酸味が加わり、水がおいしくなります。
また、クエン酸、ポリフェノールなどの成分もレモンには含まれているので、それらの効能もあわせて取れます。さらに手搾りすることによって、香りの効果も得られます。
私は毎日、診察中に、必ず水筒1本分(750mL)のレモン水を飲んでいます。これは、診察中に脱水症状を起こさないようにという妻の配慮ですが、レモン水を飲むことでリラックスでき、気持ちにゆとりが生まれます。
ちなみに、私が飲んでいるレモン水は、ミネラルウォーターに、搾ったレモン果汁(1個分)と、すりおろしたショウガを少々加え、少々のハチミツで甘みをつけたものです。
レモン水は、いつ飲んでも構いませんが、疲労回復効果があるので、運動した後などの水分の補給にはピッタリです。
ただ、冷たくして飲む場合は、体を冷やすので、寝る前に飲むのは避けてください。運動後や、体に熱がこもっているようなときなら、冷たくして飲んでもかまいませんが、朝に飲む場合は、常温がいいでしょう。冷たい水を飲むと、血圧が上がることがあります。
また、高齢者や体力のない人、冷え症の人は、少し温めて飲むといいでしょう。
レモン水を毎日飲む久保先生