【頚椎症とは?】頚部脊椎症と変形性頚椎症の違い 軽症から重症まで様々

【頚椎症とは?】頚部脊椎症と変形性頚椎症の違い 軽症から重症まで様々

「頸椎症」は「広い意味の頸椎症」は、首の骨とその周囲も含んだ異常全般を指す言葉です。「狭い意味の頸椎症」は、首の骨の主に加齢に伴う変化で起こる病気を指します。なお、加齢に伴う頸椎の変形が大きい場合は、頸椎症をとくに「変形性頸椎症」と呼ぶ場合があります。【解説】竹谷内康修(竹谷内医院カイロプラクティックセンター院長)


首の痛みを起こす病気は「ひとつながり」


 そもそも首の痛みは、どんな原因から起こるのでしょうか。

 外傷や腫瘍などの特殊な病気を別にすると、首の痛みを起こす原因は、広い意味の「頸椎症」にほぼ限られます。ただし、頸椎症という言葉の使われ方には幅があって、広い意味では頸椎とその周囲の異常や症状の全般を指します。狭い意味では、主に加齢に伴う頸椎の変形や変性を指します。

 頸椎は重い頭を支えているために、加齢とともに変化が起こりやすい部分です。たとえば、背骨の主要部分をなす椎体や椎骨をつないでいる小さな関節に変形が起こったり、骨棘と呼ばれるトゲができたり、頸椎をつないでいる靱帯が肥厚(分厚くなること)したり、椎骨の間にある椎間板が薄くなったりします。加齢とともに起こるこうした変化を、医学的には「退行変性」といいます。

 退行変性は、加齢によるものではありますが、たとえば姿勢が悪くて頸椎に大きな負荷がかかっていると、よりいっそう早く進行します。ですから、「年のせいだからしようがない」というわけではなく、できる対策はいろいろあるのです。

 「頸椎症」については、このように広い意味や狭い意味があってちょっとややこしいのですが、本文の内容をわかっていただくうえで重要なキーワードですから、次のように覚えておいてください。

 「広い意味の頸椎症」は、首の骨とその周囲も含んだ異常全般を指す言葉です。

 「狭い意味の頸椎症」は、首の骨の主に加齢に伴う変化(退行変性)で起こる病気を指します。

 なお、頸椎症は「頸部脊椎症」と呼ばれることもあります。また、加齢に伴う頸椎の変形が大きい場合は、頸椎症をとくに「変形性頸椎症」と呼ぶこともあります。
 本文ではここから先、とくに断りなく「頸椎症」という場合は、広い意味の頸椎症を指すことにします。

 広い意味の頸椎症には、数種の病気が含まれます。「頸椎症」というと、言葉の響きとして重症の病気のように感じられるかもしれませんが、そのなかには、ごく軽症のものから重症のものまですべて含まれます。
 それらは、別々の名前がついていますが、実態はひとつながりになっています。つまり、それぞれまったく別のしくみで起こるものではなく、お互いにつながっており、悪化すると次の段階の病気が起こっていくのです。

 ところで、「連続体」を意味する「スペクトラム」という言葉があります。たとえば、虹の色は七色あるとされますが、クッキリと七つに別れているわけではなく、赤から徐々に橙をへて黄色に変わり、さらに緑、青と、中間色をはさみながら連続的に変わっていきます。このようにつながりながら変化していくのがスペクトラムで、病気にも連続的に変わっていくものがたくさんあります。

 ここで連続性のある病気の例を考えてみましょう。コレステロールや中性脂肪が過剰な脂質異常症(高脂血症)は、長い期間に及ぶと、心臓の血管を細くして、やがて狭心症(心臓の血液が不足して起こる病気)を引き起こすことがあります。狭心症がさらに悪化すると、血管が完全につまり、心筋梗塞(心臓の血管がつまって起こる病気)になります。狭心症も心筋梗塞も、脂質異常症をもとにした同系統の血管の病気で、連続的に変化する病気のスペクトラムの一つといえます。

 首の痛みを起こす病気は、軽症から重症まで別々の病名がついてはいますが、それはいわば「頸椎症スペクトラム」というべきもので、基本的には同じメカニズムから生じているのです。

 その最初の段階は、実はたいへん多くの人が経験している身近な症状です。

 なんだと思いますか。

 それは「肩こり」です。

【肩凝りの正体】実は初期の病気「頚椎症」の可能性 首の痛みに要注意

竹谷内康修
 竹谷内医院カイロプラクティックセンター院長。整形外科医・カイロプラクター。東京都生まれ。東京慈恵会医科大学卒業後、福島県立医科大学整形外科へ入局。3年間整形外科診療を行う。その後、米国ナショナル健康科学大学へ留学し、カイロプラクティックを学ぶ。同大学を首席で卒業後、都内にカイロプラクティックを主体とした手技療法専門のクリニックを開設。腰痛、腰部脊柱管狭窄症、肩こり、頭痛、首の痛み、関節痛などの治療に取り組む。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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