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【いびきの原因】口呼吸・睡眠時無呼吸症候群を改善する「片鼻呼吸と口テープ」

【いびきの原因】口呼吸・睡眠時無呼吸症候群を改善する「片鼻呼吸と口テープ」

いびきをかいて寝て「よく寝たはずなのに日中眠い」「頭がぼーっとして集中できない」といった脳疲労の自覚がある人は、睡眠時無呼吸症候群かもしれません。やせている女性にも起こります。高血圧や心筋梗塞、脳卒中、糖尿病などの合併症を招くことがあります。【解説】白濱龍太郎(RESM新横浜睡眠・呼吸メディカルケアクリニック院長) 

解説者のプロフィール

しらはま りゅうたろう 
睡眠、呼吸器内科、在宅医療の専門クリニック「RESM新横浜」院長。医学博士。日本睡眠学会認定医。筑波大学医学群医学類卒業。東京医科歯科大学大学院統合呼吸器病学修了。東京共済病院、東京医科歯科大附属病院を経て2013年に「RESM新横浜」を開設。『1万人を治療した睡眠の名医が教える 誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』(アスコム)ほか著書多数。
●RESM新横浜
http://www.resm.info/

いびきが重大な病気を引き起こす可能性も

 以前は「いびきをかいてグーグー寝ている」という姿は、気持ちよく寝ているような健康的なイメージでした。
 しかし、今では、いびきは睡眠中に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」の可能性があることが知られ、注意が必要になっています。

 いびきは、気道が狭くなることで起こります。狭いところで呼吸をすると空気抵抗が大きくなり、振動で音が生じるのです。
 太って体に脂肪がつくと、のどにも同じように脂肪がつき、気道が狭くなるので、いびきをかきやすくなります。
 そのため「いびきをかくのは太った中年の男性」が中心だと思っている人が多いのですが、やせている女性にも起こります。
 下あごが小さい場合、舌がのどのほうに下がりやすく、気道が狭くなるのです。

 また、鼻に病気がある人も、口呼吸で気道が狭くなるため、いびきをかきやすくなります。
 さらに、年齢とともにのどの筋肉が緩むことも、いびきの原因になっています。
 このように、老若男女、体形を問わず、誰でもいびきをかく可能性はあるのです。

 いびきをかく人は、大きな音で周りの人へ迷惑をかけるだけでなく、病気を引き起こす危険があることが問題となっています。
 特に、いびきをかいて寝て、「よく寝たはずなのに日中眠い」「頭がぼーっとして集中できない」といった、脳疲労の自覚がある人は、睡眠時無呼吸症候群かもしれません。

 睡眠時無呼吸症候群は、1時間に5回以上、10秒間呼吸が止まったり、弱まったりする病気です。
 血中の酸素濃度の低下を繰り返すために、高血圧や心筋梗塞、脳卒中、糖尿病などの合併症を招くことも少なくないのです。
 睡眠時無呼吸症候群は、寝ているときに、いわば酸素の薄い高地でトレーニングを行っているようなもの。睡眠中にこのような状態では、ぐっすり眠ることはできないですし、夜間に突然死を引き起こすこともあります。

 また、電車やバスの事故は、運転手の睡眠時無呼吸症候群だったというニュースもよく聞きます。
 睡眠時無呼吸症候群になると、日中、睡魔に襲われて、居眠り運転などの交通事故を起こす危険も指摘されているのです。

 自覚症状のあるかたは、一度、専門のクリニックで診察を受けることをお勧めします。

片鼻呼吸やテープで鼻呼吸を習慣に

 また、いびきは、自分でできる改善法があります。

 まず寝るときの姿勢ですが、仰向けに眠ると舌が下がりやすいため、横向きで眠ることをお勧めします。
 横向きで寝ていても、いつのまにか仰向けになっている人は、抱き枕を抱えて眠ると、姿勢が安定し、いびきをかきにくくなるでしょう。

 また、口呼吸を行っている人は、鼻呼吸に切り換える訓練をしてください。
 寝ているときだけ鼻呼吸を意識するのは難しいので、日頃から口を閉じるようにして、鼻で呼吸をするようにしましょう。

 ヨガの「片鼻呼吸」を行うのも、鼻呼吸を意識するのに役立ちます。

片鼻呼吸のやりかた

 片鼻呼吸は、難しいものではなく、左右の鼻呼吸を交互に行うだけですが、続けるうちに鼻呼吸の習慣がつくようになります。
 さらに、ゆっくり呼吸を行うことで、リラックスでき、寝る前に行うと、寝つきもよくなるでしょう。

 眠っているときに鼻呼吸ができているか心配な人は、鼻呼吸を誘導してくれる、市販の口閉じテープを利用するのも1つの方法です。

 ほかにも、下あごを浮かせて気道を広げるマウスピースも販売されており、こちらもいびき対策には効果的です。

口閉じテープを使ってみる

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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