MCI(軽度認知障害)の予防・対策に「脳トレ」が効果的な理由

MCI(軽度認知障害)の予防・対策に「脳トレ」が効果的な理由

人間の脳は40代から機能低下が顕在化します。定期的に認知機能をチェックすることで、仮にMCIの疑いありと判定されても、そこからすぐに予防行動をとれば認知症の発症を防ぐ可能性が高まります。【解説】今野裕之(ブレインケアクリニック)


認知症予防、脳の老化防止を専門領域とする今野裕之先生

3人に1人が認知症とその予備軍?

2015年1月厚生労働省により、2025年時点の認知症の人は、現状の約1.5倍となる700万人を超えるとの推計が発表されました。
これにMCI(※)を有する人の数を加えると、約1,300万人となり、65歳以上の3人に1人が認知症またはその予備軍であり、誰もがなりうる可能性をもっているといえます。

現在のところ、一度認知症を発症してしまうと完治する治療法はありません。

人間の脳は40代から機能低下が顕在化します。定期的に認知機能をチェックすることで、仮にMCIの疑いありと判定されても、そこからすぐに予防行動をとれば認知症の発症を防ぐ可能性が高まります。今は特に不便を感じないかもしれませんが、気づいた時にはもう発症していた、では手遅れです。健康なうちから定期的なチェックを行い、予防のために行動することをお勧めします。

※日本語で軽度認知障害と呼び、健常者と認知症の人の中間の段階のことを指します

脳トレの効果

脳を発達させるためには、難しい問題を解かないと効果がでないとお考えの人も多いかと思います。
しかし、MRIを用いて脳の血流を分析した研究によって、単純な計算問題を解いている時や本を音読している時など、むしろスラスラできる課題を行っている時に、左右の脳の多くの部分が活発に活動していることがわかりました。

さらに、 簡単な問題をゆっくり解いている時よりも早く解いている時の方が、同じ問題でも脳が広範囲で活動することがわかりました。1日数分、時間を計り集中して、できるだけ問題を早く解くように意識をすることでより効果的に脳を鍛えることができます。

また、脳の神経細胞はシナプスと呼ばれる接続部を持った回路によって情報を伝えています。シナプスを活発に働かせるためには、ひらめき(発想力)が大切です。ひらめきは、その瞬間に神経細胞回路の機能を高めると言われています。たとえ解けない問題があっても、解答を見て「なるほど!そういうことか!」と思うこと自体が脳トレになります。

しかし、継続しなければ老化を抑える効果は消失しますので、脳トレは継続することが一番大切です。

【脳トレ】やってみよう①「反転文字を読み取れ」
【脳トレ】やってみよう②「共通文字入れクイズ」

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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