MCI(軽度認知障害)の予防・対策に「脳トレ」が効果的な理由

MCI(軽度認知障害)の予防・対策に「脳トレ」が効果的な理由

人間の脳は40代から機能低下が顕在化します。定期的に認知機能をチェックすることで、仮にMCIの疑いありと判定されても、そこからすぐに予防行動をとれば認知症の発症を防ぐ可能性が高まります。【解説】今野裕之(ブレインケアクリニック)


解説者のプロフィール

今野裕之(こんの・ひろゆき)
ブレインケアクリニック院長。
2001年日本大学医学部卒業。
慶應義塾大学病院、日本大学医学部附属板橋病院などを経て、2016年より認知症、うつ病、不眠症、慢性疲労、大人の発達障害などの病気を専門とするブレインケアクリニックの院長となる。

●ブレインケアクリニック
東京都新宿区左門町13番地磯辺ビル2階
TEL 03-3351-3386
http://brain-care.jp/

3人に1人が認知症とその予備軍?

2015年1月厚生労働省により、2025年時点の認知症の人は、現状の約1.5倍となる700万人を超えるとの推計が発表されました。

これにMCI(※)を有する人の数を加えると、約1,300万人となり、65歳以上の3人に1人が認知症またはその予備軍であり、誰もがなりうる可能性をもっているといえます。

※日本語で軽度認知障害と呼び、健常者と認知症の人の中間の段階のことを指します

現在のところ、一度認知症を発症してしまうと完治する治療法はありません。

人間の脳は40代から機能低下が顕在化します。
定期的に認知機能をチェックすることで、仮にMCIの疑いありと判定されても、そこからすぐに予防行動をとれば認知症の発症を防ぐ可能性が高まります。

今は特に不便を感じないかもしれませんが、気づいた時にはもう発症していた、では手遅れです。
健康なうちから定期的なチェックを行い、予防のために行動することをお勧めします。



脳トレの効果

脳を発達させるためには、難しい問題を解かないと効果がでないとお考えの人も多いかと思います。

しかし、MRIを用いて脳の血流を分析した研究によって、単純な計算問題を解いている時や本を音読している時など、むしろスラスラできる課題を行っている時に、左右の脳の多くの部分が活発に活動していることがわかりました。

さらに、 簡単な問題をゆっくり解いている時よりも早く解いている時の方が、同じ問題でも脳が広範囲で活動することがわかりました。

1日数分、時間を計り集中して、できるだけ問題を早く解くように意識をすることでより効果的に脳を鍛えることができます。

また、脳の神経細胞はシナプスと呼ばれる接続部を持った回路によって情報を伝えています。
シナプスを活発に働かせるためには、ひらめき(発想力)が大切です。
ひらめきは、その瞬間に神経細胞回路の機能を高めると言われています。

たとえ解けない問題があっても、解答を見て「なるほど!そういうことか!」と思うこと自体が脳トレになります。

しかし、継続しなければ老化を抑える効果は消失しますので、脳トレは継続することが一番大切です。

→【脳トレ】共通文字入れクイズ
→【脳トレ】 反転文字を読み取れ

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

関連する投稿


40代で始まっている!?認知症を起こす「脳の糖尿病」チェックリストと対策

40代で始まっている!?認知症を起こす「脳の糖尿病」チェックリストと対策

認知症というと高齢者の病気、と考える人も多いでしょう。近年、認知症は「脳の糖尿病」で生活習慣の改善で予防できることがわかりました。認知症は20~30代の頃の生活習慣、特に食習慣の結果でもあります。ですから早めに対処することが認知症予防には欠かせません。【解説】熊谷賴佳(脳神経外科専門医・認知症サポート医・京浜病院院長)


朝イチで飲む抹茶レモンで脳が活性化!記憶力が改善する効果

朝イチで飲む抹茶レモンで脳が活性化!記憶力が改善する効果

抹茶に含まれるカテキンなどのポリフェノールは、抗酸化力の強い物質であることがわかっています。さらに、レモンの皮に含まれる「ノビレチン」というポリフェノールには、認知症の原因の1つとされている、アミロイドβという物質の脳への沈着を減らす働きがあるという研究結果が出ているのです。【解説】丁宗鐵(医学博士・日本薬科大学学長)


【集中力がアップ】片側の鼻で呼吸するとイライラが消え記憶力が向上する!

【集中力がアップ】片側の鼻で呼吸するとイライラが消え記憶力が向上する!

片鼻呼吸法とは、文字どおり、片側の鼻だけで呼吸する方法で、ヨガなどでもよく行われています。片鼻呼吸法を毎日行うことで、記憶力を向上させ、ボケを防いで、さらにさまざまな健康効果を得ることを期待できるのです。【解説】高田明和(浜松医科大学名誉教授)


脳を鍛える【足の使い方】脳の専門家おすすめは「足指の小指刺激」

脳を鍛える【足の使い方】脳の専門家おすすめは「足指の小指刺激」

ほとんどの人は、両足10本の指のうちに何本か、意識があまり通じていない指があるはずです。足には多くの筋肉があり、5本の指それぞれで、使う筋肉も異なります。指1本1本を動かしたり刺激したりすれば、それだけで、脳に多彩な刺激が行き渡り、脳が喜びます。【解説】加藤俊徳(加藤プラチナクリニック院長・「脳の学校」代表)


認知症や脳卒中の予防に期待 シソ酢に含まれる「ロスマリン酸」の効果

認知症や脳卒中の予防に期待 シソ酢に含まれる「ロスマリン酸」の効果

近年、青ジソや赤ジソに含まれる「ロスマリン酸」に注目が集まっています。ロスマリン酸は、認知症を引き起こす脳へのたんぱく質の凝集を防ぐと期待されています。脳の酸化を抑えることは、脳の病気を予防することに直結するといってもいいでしょう。【解説】阿部康二(岡山大学医学部脳神経内科学教授)


最新の投稿


立ち仕事でむくんだ足に塩カイロが効果!酷かった生理痛も軽くなった

立ち仕事でむくんだ足に塩カイロが効果!酷かった生理痛も軽くなった

2週間後には、日中に頭がスッキリするのを感じました。今思えば、以前の私は常に眠気を感じていた気がします。その後、すぐにふくらはぎが軟らかくなりました。そして3週間目には、足がむくまなくなったのです。今は靴がきつく感じることはありません。仕事中の気持ちにゆとりができました。【体験談】今村由利(仮名・会社員・28歳)


間欠跛行が改善!首・腰のこわばりをリセットする「ひざ倒し」のやり方

間欠跛行が改善!首・腰のこわばりをリセットする「ひざ倒し」のやり方

首のこわばりをほぐし、背中や腰の緊張が緩めば、間欠跛行の改善も期待できます。いったん固まってしまった首の緊張をほぐすのは、実は、簡単ではありません。この体操を行うと、首のこわばりがリセットされ、全身の筋肉の緊張を一挙にほぐすことができます。【解説】梶原千譽(カジハラ治療院院長)


【良性発作性頭位めまい症】手のひらの反射区を押す方法で症状が改善した

【良性発作性頭位めまい症】手のひらの反射区を押す方法で症状が改善した

手のひらを押し始めてすぐに腰の痛みがやわらぎ、この数年は治療を受けることもなくなりました。以前はめまいが起こる前に「めまいが来るな」という前兆があったのですが、今はそれすらなくなりました。50歳前後の頃より、58歳になった今のほうがよいくらいではありませんか。【体験談】新田博子(仮名・会社員・58歳)


腰痛のセルフケア「わきの押し回し」で20年使ったコルセットが不要に!

腰痛のセルフケア「わきの押し回し」で20年使ったコルセットが不要に!

特につらかったのが、洗い物をしたり、風呂場の掃除をしたりするなど中腰の姿勢になるときです。それに加え腕が上がらないので、洗濯物を干すのもひと苦労で、家事を満足にこなせませんでした。施術を受けながらセルフケアを続けたところ、わずか1ヵ月間で腰痛はうそのように軽くなりました。【体験談】中村芳美(仮名・無職・70歳)


脊柱管狭窄症が招くロコモティブシンドロームの進行・症状を抑える体操「ロコトレ」のやり方

脊柱管狭窄症が招くロコモティブシンドロームの進行・症状を抑える体操「ロコトレ」のやり方

「ロコモティブシンドローム」は、骨、筋肉、関節、神経などの運動器に障害が起こり、歩いたり体を動かしたりする機能が低下して、要支援・要介護になるリスクが高い状態をいいます。このロコモを引き起こす病気の一つに、腰部脊柱管狭窄症があります。【解説】重松英樹(奈良県立医科大学整形外科学内講師)