服薬とインスリン注射の併用を医師に勧められた
2016年の4月に受けた健康診断で、血糖値が高いことがわかりました。過去1~2ヵ月の血糖状態がわかる指標であるヘモグロビンA1cが、10.6%もあったのです。私はそれまで血糖値を気にしたことはなく、医師から「A1cの基準値は、4.6~6.2%」と説明を受けて、正直、驚きました。
また、総コレステロール値は300mg/ml以上ありました。一般的には、200mg/mlを超えたあたりから脂質異常症に要注意といわれるそうなので、かなり高めです。
私にはほかにも、悩みがありました。ひどい便秘症だったのです。整腸剤と下剤に頼りきりでも、お通じは2日に1回あるかどうか。また、常に体が重く疲れを感じていました。
それもそのはず、私の当時の体重は85kg。身長は160cmなので、明らかに太り過ぎです。20代の初めには60kgだったのが、23歳で出産したのを機に、徐々に増えてしまったのです。糖尿病をはじめ、ほかの症状も肥満が招いた結果でしょう。
医師からは、服薬とインスリン注射を併用するよう勧められました。しかし私は、服薬はともかく、インスリン注射は極力避けたいと思いました。
かわりに取り組んだのが、食事療法です。摂取カロリー(エネルギー)を減らし、野菜を多くとるよう心がけました。
食事療法のなかでも、柱となったのが、タマネギです。
きっかけは、健康診断のあとに、たまたま書店で手にした、『やせる!血糖値、血圧が下がる!タマネギレシピ』(マキノ出版)という本でした。その中に、「タマネギが血糖値を下げるのに役立つ」とあったので、試しに、タマネギを中心とした食生活に変えてみようと考えたのです。
本を参考に、タマネギの皮を煮出した「タマネギの皮茶」や、スライスオニオンを酢漬けにした「酢タマネギ」などを試しました。料理にも、タマネギをよく使います。みじん切りのタマネギをたっぷり入れたハンバーグは、子供にも好評なので、週に1度は作っています。
とりわけ活用しているのが、シェフの窪田好直さんのレシピ、「タマネギスープ」です。
私の場合はタマネギを、1玉の大きさにもよりますが、レシピより多めに入れています。ニンニクは入れずに、ベーコンを少量加えます。
タマネギは増えますが、その分、旨みがたっぷり出ているので、調味料の量はそのままでも、物足りなく感じることはありません。これでおよそ、3~4日分です。
このタマネギスープを、朝昼晩の毎食、お椀によそって2杯ずつ飲むのです。食前にまず1杯、食事をしながらもう1杯。食前に飲むことで、そのあとに食べるご飯の量を、減らすことができます。
インスリン治療を回避! コレステロール値も降下
こうして、タマネギを中心とした食事を続けていたところ、血糖値がしだいに下がってきました。およそ半年で、ヘモグロビンA1cが8.5%まで降下。2017年末の時点では、7%近くまで下がっています。おかげで、医師に勧められていたインスリン注射による治療は免れました。
総コレステロール値も、250mg/mlまで下がりました。これでも、基準に照らすとやや高めですが、以前に比べれば、ずいぶんよくなっています。
体重も減りました。無理なく自然と、5kg落とすことができたのです。やせ幅は大きくはないかもしれませんが、急激に体重を落とすのは、かえって健康によくないと思うので、満足しています。以前よりも身軽になり、疲れにくく感じます。
ひどかった便秘も改善。毎日、薬なしでもスムーズなお通じがつくようになりました。
これからも、さらによい成果が出ることを期待して、タマネギスープを中心とした食事を続けていくつもりです。
野菜やキノコを加えると整腸作用がさらに高まる(クリニック真健庵院長星子尚美)
タマネギの辛み成分である硫化プロピルには、血糖値改善のほか、中性脂肪やコレステロール値を下げる作用もあります。
便秘の解消は、タマネギの食物繊維やオリゴ糖の効果によるものです。下剤は腸内細菌を死滅させるので、今後は使用しないようにしましょう。野菜やキノコを加えると、食物繊維が増えて整腸作用が高まります。