MENU
医療情報を、分かりやすく。健康寿命を、もっと長く。医療メディアのパイオニア・マキノ出版が運営
脳の疲れを取り除いて免疫力アップ!般若心経の「写経」の効果

脳の疲れを取り除いて免疫力アップ!般若心経の「写経」の効果

私は、治療の一環として、患者さんに写経を勧めています。本来、体が欲していないインスタント食品やファストフードばかり食べたり、苦しくなるまで食べすぎたりするのは、脳が疲れ、体の声を聞く「感度」が鈍っているからです。写経を行うことで心が安定し、体の声が聞こえるようになるでしょう。【解説】桜井竜生(漢方医)

解説者のプロフィール

櫻井正智
佐賀医科大学医学部卒業。
外科を研修後、米国ケンタッキー州立大学を経て、聖マリアンナ医科大学総合診療内科へ。
日本東洋医学会専門医。
現在、銀座診療所別院にて漢方診療を行っている。

免疫力を養うためにはまず脳を休めよう

「免疫力」とは、どういうものでしょうか。
実のところ、免疫の定義は多様であり、複雑でもあり、科学的にハッキリ確定しているわけではありません。

ただ、世の中の経験則では、免疫のバランスがくずれると、感染症にかかったり、ガンになったりすることがわかっています。
うつ病や不安障害などの病気や症状が出ることもあるでしょう。

つまり、病気になりにくい人は、免疫のバランスがよいということになります。
また、病気の回復が早い人も、免疫力が高いといえるでしょう。

私は、臨済宗の禅寺の境内にある診療所で、漢方薬による診療を行っています。
患者さんの多くは、ほかの医療機関で症状が改善せず、ギリギリの精神状態で私のもとを訪れます。

病気や死に対する不安、現代医療への不信感、家族との関係など、ストレスに押しつぶされそうな状態でやってくるのです。
患者さんの「病気を治す力」「病気に立ち向かう力」つまり免疫力を養うためには、まず精神を安定させ、不安を取り除くことが必要です。

そのために私は、治療の一環として、患者さんに写経を勧めています。
患者さんの病状や背景は、それぞれ異なります。

漢方薬の処方を個別に行うように、ストレスを軽減させる方法も、人によってさまざまです。

ただ、「精神を安定させる」ことだけを目的とするならば、脳を休めることで達成できます。
脳を休めるには、一つのことに集中するのが効果的です。余計なことを考えず、雑念を払うことで、脳が休まるのです。

「雑念を払う」というと、座禅が思い浮かびますが、一般の人が自宅で長く座るのは足も痛いし、難しいでしょう。
そこでお勧めなのが、写経です。般若心経を一文字ずつ書き写すという単純な作業を行っていると、自然と心が落ち着いてきます。

「文字を書き写すだけなら、電話帳でもいいのでは」と思うかもしれません。
しかし、般若心経と、ほかの文章とでは、大きな違いがあります。

「般若心境」を勧める理由

般若心経は、1500年以上も前から受け継がれてきた、聖なる書です。
262文字の中には、哲学的なことだけでなく、科学的な真理も含め、人間の秘密がたくさん記されています。

1度書き写しただけでは、意味を理解することはできないでしょう。
でも、くり返し書いていくうちに、書かれていることが頭に残るようになります。

すると、実際に写経をしているときだけでなく、ふだん何気なく歩いているときにも、「ああ、こういう意味だったのだ」と思いつくことが多くなってきます。
思いつくことは人それぞれ違うでしょう。

ただ共通するのは、物事に対する欲やこだわりが薄れてくることです。
般若心経を書いているときは、雑念が去って脳が休まります。

書いていないときも、さまざまな物への執着心が薄れる、という効果が得られるのです。
写経をくり返すことで、般若心経の世界観を奥深く感じられるようになります。

「死とは何か」「生とは何か」といった命題に対して、みずから考えることができ、死に対する恐怖心さえぬぐい去ることができます。
それとともに、生きている一瞬一瞬を大事にし、健やかに毎日を送れるようになるのです。

自分の心や体の声に敏感になれる!

加えて、写経を続けることで、自分の心や体の声に敏感になります。これも、自分を健康に導きます。

体力の向上には、当然ながら、食生活も関係しています。
基本的に私は、「体が欲しているものを食べるのがベスト」と考えています。

ビタミンが不足していれば果物が食べたくなり、大量の汗をかけば水が飲みたくなります。
塩分が足りなかったら、塩辛いものを食べたくなるでしょう。

そうした声に従えば、病気にかかりにくくなります。
本来、体が欲していないインスタント食品やファストフードばかり食べたり、苦しくなるまで食べすぎたりするのは、脳が疲れ、体の声を聞く「感度」が鈍っているからです。

写経を行うことで心が安定し、その結果、感度がよみがえり、体の声が聞こえるようになるでしょう。
そうすれば、食生活も整ってきて、体の変化にも早く気づきます。それが、病気の予防・改善につながるのです。

最近は、一般向けの写経会を開催しているお寺もあるようなので、そうしたところに参加するといいでしょう。
もちろん、自宅で行ってもかまいません。

上に、般若心経を掲載しました。
手を洗い、机の周りを片づけてから、般若心経を一文字ずつ丁寧に、白い紙に書き写していきます。

墨をすって、毛筆で書くのが本式ですが、最初は筆ペンなどでもいいでしょう。
大事なのは、写経に集中することです。

脳が休まり、体が本来持っている力が活性化します。
ぜひお試しください。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この記事のエディター
関連記事
マイタケスープを飲み始めて2~3ヵ月がたった頃、妻から「なんか生えてきているよ」と言われたのです。合わせ鏡で見ると、ハゲていた部分に、本当に産毛が生えているのが確認できました。今ではハゲが消えています。そして、今のところがんの再発もありません。【体験談】中村健三(75歳・無職)
マイタケはビタミン類やミネラル、食物繊維に富み、特に亜鉛、ナイアシン、ビタミンDを多く含んでいます。特筆すべきはMDフラクションという成分で、免疫機能を調整し腫瘍の増殖を抑制する作用が際だって強力であることがわかっているのです。【解説】柴田佳一(柴田接骨院院長)
プロポリスは、ハチの巣への細菌の侵入を防ぎ、その増殖を防いでくれる物質です。いわば、家を守る防御壁なのです。私たちがこのプロポリスを摂取する際には、それがどのようにして抽出されたのかが、一つの重要なポイントとなります。プロポリスの抽出法によって含有される有効成分が異なるからです。【解説】門田重利(富山大学名誉教授)
私は、バナナの研究を20年ほど続けています。調べてみると、バナナの有益な効果が次から次へと見つかったのです。食生活に上手にとり入れれば、ダイエットや血糖値の管理に役立つ食品なのです。「バナナ酢」は、バナナの健康効果に加えて、酢の健康効果も期待できるのです。【解説】水谷剛(東浦和内科・外科クリニック院長)
私にがんが見つかったのは、1999年でした。健康診断で異常が見つかり再検査を受けた結果、医師に前立腺がんと告げられたのです。自分でも生きる気力を絶やすまいと決心しました。健康食品や民間療法などよいと思ったものをすべて試したのです。納豆もその一つです。【体験談】中村孝士((有)日本凍結乾燥食品研究所所長・76歳)
最新記事
熱中症は7月8月の日中に最も多く見られます。熱中症は、乳幼児から高齢者まであらゆる年代で起こる病気です。なかでも高齢者は重症化する場合が多いのです。また服薬や持病のある方も熱中症にかかりやすいリスクがあるといえるでしょう。【解説】大澤直人(高知大学医学附属病院老年病・循環器内科)
熱中症は私たちの日常生活の中での注意や工夫で予防することができます。たとえば、服装です。また、水分補給についても、実は「水分」だけを補給するのではいけません。そのほかに、エアコン等の空調の使い方のコツなどをご紹介します。【解説】大澤直人(高知大学医学附属病院老年病・循環器内科)
手洗いの時間の目安は、おおよそ30秒。次のような手順で洗っていくと、少なくともそれくらいの時間が必要であることが実感できるでしょう。
新型コロナウイルスには、まだ特効薬やワクチンはなく、感染しないための予防法を徹底することが重要です。自分一人ひとりができる感染症対策のポイントをチェックしてみましょう。
コンブを水に漬けて冷蔵庫で10日ほど発酵させ、乳酸菌と酵母を培養する「コンブ酵母」が話題になっています。コンブ特有のにおいが軽減し、旨みが濃くなるので、そのまま飲んでも、料理に使ってもよし!食生活に取り入れる人が急増中です。コンブ酵母の作り方と、コンブ酵母の活用レシピをご紹介します!【レシピ】COBOウエダ家

ランキング

総合ランキングarrow_right_alt
get_app
ダウンロードする
キャンセル