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【酢玉ねぎの健康効果】記憶力がアップ 物忘れ対策に 動脈硬化を防ぐ薬効も

【酢玉ねぎの健康効果】記憶力がアップ 物忘れ対策に 動脈硬化を防ぐ薬効も

私は長年にわたる研究で、タマネギの健康効果を解き明かしてきました。タマネギの物忘れ予防効果の実験で、タマネギの成分が記憶力向上に貢献していることが確認されました。さらにタマネギの血液サラサラ効果は、動脈硬化を防ぎ、心筋梗塞や脳梗塞の予防につながるのです。【解説】西村弘行(北翔大学学長・東海大学名誉教授)

タマネギの物忘れ効果について

 私は長年にわたる研究で、タマネギの優れた健康効果を解き明かしてきました。ここでは、特にタマネギの物忘れ予防効果を中心にお話しします。

 最初に、私が行った実験を紹介しましょう。遺伝的に記憶力の弱いマウスと、通常のマウスを使った、比較実験です。
 まず、水を張った水槽の中に、島のような陸地部分を作り、そこにマウスを放ちます。するとマウスは、島を目指して泳ぎ出し、上陸します。
 記憶力のよい通常のマウスは、実験をくり返すうちに島の場所を覚えて、島までに泳ぎつく時間や、泳ぐ距離がだんだん短くなっていきます。しかし、記憶力の弱いマウスは、島の位置を覚えていられないため、何回くり返しても、時間や距離を短縮することができません。

 ところが、この記憶障害マウスに、タマネギのエキスを与えると、島へ泳ぎつく時間や距離が、だんだん短縮されていくことがわかったのです。
 そこで、タマネギのエキスを調べてみたところ、タマネギの「におい成分」が、マウスの記憶力をよくしていることが判明しました。

タマネギの臭い成分が記憶力を向上

 タマネギの主成分は、含硫アミノ酸と呼ばれるものです。
 タマネギを切ると、含硫アミノ酸の細胞膜が破壊され、同じくタマネギに含まれる酵素と反応し、変化します。最初は、辛み成分が生成されますが、時間の経過とともに、におい成分へと変わっていきます。このにおい成分が、マウスの記憶力向上に関係していたというわけです。
 記憶の働きに関与しているのは、脳の海馬という部位です。 老化の原因物質である活性酸素がふえると、海馬の細胞が酸化し、記憶力の低下や、ボケなどの症状が引き起こされます。
 つまり、海馬の細胞の抗酸化力を測ることが、記憶力の程度を測る目安になるわけです。

 そこで、今度は別の実験を行いました。
 記憶障害マウスにタマネギのエキスを飲ませて、海馬の抗酸化力を調べたのです。すると、飲ませる前よりも、飲ませたあとのほうが、抗酸化力がアップしていることがわかりました。
 このように、マウスの行動比較からも、脳細胞レベルの実験からも、タマネギの成分が記憶力向上に貢献していることが確認されました。
 タマネギを摂取することが、物忘れの予防に役立つ可能性が示されたといえます。

酢玉ねぎの作り方

動脈硬化を防ぐ血液サラサラ効果もある

 タマネギの健康効果は、物忘れの予防にとどまりません。
 よく知られているのは、血液サラサラ効果です。動脈硬化を防ぎ、悪玉コレステロールをへらすので、心筋梗塞や脳梗塞などの予防につながります。これもやはり、含硫アミノ酸が変化した、におい成分の作用です。

 記憶力アップにも、血液サラサラにも、におい成分が効くわけですから、これをふやして食べない手はありません。そこで、こうした健康効果をより高めるための、調理テクニックをご紹介しましょう。
 タマネギは、料理にもよりますが、みじん切りにしたほうが、酵素の反応が進みやすくなります。
 切ったあとは、30分〜1時間程度、そのまま放置。こうすることで、辛み成分が変化して、におい成分がふえるのです。
 この放置したタマネギを、加熱調理すると、におい成分は10倍以上にパワーアップします。

 さらに、このにおい成分は脂溶性ですから、油といっしょにとると、体内で吸収しやすくなるのです。
 一方で、タマネギの健康効果を得るには、できるだけ毎日継続して食べるのが理想です。しかし、タマネギ料理ばかり作るわけにもいきません。
 そこで、私が勧めるのは、酢タマネギです。タマネギの有効成分は、油同様、酢にも溶け出すので、酢漬けにすることで、体内での吸収率が上がります。

酢タマネギは日持ちする

 加えて、酢自体にも、高血圧の改善や、疲労回復を促すなどの効果が認められています。
 また、保存がきくので、常備菜として毎日手軽に食卓に上げられるという点も魅力です。
 この酢タマネギを、先に述べたようなポイントを踏まえて作るわけです。

 すなわち、みじん切りにしたタマネギを、30分〜1時間放置してから、適量の酢といっしょに鍋に入れ、これをひと煮立ちさせましょう。加熱時間は、ほんの1~2分でかまいません。
 酢が苦手なかたは、ハチミツを適量加えると酸味が和らぎます。
 冷めたら容器に入れ、冷蔵庫で保存。1ヵ月くらいは日持ちしますから、多めに作って毎日食べるとよいでしょう。
 油を使った炒め料理のつけ合わせにすれば、サッパリした箸休めになるうえ、脳と心臓を守るにおい成分の、体内での吸収率も上がり、一石二鳥です。
 タマネギは薬効あふれるスーパー食材です。ぜひ、たくさん食べて、健康の維持・向上に役立ててください。

解説者のプロフィール

西村弘行 北翔大学・北翔大学短期大学部学長。東海大学名誉教授。名古屋大学大学院農学研究科修士課程修了後、北海道大学にて農学博士号を取得。北海道大学助教授、北海道東海大学教授・学長を歴任し、現在に至る。タマネギのことなら何でもご存じの、タマネギ博士として有名。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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