【乳がんを克服した医師】患者さんにお勧めの食材は「玉ねぎ」 健康効果ベスト5を解説

【乳がんを克服した医師】患者さんにお勧めの食材は「玉ねぎ」 健康効果ベスト5を解説

実は私は、50歳のときに、乳ガンを発症しました。ガンは手術で切除しましたが、抗ガン剤や放射線治療は受けず、かわりに食事と生活を徹底的に見直すことで、ガンを克服することができたのです。そんな私が、患者さんに特にお勧めしている食材の一つが、タマネギです。【解説】星子尚美(クリニック真健庵院長)


ガンを克服した私が患者さんに勧める食材

 私のクリニックでは、西洋医学や東洋医学といった分野にこだわらず、多様な治療法のなかからそれぞれの患者さんに適した方法を選択し、治療に当たっています。そうした代替医療の一つとして、力を入れているのが、食事指導です。
 高血圧や糖尿病などの生活習慣病や、アレルギーなどの現代病は、食事を改めることでかなりの改善が見込めます。

 あらゆる病気のなかで最も深刻であるガンも、けっきょくは食事を含めた生活習慣により引き起こされるのです。こうした考えは私自身の経験に基づいています。

 実は私は、50歳のときに、乳ガンを発症しました。ガンは手術で切除しましたが、抗ガン剤や放射線治療は受けず、かわりに食事と生活を徹底的に見直すことで、ガンを克服することができたのです。
 そんな私が、患者さんに特にお勧めしている食材の一つが、タマネギです。タマネギには多くの健康効果が望めますが、主なものを五つ挙げましょう。

❶高血圧・動脈硬化の改善
❷糖尿病の改善
❸脂肪減少・ダイエット
❹老化防止・認知症予防
❺便秘解消・ガン予防

 どんな病気にしろ、症状の重い患者さんの血液を見ると、汚れているのが、一目でわかります。色は黒ずみ、粘性が高く、ドロドロになっているのです。これでは、体の隅々まで酸素と栄養を行き渡らせ、細胞を元気にすることはできません。
 しかし、タマネギをはじめ食事療法にしっかり取り組んでいくと、赤くサラサラのきれいな血に変わっていくのが見てとれます。それに伴い、患者さんの病状も改善していくのです。

 タマネギがもたらす健康効果の大部分は、含硫アミノ酸によるものです。含硫アミノ酸が、酵素と反応することで、硫化アリルというにおい成分や、硫化プロピルという辛み成分に変化します。
 硫化アリルは、血小板の凝固を抑制する作用があります。血栓(血の塊)ができるのを防ぐので、血液をサラサラにする効果があるのです。

 血液の滞りは、万病のもと。サラサラに流れるようになれば高血圧や動脈硬化が改善され、ひいては心筋梗塞・脳梗塞の予防にも役立ちます。
 また、硫化プロピルは糖の代謝を促し、膵臓から分泌されるインスリンの働きを助ける作用があります。血糖値を下げるので、糖尿病の改善を手助けしてくれるのです。

 タマネギの含硫アミノ酸は、こうしてさまざまな成分に変化しつつ、複合的に作用します。中性脂肪や悪玉コレステロールを減少させる作用もあるので、ダイエットにもつながります。

強力な抗酸化作用で肌も脳も若返る!

 ほかに、タマネギの有効成分としてよく知られているのが、ケルセチンです。ケルセチンはポリフェノール(色素成分)の一種で、強力な抗酸化作用があります。酸化を防ぐので、全身の老化防止に有効です。肌などの見た目はもちろん、脳の若返りにも貢献してくれます。

 加えて含硫アミノ酸にも、強い抗酸化作用があり、脳の記憶障害の改善に有効とする研究が報告されています。つまりタマネギは、ケルセチンと含硫アミノ酸のダブルパワーで、認知症予防に力を発揮するのです。

 また、あまり知られていませんが、タマネギには水溶性と不溶性の食物繊維がバランスよく含まれています。水溶性は便をやわらかくして、不溶性は便の量を増やします。いずれも、便秘の解消に欠かせません。

 さらに、オリゴ糖が豊富な点にも注目です。オリゴ糖は腸内で善玉菌のエサになるため、間接的に善玉菌を増やします。
 腸内環境を良好に保つことは免疫力の向上に直結します。腸が人体で最大の免疫器官といわれるのは、免疫細胞の大部分が腸に存在しているためです。免疫力が高まれば、感染症が自然と遠ざかり、ガンの予防にも大きな力になるでしょう。

 主要な健康効果を述べてきましたが、タマネギの効能はまだまだあります。
 タマネギに含まれる硫化アリルは、それだけでも血流を改善して全身の代謝を向上させますが、体内でビタミンB1の働きを助けてくれます。
 ビタミンB1は、糖をエネルギーに変換する際に不可欠で、疲労回復に有効な栄養素です。皮膚の新陳代謝も促進するので、美肌効果も期待できます。

 また、硫化アリルには高い殺菌作用が、ケルセチンには抗炎症作用が認められています。カゼによるセキや、のどの痛みの緩和にも有用でしょう。

 タマネギの優れた効能を得るためには、有効成分をできるだけ損ねることなく摂取したいものです。
 含硫アミノ酸にはさまざまな種類があり、その性質も多様ですが、切ったタマネギを水にさらすと水溶性の有効成分が流失してしまいます。水にさらすなら短時間、せいぜい2~3分程度に留めましょう。

 それより、酢漬けにして「酢タマネギ」として食べるのがお勧めです。酢タマネギなら酢の栄養も同時にとれるうえ、アミノ酸の働きにより、代謝アップ効果がさらに高まります。

 タマネギは年中安価で手に入る台所の救世主ですが、これからは「食べる薬」としても、ぜひ積極的に活用してください。

→【関連記事】「酢タマネギ」の解説はコチラ
→絶品タマネギレシピはコチラ

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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