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あごのズレが原因で腰痛に!体のバランスを整える「アウアウ体操」のやり方

あごのズレが原因で腰痛に!体のバランスを整える「アウアウ体操」のやり方

私は、あごのズレている患者さんに、あごを正しい位置に戻す治療(丸山咬合医療・MFA治療)を行っています。体のバランスが整い、腰やひざの痛みがよくなり転倒しにくくなります。ここでは自宅でできる「アウアウ体操」を紹介します。【解説者】丸山剛郎(大阪大学名誉教授・日本咬合臨床研究所所長・特定非営利活動法人日本咬合学会理事長)


あごがズレると全身の骨格がズレる

私はこれまでに、歯科医師として、1万6000人以上の患者さんの噛み合わせ(咬合)を治療してきました。
その経験からわかったことがあります。

実は、ほとんどの患者さんのあごがズレているのです。
しかし、これは、無理もありません。

あごがズレやすいのは、人類の宿命のようなものだからです。
直立二足歩行を始めたときから、ヒトは小さな二つの足に全体重をかけて立ち、片足ずつで歩かなければいけなくなりました。

これは、前後左右、いずれにも倒れやすい不安定な姿勢です。
この不安定な姿勢のバランスを保つのに、重要な働きをしているのが、あごなのです。

あごは、地面から遠い位置にあり、頭蓋骨にぶら下がって全身のバランスを取る役目をしています。
これが、体の中心軸に対して正しくぶら下がっていれば問題ありません。

しかし、中心軸からズレると、全身のバランスそのものがくずれます。
あごがズレているというのは、片足にスリッパ、もう片足にハイヒールをはき、立ったり歩いたりするようなものです。

あごのズレが痛みやコリを生む元凶!

このような状態では、あごにつながっている頭蓋骨から背骨、骨盤まで、骨格がすべてズレることになります。
すると、骨格を支えている筋肉のバランスもくずれ、筋肉は緊張してかたくなります。

これこそが、痛みやコリを生む元凶なのです。
また、あごがズレると、体の重心もズレるので、転倒しやすくなります。

私は、あごのズレている患者さんに、あごを正しい位置に戻す治療(丸山咬合医療・MFA治療)を行っています。
すると、筋肉の硬直がほぐれて体のバランスが整います。

その結果、腰やひざの痛みがよくなり、転倒しにくくなります。
また、本来持っている筋力を十分に発揮できるようになるのです。

あごのズレを改善する「アウアウ体操」のやり方

とはいえ、「あごのズレは改善したいけど、すぐに治療を受けられない」という皆さんもおられるでしょう。
そこで、「アウアウ体操」をお勧めします。

アウアウ体操は、とても簡単です。
よい姿勢で立って、「アウアウ」といいながら、あごを上下に動かすだけ。

アウアウ体操のやり方

アウアウ体操で腰痛やひざ痛が改善する

この体操を行うと、あごの周辺の筋肉が左右均等に動き、あごが自然に正しい位置へと戻っていきます。
これにより、噛み合わせ治療と同じような効果が得られるのです。

この体操のコツは、正しい姿勢で行って、上下の歯を噛み合わせないことです。
上下の歯をカチカチ合わせると、ズレている歯の情報が脳に伝わり、ズレがよけいにひどくなります。

鏡の前に立ち、正しい姿勢を確認しながら、アウアウ体操を行いましょう。
1度に20回が目安です。

アウアウ体操を行うには、朝起きてすぐがお勧めです。
就寝中は、無意識のうちに歯を噛みしめたり、横向きに寝たりして、あごがズレてしまいがちだからです。

アウアウ体操は、あごのズレから生じる腰痛やひざ痛を予防・改善するのに役立つだけではなく、肩や首のコリをほぐす効果も発揮します。
また、足腰を鍛える運動の前に行えば、運動効果が高まり、転倒の危険性を抑えることもできるでしょう。

かくいう私自身、アウアウ体操で噛み合わせを調整し、あごがズレないように心がけてきました。
おかげさまで、毎日元気に暮らしています。

私は、61歳で登山を始め、71歳までに、日本の百名山をすべて踏破しました。
現在、76歳ですが、今も、元気に山登りをしています。

こうした元気の秘密がアウアウ体操にもあると思っています。

あごのズレを直すと視力が回復!

また、アウアウ体操は、目の悩みを解消するのにも役立ちます。

そもそも、下あご、上あご、目の三つの神経は、三叉神経という一つの神経となって脳に入っています。
あごがズレて、下あごの神経が異常を感知すると、それが三叉神経を介して、目の異常を引き起こす可能性があります。

あごのズレと視力には密接な関連があるのです。
アウアウ体操であごのズレを修正すれば、筋肉の硬直が解消します。

水晶体の厚みを調整し、ピント合わせを行っているのが目の毛様体筋です。
アウアウ体操を行えば、毛様体筋の硬直もほぐすことができます。

その結果、目のピント調節力も回復してくるのです。
疲れ目がよくなったり、視力がアップしたりする効果が期待できるでしょう。

私は長年、遠くと近くを交互に見る「目の遠近訓練」を続けて、視力を維持してきました。
50代半ばで少し視力が落ちましたが、このとき、アウアウ体操であごのズレを直すことで、視力を回復したのです。

この年齢で老眼鏡の必要がなく、白内障もありません。
このようにあごのズレを直すアウアウ体操は、多くの健康効果をもたらします。

解説者のプロフィール

丸山剛郎(まるやま・たかお)
大阪大学名誉教授・日本咬合臨床研究所所長・特定非営利活動法人日本咬合学会理事長。

●丸山咬合医療センター
http://www.jio-maruyama.info/

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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