【対人恐怖症、自閉症】症状が改善する食事療法 やめると良い食品とは?

【対人恐怖症、自閉症】症状が改善する食事療法 やめると良い食品とは?

私のクリニックでは、本人に思い当たる原因はないけれど、脳機能のトラブルが疑われる患者さんに、食事の指導を行っています。生活に合わせて、白砂糖や加工食品などを控えていただくよう指導しますが、中でも最初にやめていただく、2つの食品が「パン」と「牛乳」です。【解説】内山葉子(葉子クリニック院長)


対人恐怖が消え、自傷行為をしなくなった

「頭がボーッとして集中できない」
「少し前のことを思い出せない」
「ぐっすり眠れない」
「精神的に不安定だ」

 こうした症状は、脳機能に問題が起きていると思われますが、「頭をぶつけたわけでもないし、特に原因が浮かばない」というかたもいらっしゃるでしょう。

 私のクリニックでは、本人に思い当たる原因はないけれど、脳機能のトラブルが疑われるかたに、食事の指導を積極的に行っています。
 先ほどのような症状が、食事が原因で起きていることも、少なくないからです。

 患者さんの生活に合わせて、白砂糖や加工食品など、体によくないものを控えていただくよう指導しますが、中でも最初にやめていただく、2つの食品があります。
 それが、「パン」と「牛乳」です。

 どちらも、食卓でおなじみの食品ですから、「パンと牛乳が脳機能に関係しているなんて、考えたこともなかった」というかたが、ほとんどだと思います。

 数年前からクリニックで、2つの食品を控えるよう、本格的な指導を始めてから、患者さんの1カ月後の改善ぶりが、明らかに向上しました。ここでは、脳機能が改善したと思われる、3つの症例を紹介します。

●Aさん(50代・女性)症状:同じ話を繰り返す

 クリニックでは、初診の患者さんに細かく問診を行います。これまでの体調についても伺いますが、Aさんの返答は不明瞭でした。
 頭がボーッとしているようで、同じ話を繰り返します。そこで「まずはパンと牛乳をやめましょう」と指導しました。
 3週間後、再来院したAさんの話し方は、見違えるほど明瞭になっていました。以前のように、同じ話を繰り返すこともありませんでした。

●Bさん(10代・女性)症状:対人恐怖症・朝起きられない・イライラする・眠れない

「人が怖くて外出できない」「睡眠薬を飲んでも眠れない」「朝起きられない」「すぐイライラする」という悩みを抱えていたBさん。几帳面な性格でしたので、パンと牛乳がよくない理由を詳しく説明し、実践してもらいました。
 1カ月後、「人への恐怖心が半減して、外出できる日が増えた」「睡眠薬がなくても、ぐっすり眠れるようになった」「毎朝、きちんと起きられるようになった」「イライラも、10が2くらいになっている」と、明るい様子で話してくれました。

●C君(4歳・男児)症状:自傷行為・言葉の遅れ

 C君は自閉症で、壁や床に自分の頭をぶつける自傷行為や、言葉の遅れが見られました。また、自分でスプーンが持てないので、食事では介助を必要としていました。
 パンと牛乳をやめてもらって1カ月後、C君は自傷をしなくなり、一人で食事が取れるようになりました。半年後には、言葉も出てくるようになり、お母さんは感動されていました。

脳が攻撃され精神不安を引き起こす

 パンと牛乳が、なぜ脳や体に好ましくない影響を与えるのか、代表的な原因を説明しましょう。

 パンの一番の弊害は、「グルテン」を多く含んでいることです。
 グルテンは小麦由来のたんぱく質で、パンのモチモチした食感を生み出すのに欠かせないものです。
 グルテンは、もともと消化がしづらいのですが、特に現代のパンには、モチモチした食感を出すために、グルテンが多く含まれています。そのため昔と比べて、より消化しづらくなっています。

 多くのグルテンや添加物を含むパンを食べると、未消化のグルテンが腸内に残り、体内に入りやすくなります(※)。

※腸は、食物を消化吸収するとき、必要なものだけを体内に通して、不要なものは通さない「ふるい」のような機能を持っている。しかし、グルテンには、「ゾヌリン」という物質の分泌を促すことで、腸のふるいを緩め、本来なら体内に入れない物質を通しやすくする(腸の透過性を上げる)働きがある

 体内に入った未消化のグルテンは、免疫システムから「異物」と見なされます。すると、それを攻撃する「抗体」が生まれます。

 実は、グルテンと脳の一部は、その構造がよく似ています。そのため、本来、未消化のグルテンを攻撃するために生まれた抗体が、脳を間違えて攻撃するという事態が起こります。これが、未消化のグルテンの最も怖いところです。

 さらに、未消化のグルテンからは、「エキソルフィン」という物質が生まれます。
 脳内に入ったエキソルフィンは、脳神経に作用し、精神不安を引き起こすほか、神経伝達物資の働きを悪化させます。

 また、エキソルフィンは、モルヒネのような多幸感をもたらし、「パンを繰り返し食べたくなる」という中毒を引き起こします。

 つまり、パンを食べ続けると、「未消化のグルテンが体に入ることで、脳に問題を引き起こすが、中毒性のため摂取をやめられない」という、悪循環に陥りかねません。

グルテンの摂取を減らすために「やめるとよいパン」とは

グルテンとカゼインの絶対量を減らす

 一方、牛乳の弊害は、「カゼイン」という乳たんぱく質です。

 カゼインも、グルテンと同じように腸で未消化物になりやすく、それがエキソルフィンを生みます。

 つまり、パンと牛乳を組み合わせると、悪循環がより強化されてしまうわけです。 
 悪循環から抜け出すのに、グルテンを含む小麦製品や、カゼインを含む乳製品を、すべてカットするのは現実的ではありません。

 たいせつなのは、「絶対量」を減らすことです。そこで私は、普段、頻繁に摂取している思われる、パンと牛乳を、まずは3週間やめてくださいと呼びかけています。

 パンと牛乳をやめてみた人からは、「集中力が戻ってきた」、「日中の眠気がなくなった」という声が聞かれます。

 未消化物が減れば腸の炎症なども改善するので、「おなかが張らなくなった」「便秘しなくなった」など、腸機能の改善は、脳機能の改善の目安になります。
「普段、パンや牛乳を摂取しているが、健康そのものだ」というかたは、消化力が強いのかもしれません。そうしたかたは無理にやめる必要はありませんが、少しでも思い当たるかたは、ぜひ試してください。

うちやま ようこ
関西医科大学卒業。大学病院・総合病院で腎臓内科・循環器・内分泌を専門に臨床・研究を行った後、福岡県北九州市で葉子クリニックを開設、院長を務める。医学博士、総合内科専門医、腎臓内科専門医、ホメオパシー専門医。著書に「パンと牛乳は今すぐやめなさい!」(マキノ出版)などがある。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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