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【腸内細菌が病気を予防】腸力アップのお勧めは「玉ねぎのみそ汁」

【腸内細菌が病気を予防】腸力アップのお勧めは「玉ねぎのみそ汁」

私の健康の秘訣は、なんといっても、長年の研究対象でもある「腸内細菌」です。 腸内細菌は、病原菌を排除し、食物を消化するだけではなく、体のなかでさまざまな重要な役目を果たしています。【解説】藤田紘一郎(東京医科歯科大学名誉教授)

11kgの減量に成功し糖尿病を克服!

 私は、75歳になりましたが、50代のころよりも、現在のほうが若々しく見えるとよくいわれます。というのも、私は50代で、食生活の乱れから糖尿病になりました。そのとき、体重は84kgもあり、見た目もとても老けていたのです。

 その後、タマネギをはじめとする、野菜中心の食生活を実践して糖質を制限した結果、糖尿病を克服。現在、体重は73㎏ほどになりました。見た目が若返っただけではなく、体調もよくなり、全国を講演に飛び回り、本を執筆。そのかたわら、積極的に研究も続けており、毎日多忙でも、ますます元気です。

 そんな私の健康の秘訣は、なんといっても、長年の研究対象でもある「腸内細菌」です。
 腸内細菌は、病原菌を排除し、食物を消化するだけではなく、体のなかでさまざまな重要な役目を果たしています。
 体内では免疫が常に機能し、病気を防ぐように働いていますが、この免疫の働きのおよそ70%は、腸内細菌によるものです。また、人が幸福感を覚えるときは、脳内でドーパミンやセロトニンといった、いわゆる「幸せ物質」が分泌されています。この幸せ物質の前駆物質を合成し、脳に送っているのも腸内細菌です。

 こうした腸内細菌の育成を怠れば、残念なことに、万病が引き寄せられるといっても過言ではありません。腸の不調が原因で引き起こされる病気は、ガンや動脈硬化などの生活習慣病、アレルギー疾患、うつ病をはじめとする心の病気など、非常に幅広いのです。
 ですから、元気で長生きするためには、腸を元気にする、つまり「腸力」をアップさせて免疫力を高めることが欠かせません。
 さて、腸力をアップさせるために、どんな食生活を送ればいいのでしょうか。

 私のとっておきの方法は、「タマネギみそ汁」です。毎朝、これを必ず食べています。ここにも、腸力をアップさせる秘訣が隠されているのです。

善玉菌、悪玉菌、日和見菌の違い

 それでは、タマネギみそ汁を例にとって、それが私たちの体をいかに助けてくれるか、お話ししましょう。

 タマネギには、オリゴ糖や糖アルコールといった成分が含まれています。これらは腸内細菌のえさとなります。
 腸内には、善玉菌、悪玉菌のほかに、日和見菌の三種類の菌が存在します。近年の研究で、腸内環境を整えるうえで、この日和見菌が重要な役割をしていることがわかっています。

 日和見菌は、善玉菌が少し優位になると、善玉菌に加担し、その働きを増幅させます。逆に、悪玉菌が優位となれば、悪玉菌に加担し、腸内細菌のバランスを悪化させてしまうのです。
 タマネギのオリゴ糖や糖アルコールは、善玉菌のえさとなり、善玉菌をふやします。代表的な発酵食品の一つであるみそも、善玉菌をふやします。

 つまり、タマネギみそ汁は、タマネギ自体とみそ、両者の働きによって善玉菌をふやし、日和見菌を味方につけて、腸内環境を良好に整えてくれるのです。
 ちなみに、善玉菌の一つであるビフィズス菌は、オリゴ糖などのよいえさを与えられると、1週間で、その占有率が大きくアップします。しかし、えさを与えられなくなると、また、元の比率へと戻ってしまうことがわかっています。
 つまり、腸内環境をよい状態に保つためには、タマネギみそ汁のように、善玉菌を育てるメニューを持続的にとることが大事になるのです。

「おならが臭い」もタマネギの味噌汁で改善


 タマネギみそ汁には、別の効能もあります。活性酸素が、老化や病気の原因物質であることは、よく知られるようになってきました。活性酸素は、体内でガンや糖尿病、心筋梗塞など、200種類もの病気を引き起こすともされています。
 さらに、現代人は、とかく添加物の多い食品を口にしがちですが、その結果、食品中の活性酸素が働いて善玉菌をへらしてしまうのです。

 そこで、タマネギが役立ちます。豊富に含まれたイオウ化合物が、優れた抗酸化作用を発揮し、活性酸素に対抗してくれます。そして、みそもまた、抗酸化作用の強力な食品です。
 ですから、タマネギみそ汁を常食することは、その二つの効果が相まって、活性酸素をへらす助けをしてくれるはずです。
 ちなみに、腸内細菌中の善玉菌の量は、毎日の便を見ればわかります。

 バナナのように形がよく、においの少ない便は、善玉菌が多く、腸が元気なことを示しています。便の量が多いのも、とてもよいことです。
 加えて、自分の腸内環境がよい状態かどうかは、おならのにおいでも判断できます。おならが臭くないかたは、善玉菌が優位で、腸内環境も悪くありません。逆に、おならが非常に臭いようであれば、腸内環境がじゅうぶんに働いているとはいえないのです。

 便の形状がよくない、臭い、便の量が少ない、おならが臭いという場合は、ぜひ一度、自分の食事を見直してみてください。
 もしも、ご自分の食事に問題があると感じたら、その見直しの第一歩として、タマネギみそ汁を食べ始めてみてはいかがでしょうか。

解説者のプロフィール

藤田紘一郎(ふじた・こういちろう)
 1939年、旧満州ハルビン生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業。東京大学医学系大学院博士課程修了。医学博士。金沢医科大学教授、長崎大学教授、東京医科歯科大学大学院教授を経て現職。免疫や腸内細菌、伝染病の研究の第一人者。著書に『笑う免疫学: 自分と他者を区別するふしぎなしくみ 』(ちくまプリマー新書) など多数。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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