【腰痛改善】分離すべり症を克服した整形外科医考案 「血流グッド体操」で鎮痛剤や湿布を減らせた!

【腰痛改善】分離すべり症を克服した整形外科医考案 「血流グッド体操」で鎮痛剤や湿布を減らせた!

腰痛をくり返す人は、鎮痛剤や湿布が欠かせないと思っていませんか。しかし、薬に頼っていても慢性腰痛はよくなりません。では、どうしたら改善するのか?それは、ほんの少しの意識を持ち、簡単な体操を行うだけでよいのです。【解説】伊藤邦成(いとう整形外科院長)


伊藤邦成
1948年、静岡県生まれ。74年、東京医科大学卒業。東京警察病院整形外科に勤務後、 88年、いとう整形外科開院。自らの腰痛を克服するために、研究した腰痛体操を患者さんに指導し好評を得ている。著書に『整形外科医が教える元気な体の作り方』(幻冬舎メディアコンサルティング)など。

腰痛をくり返す人は、鎮痛剤や湿布が欠かせないと思っていませんか。
しかし、薬に頼っていても慢性腰痛はよくなりません。

では、どうしたら改善するのか?
それは、ほんの少しの意識を持ち、簡単な体操を行うだけでよいのです。

今回は、私自身の腰痛克服のために考案した、「血流グッド体操」を紹介します。
続けていると痛みが遠のき、薬が減らせるはずです。ぜひ、お試しください。

腰椎への圧迫を解いて血流障害を解消する!

私は、腰痛の患者さんたちに、治療を行うだけでなく、自分で予防・改善できる腰痛体操を指導しています。
そして、その体操を自宅で熱心に実践している患者さんの多くは、「腰痛の頻度が減った」「足腰の痛みやしびれが軽減した」と、大変喜んでいます。

実は、私も長年の腰痛持ちでした。
高校時代から分離すべり症(背骨の一部がズレて起こる病気)を起こし、腰痛のつらい症状に悩まされてきました。

そのため、医師になってから自分なりの腰痛対策の研究を始め、そこでわかったことを実行してきました。
そのおかげで、40歳ごろから69歳になる今日まで、腰痛はあっても気にならなくなったのです。

まず、私の腰痛対策や腰痛体操を紹介する前に、どうして私たち人間は腰痛になる人が多いのか、お話ししましょう。
その大本の原因は、人間の二足歩行にあります。

四足歩行の動物たちは腰痛に悩まされません。
なぜなら、腰の上に何も重い物が乗っていないからです。

ところが、二足歩行になると、背骨が縦に並ぶため、重い頭を含めた上半身を、腰が支えなければならなくなります。
イヌなどのペットを、後ろ足だけで立たせてかわいがっている飼い主がいます。

しかし、そんなことをくり返していると、イヌは腰を悪くします。
四足で歩く動物は、人間と違って体の重みを腰で受け止める構造をしていません。

人間の場合は、上半身の重みを受け止める工夫がなされています。
それが背骨のS字状の構造(カーブ)です。

この構造により体重を分散しているのです。
しかし、姿勢が悪いと、それがうまくできません。

その荷重が最もかかるのが、腰椎(背骨の腰の部分)です。
腰椎は、S字状構造の下方で、前に突き出すように反っている部分です。

この腰椎の反った後ろ側に最も圧がかかります。
圧迫が続けば、周辺の血流障害が起こります。

ですから、まめに体を動かしていれば、腰椎周辺の血流も促され、そのダメージを解消することが可能となります。
しかし、体を動かさず、悪い姿勢(ネコ背)でいると、血流障害による酸欠状態、栄養不足状態が継続し、関節の変形や腰の痛みなどが出てきます(下のレントゲン写真を参照)。

その結果、椎間板ヘルニアや、腰部脊柱管狭窄症といった腰痛症状へとつながっていくのです。
原因がはっきりしないといわれている慢性腰痛も、姿勢の悪さから自身の体の重みによる血流障害で発症します。

そこで、腰痛改善の体操においては、「腰椎後方への圧迫を解き、血流障害の解消」を目指すことが重要になります。

ソンキョを行う力士は腰痛による休場が少ない

私が実践し、患者さんにも指導している腰痛体操(血流グッド体操)を三つ紹介しましょう(下記参照)。
第1が、「ソンキョ体操」です。

大相撲の力士は、あれだけ重い体をしていながら、腰痛悪化のために休場する人があまりいません。
それは、稽古で四股を踏んだり、ソンキョ(蹲踞)をして前かがみになったりする動作をくり返していることと、無縁ではありません。

ソンキョ体操は、ソンキョの姿勢から、前かがみに体を倒します。
この動きによって、腰椎の反っている部分にかかる圧を解放し、新鮮な血液を送り込むことができるのです。

第2が、「腰の上下運動」です。
腰痛に悩む人は、腰の周辺の筋肉がこわばっています。

それだけでなく股関節や、背骨と骨盤とつなぐ仙腸関節が硬くなっています。
腰の上下運動は、足を前後に大きく開き、お尻を上下に動かします。

これによって、こわばっていた股関節や仙腸関節の緊張を解消し、同時に、血流を促します。
第3が、「太もも上げ」です。

その場で足踏みをしますが、このとき、太ももをできるだけ高く上げることを心がけます。
これによって、背骨から足につながる深部筋(腸腰筋)の強化に役立ちます。

腸腰筋を鍛えると、よい姿勢を維持しやすくなり、腰痛予防の効果が高まります。
また、歩行時に足が上がるようになるので、運動量が増し、血流量も促進されます。

さらに、高齢者に多い、つまずきによる転倒を防ぎます。
これらの体操は、できれば、毎日、頻繁に行うようにしてください。

デスクワークでイスに座っている時間が長くなればなるほど、あるいは立ちっぱなしでいればいるほど、腰にかかる負担は大きくなります。
仕事中も、暇を見つけては、5秒でもいいので頻繁に、血流グッド体操を行うといいでしょう。

日常生活においては、腰に負担の少ない「よい姿勢」を心がけることが原則です(下記参照)。
立っているときのよい姿勢とは、身長計測のときに背伸びをするイメージです。

重心が土踏まずにくるように、体は少し前傾します。
あごを軽く引き、ひざが伸びて、肛門はキュッと締まった状態です。

座っているときは、座高を高くするイメージです。
また、腰に負担の少ない日常での楽な姿勢を次々項に紹介していますので、参考にしてください。

いずれにしても、腰痛対策は日々の配慮が大事です。
よい姿勢を保つこと、頻繁に血流グッド体操を行い、体をこまめに動かすことが、腰痛の予防・改善の肝となるはずです。

腰痛の予防・改善に役立つ「血流グッド体操」

腰に負担の少ない日常での楽な姿勢

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

関連するキーワード


腰痛

関連する投稿


【へそさすり体験談】起床時にピリピリ、日中はジーンとする腰痛を「腸」から改善できた

【へそさすり体験談】起床時にピリピリ、日中はジーンとする腰痛を「腸」から改善できた

私が腰の痛みを感じるようになったのは、昨年の暮れからです。どういうわけか、いきなり腰が痛くなったのです。それからは、常に重だるい感覚が腰周辺にありました。【体験談】遠藤裕子(仮名・66歳・理容師)


【腰痛の原因】食べすぎやストレスによる肝臓疲労 対策は「足首回し」

【腰痛の原因】食べすぎやストレスによる肝臓疲労 対策は「足首回し」

腰痛や肩こりは、体のゆがみによって起こります。その原因を探ると、なんと約8割の人は、肝臓に疲労がたまっていることが、私の長い施術経験からわかりました。肝臓の疲労のしかたによって、体は右肩上がりになったり、左肩上がりになったりします。それが、痛みの原因になるのです。【解説】田川直樹(快風身体均整院院長)


脚やせ運動「股関節回し」でむくみスッキリ!腸腰筋を鍛える10のメリット

脚やせ運動「股関節回し」でむくみスッキリ!腸腰筋を鍛える10のメリット

股関節は、上半身と下半身をつなぐ関節ですから、ここが硬いと体全体がゆがみます。その結果、ネコ背や腰痛、肩こり、頭痛、関節の痛みなどが生じてくるのです。股関節の可動域を広げるためには、股関節周辺の筋肉を柔軟にすることがたいせつです。【解説】谷口光利(日本ボディーケア学院学院長)


鎮痛剤が効かない痛みの原因は神経の誤作動!耳さすりで正常な状態に戻すとよい

鎮痛剤が効かない痛みの原因は神経の誤作動!耳さすりで正常な状態に戻すとよい

私のクリニックには1日に100人以上の患者さんがいらっしゃいます。患者さんの中には、「消炎鎮痛剤を飲んでも痛みが引かない」「手術を受けたのに痛みがずっと続いている」と訴える人が少なくありません。骨や筋肉の器質的な異常や炎症ではなく、神経が誤作動を起こしている場合が多いのです。【解説】小田博(おだ整形外科クリニック院長)


股関節と腰の痛みを取る対策を紹介!運動療法「エゴスキュー体操」で歪みをとろう

股関節と腰の痛みを取る対策を紹介!運動療法「エゴスキュー体操」で歪みをとろう

痛みや病気を治すために生まれた運動療法「エゴスキュー体操」を知っていますか。病院やクリニックでの運動療法として、エゴスキュー体操を取り入れている医師も少なくありません。内科医や痛みの専門医が、股関節痛、腰痛、脊柱管狭窄症などの患者さんに勧めているのです。【解説】水野加津人(エゴスキュージャパン代表)


最新の投稿


【へそさすり体験談】起床時にピリピリ、日中はジーンとする腰痛を「腸」から改善できた

【へそさすり体験談】起床時にピリピリ、日中はジーンとする腰痛を「腸」から改善できた

私が腰の痛みを感じるようになったのは、昨年の暮れからです。どういうわけか、いきなり腰が痛くなったのです。それからは、常に重だるい感覚が腰周辺にありました。【体験談】遠藤裕子(仮名・66歳・理容師)


水虫やカンジダを防ぐ!正しい足の保湿ケアとマッサージ方法

水虫やカンジダを防ぐ!正しい足の保湿ケアとマッサージ方法

皆さんはお風呂から上がったとき、足をしっかり拭いていますか。水分が皮膚に残ったままだと、その水分が蒸発するときに熱を奪い、皮膚が乾燥しやすくなります。また、指の間に水分が残っていると不衛生になり、湿疹ができたり、白癬菌やカンジダなどの感染の温床になったりします。【解説】高山かおる(済生会川口総合病院皮膚科主任部長)


【注目の断食】ミネラルファスティングで腸内環境を改善!月1回でも健康的に痩せる

【注目の断食】ミネラルファスティングで腸内環境を改善!月1回でも健康的に痩せる

ミネラルファスティングは、断食前後や日頃の食事、生活習慣までを含めたトータルパッケージの健康プログラムとなっています。行う前や行った後も穀菜食を続けていれば、60兆個の細胞が正しく働くための環境整備に役立ち、ひいては「腸の掃除力」も高まっていくわけです。【解説】山田豊文(杏林予防医学研究所所長)


ハチミツのダイエット効果は「夜」寝る一時間前に飲んで17kgやせた!

ハチミツのダイエット効果は「夜」寝る一時間前に飲んで17kgやせた!

「どうにかしなければ!」10年前、私は人生で最大の「85.6kg」という体重になってしまい、焦りました(身長は173cm)。始めて半年くらいは、ほとんど体重が変わりませんでした。ところがその後は、毎晩、寝ている間に、必ず0.5~0.7kg減るようになったのです。【体験談】芳賀靖史(翻訳家・58歳)


厚い爪・白い爪は水虫の可能性!爪白癬の治療法と予防について皮膚科医が解説

厚い爪・白い爪は水虫の可能性!爪白癬の治療法と予防について皮膚科医が解説

爪白癬は、中高年を中心に日本人の10人に1人はかかるポピュラーな病気です。単独で生じることもありますが、多くは足の水虫と合併します。白癬菌は、高温多湿な環境で繁殖します。気温と湿度が上がる今の時期は、通気性のいい靴下をはくなどして、足の風通しをよくしましょう。【解説】野田真史(池袋駅前のだ皮膚科 )