【ガス腹の解消法】梅雨時の便秘対策に「オリーブオイル」 ガス抜きに「腸もみ」

【ガス腹の解消法】梅雨時の便秘対策に「オリーブオイル」 ガス抜きに「腸もみ」

私のクリニックの患者さんは重症な便秘の人が多く、なかには1日50錠、100錠という、とんでもない量の下剤(便秘薬)を服用している人もいます。そんな便秘の患者さんたちを診ていて痛感するのが、梅雨時に「冷え」を訴える人が多いということです。なかでも特に目立つのが「おなかの冷え」です。【解説】松生恒夫(松生クリニック院長)


「排便力」をつけて便秘を治す本

「停滞腸」になると、便秘になったり、ガス腹になったりする

 私のクリニックには、便秘の人を専門に診る「便秘外来」があります。患者さんは重症な便秘の人が多く、なかには1日50錠、100錠という、とんでもない量の下剤(便秘薬)を服用している人もいます。

 そんな便秘の患者さんたちを診ていて痛感するのが、「冷え」を訴える人が多いということです。なかでも特に目立つのが、「おなかの冷え」です。
 実際、便秘の人のおなかの表面の温度を測ると低めです。しかし、おなかを温めて、おなかの表面の温度が上がると、便秘も改善することが、私たちの実験でわかっています。おなかの温度は、腸の調子を反映しているのです。

 私の便秘外来が最も混雑するのは、冬の寒い時期と、梅雨から夏場にかけての冷房をよく利用する時期です。これらの時期が、特におなかを冷やしやすいからでしょう。

 ここで注意してほしいのが「10度以上の急激な温度の低下」です。この極端な温度の低下が、腸には負担となるのです。
 温度差が大きいと、腸などの内臓の機能を調整している自律神経が影響を受け、交感神経が優位になります。交感神経には腸の動きを低下させる働きがあるので、腸の動きが鈍くなります。

 また、体が急激に冷えると、血行が悪くなります。腸の血流も悪くなるため、腸の動きが低下してしまいます。

 このように、おなかが冷えて腸の動きが悪くなった状態を、私は「停滞腸」と呼んでいます。停滞腸になると、便秘になったり、おなかが張ってガスがたまったりします。
 便秘がひどくなると、腸にたまった老廃物が血流に乗って全身に流れ、肌荒れや肥満の原因にもなります。

エクストラバージン・オリーブオイルを、味噌汁やホットレモネードに小さじ1杯入れる

 腸の機能を落とさないためには、まず温度の急激な低下を避けるべきです。夏の間は、外出から帰った際に、エアコンの温度設定を、室外より7度以上下げないようにしてください。

 といっても、自宅以外では、それもかなわないことが多いでしょう。そのために、利用してほしいのが、「タオルをおなかに当てる」ことです。
 おなかの具合が悪いときに、手のひらをおなかに当てると、温まって気持ちよくなります。それと同じで、タオルをおなかに当てるだけで、腸の冷えを防げるのです。タオルなら、持ち歩いて、いつでもどこでも使えます。例えば、冷房のきいた電車に乗ったときでも、すぐに取り出しておなかに当てられます。

 冬の外出時なら、腹部にタオルを巻いたり、腹巻きをしたりするのも、保温に役立つでしょう。
 私は、便秘の患者さんに、「おなかを冷やさないことはもちろんで、さらに1歩進めて、温めてください」と伝えています。

 半身浴もお勧めです。37〜40度のぬるめのお湯におなかまでつかり、20分ほど温まります。ぬるめのお湯は、自律神経のうちの副交感神経を優位にします。副交感神経は、心身がリラックスしたときに働く神経で、内臓の働きを促進しますから、腸の動きもよくなります。
 そのとき腸もみをすると、便秘の改善効果がより高まります。入浴により血行がよくなるうえに、腸に刺激が加わって、腸の動きがさらに活性化するのです。

 腸もみは、大腸内視鏡検査をするときに、腸に入った空気を抜くために私が考案したものです。おなかを両手で軽くつまみ、大腸の形に沿って、時計回りに右から左へ、空気を押し出すように押しもみします。便が滞りやすいおなかの左下の辺りは、念入りにもんでください。
 半身浴をしながら3周くらいもむと、腸にたまった便やガスも抜けやすくなります。

 食事では、オリーブオイルをお勧めします。私たちの実験で、オリーブオイルには、優れた保温作用があることがわかりました。お湯といっしょに飲むと、お湯の温かさが持続し、おなかがいつまでもポカポカするのです。
 みそ汁や、ホットレモネードなどの温かい飲み物に、小さじ1杯(5㎖)のオリーブオイルを入れて飲んでください。腸を活性化するのに役立ちます。

 その際、お勧めなのは、未精製で酸度が低いエクストラバージン・オリーブオイルです。
 こうしておなかが温まると、便秘やガス腹は自然に改善します。お通じがないからと、簡単に薬の量をふやす前に、意識しておなかを温めてみましょう。きっと、薬に頼らなくてもよい、本来の元気な腸を取り戻せるはずです。

松生恒夫先生の著書『「排便力」をつけて便秘を治す本』が好評発売中

オリーブみそ汁を勧める、松生恒夫先生

→【熱中症の予防と対策】梅雨の季節でも要注意 室内でも発症

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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