【ひどい肩こり・倦怠感】「食いしばり」が原因の一つ!歯科医お勧めのセルフケア「下あごずらし」とは

【ひどい肩こり・倦怠感】「食いしばり」が原因の一つ!歯科医お勧めのセルフケア「下あごずらし」とは

しつこい肩こり、各所の痛みのほか、耳鳴りやめまい、倦怠感、不眠など、不定愁訴に悩む人が急増しています。私は多くの患者さんの口腔内を診てきた経験から、こうした症状の大半は、「食いしばり」が原因だと考えています。【解説者】西村育郎(西村歯科理事長・院長)


西村育郎
西村歯科理事長・院長。1992年、愛知学院大学歯学部卒業。歯科医院勤務のあと、1995年に西村歯科を開業。著書に『「食いしばり」をやめれば不調はよくなる!』(現代書林)がある。

食いしばりを正せば不調の多くは治る

しつこい肩こり、各所の痛みのほか、耳鳴りやめまい、倦怠感、不眠など、不定愁訴に悩む人が急増しています。
私は多くの患者さんの口腔内を診てきた経験から、こうした症状の大半は、「食いしばり」が原因だと考えています。

その食いしばりに着目し、それを正す治療を始めてからは、慢性的な不調の多くが劇的に改善するようになりました。
今ではインターネットで当院の治療法を知り、不定愁訴の改善を求めて、遠方からも人がたくさんいらっしゃいます。

なぜ、食いしばりが体の不調をもたらすのか、そのメカニズムについてご説明しましょう。
実際に試すとわかるとおり、上下の歯をグッと強く食いしばると、奥歯にかなりの圧力がかかります。

あごから首の後ろの筋肉までが、緊張してくるはずです。
首の後ろの筋肉が緊張すると、それに引っ張られるように下あごが後方へズレます。

実は、下あごは体のバランスを取る重要な部位です。
下あごが後ろにズレると、直立姿勢でかかとに重心がかかるようになり、全身のバランスがくずれてきます。

すると、体はバランスを取ろうとして自然とネコ背になり、姿勢がますます悪化するのです。
その結果、ひざや腰に過度な負荷がかかって痛みが生じたり、筋肉の緊張や血行不良から、首・肩のコリ、頭痛、あごの痛みなどが起こったりします。

さらに、下あごが後方にずれると気道がふさがれやすくなるため、酸素不足になりがちです。
睡眠の質が悪くなり、免疫力の低下へとつながるのです。

食いしばる原因は、生活習慣やストレス、噛み合わせの問題、歯科治療で使われる金属の問題などさまざまです。
なかでも多いのは、前歯を使わずに、奥歯ばかりで噛んでしまうことでしょう。

首の後ろをゆるめて口周りの筋肉を鍛える

奥歯ばかりで物を噛んでいると、奥歯周辺の筋肉が常に緊張し、その緊張が脳に記憶されて、寝ている間も奥歯で食いしばるクセがついてしまいます。
食いしばりは昼も夜も起こりますが、睡眠中の食いしばりは食事中の3倍以上の力がかかるので、特に問題です。

朝起きたときに疲れが残っていたり、首や肩がこっていたりする人は、まず睡眠中の食いしばりを疑ってみることです。
そうでなくても、今は奥歯ばかりで物を噛んでいる人がほとんど。

ほぼすべての人が下あごがズレて、体のバランスがくずれているといってもいいでしょう。
要するに、体の痛みや不定愁訴を改善するには、食いしばりをやめて奥歯の緊張を緩め、下あごを正しい位置に戻すことが必要なのです。

試しに、下あごを少し前に出してみてください。
その状態だと、食いしばることはできないはずです。

気道が広がり、息もたくさん吸い込めるでしょう。
下あごが正しい位置に戻ると、体のバランスも整ってきます。

そして、そのセルフケア法としてお勧めなのが、タオルを使った「下あごずらし」です。
毎日続ければ、食いしばりが是正され、体のバランスが整います。

下あごずらしのやり方は、簡単です。
まず、正面の前歯から2~3本左隣の歯で、タオルを強く噛みます。

このとき、唇は閉じて、左目はつむってください。
そして、5秒間タオルを下方向に引っ張ったら、ゆるめます。

この動作を5~10回くり返します。
次に、反対側の歯でも、同様に行います。

左右1セットを毎日行ってください。
この「下あごずらし」によって、ふだんあまり使っていない前歯にかかわる筋肉を鍛えることができます。

逆に、奥歯周辺から首の後方にかけての筋肉は休まり、緊張がゆるみます。
口周りの筋肉を鍛えることが目的なので、引っ張る力を強くし過ぎたり、歯を前方向に引っ張ったりはしないでください。

私の歯科医院では、患者さんに、最初にこの「下あごずらし」を行ってもらいます。
すると、多くのかたが「肩のコリが楽になった」「腰の痛みが軽くなった」とその場でおっしゃいます。

血行がよくなり、首の後ろの筋肉がゆるんだ証拠です。
これによって、今までいかに首の後ろの筋肉が緊張していたか、そして前歯周辺の筋肉を鍛えることがいかに大切か、ということに気づいてもらえるのです。

ぜひ皆さんも、ご家庭のタオルを使ってお試しください。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

関連する投稿


ぐるぐるめまいと吐き気が取れる「クチナシの実」の黒焼きの作り方

ぐるぐるめまいと吐き気が取れる「クチナシの実」の黒焼きの作り方

クチナシの実は、キントンや炊き込みごはんなどに色を着ける天然の着色料として利用されるほか、生薬(漢方薬の原材料)としても昔から使われており、髙血圧や肝機能の改善、鎮痛・鎮静作用などの働きがあることが確認されています。【解説】平田眞知子(薬草コンサルタント)


【腰痛の原因】食べすぎやストレスによる肝臓疲労 対策は「足首回し」

【腰痛の原因】食べすぎやストレスによる肝臓疲労 対策は「足首回し」

腰痛や肩こりは、体のゆがみによって起こります。その原因を探ると、なんと約8割の人は、肝臓に疲労がたまっていることが、私の長い施術経験からわかりました。肝臓の疲労のしかたによって、体は右肩上がりになったり、左肩上がりになったりします。それが、痛みの原因になるのです。【解説】田川直樹(快風身体均整院院長)


脳が活性化する親指の体操で明るく前向きになれる!意欲がわいてくる!

脳が活性化する親指の体操で明るく前向きになれる!意欲がわいてくる!

親指刺激を行っているうちに、手の動きと脳の働きが同時によくなり、薬の管理がうまくできるようになったというお年寄りもいます。認知症に関する効果だけでなく、肩こりや冷えが軽減した、姿勢がよくなったという人も多いのです。【解説】長谷川嘉哉(認知症専門医)


脚やせ運動「股関節回し」でむくみスッキリ!腸腰筋を鍛える10のメリット

脚やせ運動「股関節回し」でむくみスッキリ!腸腰筋を鍛える10のメリット

股関節は、上半身と下半身をつなぐ関節ですから、ここが硬いと体全体がゆがみます。その結果、ネコ背や腰痛、肩こり、頭痛、関節の痛みなどが生じてくるのです。股関節の可動域を広げるためには、股関節周辺の筋肉を柔軟にすることがたいせつです。【解説】谷口光利(日本ボディーケア学院学院長)


めまいの原因は脳と内耳の循環を悪くする「動脈硬化」にあり!食事での対処法

めまいの原因は脳と内耳の循環を悪くする「動脈硬化」にあり!食事での対処法

脳や耳の血管はきわめて細いので「動脈硬化」が起こると脳、内耳の循環が悪くなります。その結果、平衡機能が低下してめまいが起こりやすくなるのです。動脈硬化を防ぐためには、その引き金となる生活習慣病を防ぐ必要があります。「メタボ」の予防は、実はめまい予防にもつながるのです。【解説】坂田英明(川越耳科学研究所クリニック院長)


最新の投稿


生ガキにあたった時に「梅肉エキス」をなめたら痛みが治まった!

生ガキにあたった時に「梅肉エキス」をなめたら痛みが治まった!

友人とフランス料理店に行き、生ガキを食べました。すると、なぜか私だけがカキにあたってしまったのです。胃がねじれるように痛く、脂汗が浮き出てきます。痛みで体がよじれたりのけぞったり。じっとしていることができないほどでした。わらにもすがる思いで、私は梅肉エキスを手に取りました。【体験談】江崎紀子(仮名・主婦・72歳)


ぐるぐるめまいと吐き気が取れる「クチナシの実」の黒焼きの作り方

ぐるぐるめまいと吐き気が取れる「クチナシの実」の黒焼きの作り方

クチナシの実は、キントンや炊き込みごはんなどに色を着ける天然の着色料として利用されるほか、生薬(漢方薬の原材料)としても昔から使われており、髙血圧や肝機能の改善、鎮痛・鎮静作用などの働きがあることが確認されています。【解説】平田眞知子(薬草コンサルタント)


【大根の健康効果】有効成分の酵素・ファイトケミカルはスムージーで取ると良い!

【大根の健康効果】有効成分の酵素・ファイトケミカルはスムージーで取ると良い!

私は、若々しく健康な体を維持するために、食事で酵素をたっぷり取ることを提唱しています。そのために役立つ食材はいろいろありますが、癖のない風味が、多くの人に好まれている大根も、実は、酵素の補給源として、とても優秀な野菜です。【解説】鶴見隆史(医療法人社団森愛会鶴見クリニック理事長)


脊柱管狭窄症の足のしびれと痛みが解消 81歳現役シェフの「11円スリッパ」体験談

脊柱管狭窄症の足のしびれと痛みが解消 81歳現役シェフの「11円スリッパ」体験談

最初は半信半疑でしたが、藤井先生に勧められたとおり、常に中敷きを入れて、靴をはくようにしました。そうして1ヵ月ほどたったころでしょうか、自分でも「あれほどつらかったのは、一体なんだったのだろう? 」と感じるくらい、その後はひざの痛みに悩まされることはなくなりました。【体験談】藤田正義(オーナーシェフ・81歳)


食欲がない原因は「胃の位置」胃を上げる体操で飲みこみやすさがアップする理由

食欲がない原因は「胃の位置」胃を上げる体操で飲みこみやすさがアップする理由

子どものころ、立てひざでご飯を食べて叱られた。そんな思い出はありませんか。「立てひざで食事」は、一般常識ではマナー違反とされています。しかし実は、誤嚥の予防にとてもいい姿勢なのです。お勧めなのが、食事の前に胃の位置を上げておくこと。それを簡単に行える体操が「右足首の内回し」です。【解説】浜田貫太郎(浜田整体院長)