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【寝つきを良くする方法】寝る2時間前にお風呂に入ると熟睡感がアップ!

【寝つきを良くする方法】寝る2時間前にお風呂に入ると熟睡感がアップ!

日本人の1日の平均睡眠時間は6時間未満が約4割で、世界的にみても睡眠時間が短いと言われています。短時間睡眠は、健康状態を悪化させたり日中のパフォーマンスを下げたりするとわかっています。深刻なのは「睡眠時間が足りていない」自覚がないことです。【解説】中村真樹(青山・表参道睡眠ストレスクリニック院長)

解説者のプロフィール

なかむら まさき
青山・表参道睡眠ストレスクリニック院長。日本睡眠学会認定医。1971年、東京生まれ。東北大学大学院医学研究科修了後、東北大学病院精神科で助教、外来医長を務める。2008、年睡眠総合ケアクリニック代々木に入職し、睡眠で悩むビジネスパーソンを月に300人以上診察。2017年、青山・表参道睡眠ストレスクリニックを開院。著書に『仕事が冴える「眠活法」』(三笠書房)がある。
●青山・表参道睡眠ストレスクリニック
https://omotesando-sleep.com/



寝不足に慣れて気づかない。怖い「隠れ不眠」

 日本人の1日の平均睡眠時間は6時間未満が約4割(2015年・厚生労働省調査)で、世界的にみても睡眠時間が短いと言われています。
「短い時間でもしっかり眠れていればいい」と思っているかたもいらっしゃるかもしれません。でも、それは間違っています。

 短時間睡眠は、健康状態を悪化させたり、日中のパフォーマンスを下げたりすることがわかっています。

 深刻なのは、「睡眠時間が足りていない」自覚がないことです。こういうかたは、意識して睡眠時間を取ろうとしないため、知らず知らずのうちに仕事や勉強のパフォーマンスが落ちている可能性があります。

 グラフは、4時間睡眠を続けたとき、「眠気」と「パズルを解いたときの成績」がどのように変化していくかを表したものです。眠気の自覚はなくても、脳は日を追うごとに疲労し、ミスをしやすくなっていることがわかります。

 睡眠時間が短いと、病気のリスクも高まります。5時間しか眠っていない人は、7〜8時間睡眠の人より糖尿病の発症リスクが2倍になるという研究報告もあります。

 さらに、食欲コントロールのバランスが崩れて、過食に走るという傾向もあり、睡眠不足はダイエットにも大敵なのです。

 また、睡眠不足はアルツハイマー型認知症のリスクも高めます。認知症の原因と言われている脳のごみ・アミロイドβは、眠っているときに排泄されます。睡眠時間が6時間未満の人は、7時間以上の人と比べて、アミロイドβが脳内に多く蓄積することがわかっています。アミロイドβは、30〜40代から蓄積されていくため、高齢になってから睡眠時間を増やしても手遅れなのです。

 健康のためにも、日中のパフォーマンスのためにも、7〜8時間の睡眠を取ることを心がけてください。

眠気の決め手の深部体温は普通はなだらかに下がる

 睡眠時間を確保したい、ぐっすりと眠りたいと思っていても、「なかなかすんなりと寝つけない」というかたも多いでしょう。

 そういうかたには、寝る前に深部体温を下げることをお勧めします。

 深部体温とは、脳や内臓などの体の内部の温度のことです。人間の体は、寝つく前に深部体温が下がることで眠気が起き、寝ている間はなだらかに下がり続けます。そして、起きる前には上昇することがわかっています。そのため、眠気を誘うためには、深部体温を下げることがポイントとなるのです。

 深部体温を下げるというと、体を冷やせばいいと勘違いするかたもいますが、そうではありません。体を温めて、皮膚から熱を放つことで、深部体温は下がります。

 深部体温を下げるために簡単にできることの1つは、寝る2時間ほど前にストレッチなどの軽く汗ばむ運動をすることです。

 一方で、夕方以降に激しい筋トレなどを行うと、興奮状態になり、深部体温が上がったままになるので注意してください。

38〜40℃のぬるめのお湯に半身浴で30分が効果的

 入浴は、深部体温をコントロールするのに、最もお勧めです。

 眠りたい2時間ほど前に、38〜40℃のぬるめのお湯に半身浴で30分程度浸かります。
 すると、体の芯まで温まり、その後、速やかに深部体温が下がって寝つきがよくなるのです。

 一方で、熱いお湯に長く浸かるとかえって体がストレスを感じて深部体温がなかなか下がらず、寝つきが悪くなるので注意しましょう。

 忙しくて湯船に浸かる時間がないときは、10〜15分の足湯をしてから眠るのも効果的です。

 帰宅が遅くなったのに、「入浴してから2時間後に寝る」と決めて、睡眠時間がかえって短くなるのはよくありません。そんなときはぬるめのシャワーでじゅうぶんです。
 不眠のいちばんの原因は、「あれを必ずしなければ」とこだわりすぎることです。義務感が強くなると、緊張して、かえって眠れなくなってしまう可能性があります。

 毎日、負担なく行える方法で、睡眠の質を上げてみてください。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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