【夜間頻尿・便秘を改善】30秒当てるだけで自律神経が整う「仙骨シャワー」のやり方

【夜間頻尿・便秘を改善】30秒当てるだけで自律神経が整う「仙骨シャワー」のやり方

「腰が痛くて長時間座れない」「体がいつも疲れている」「夜中に何度も目が覚めてトイレに行く」「不妊治療を続けているが妊娠の兆しがない」――。根本的な原因を探っていくと、すべて2つの原因(①血流の悪化②自律神経の乱れ)に集約されます。【解説】中野朋儀(自治医科大学附属病院麻酔科・鍼灸師)


血流を促して自律神経を整える

「腰が痛くて長時間座れない」「体がいつも疲れている」「夜中に何度も目が覚めてトイレに行く」「不妊治療を続けているが妊娠の兆しがない」――。

 これらはすべて、私のもとに来られた患者さんの実際の症状です。一見すると、それぞれ全く異なるものに思われるかもしれません。しかし、根本的な原因を探っていくと、すべて次の2つの原因に集約されます。
①血流の悪化
②自律神経の乱れ


 私は長年の治療経験から、これらを正常な状態へと正せば、体の不調の多くは自然に快方へ向かうと考えています。

 腰やひざなど体の痛みをはじめとして、高血圧や糖尿病などの生活習慣病、不眠やうつ病といった精神疾患まで、症状の根治を目指すのであれば必要なのは薬や手術ではありません。ほんとうにすべきことは、血流を促し、自律神経のバランスを整えることです。

 確かに、薬や手術は一時的に症状を抑えてくれます。しかし、私のもとには、病院で手術を受けた直後に症状が再発して来られるかたが少なくありません。本質的に健康になるには、先述した2点を正すことこそ、いちばんの近道といえるでしょう。

 では、どのようにすればいいのでしょうか。

 その方法として私が勧めているのが、入浴時に仙骨をシャワーで30秒ほど温めることです。この「仙骨シャワー」は、お金も手間もかかりません。お風呂には皆さん入ると思うので、習慣として続けやすいことも利点です。

 仙骨と聞いても、どこの骨なのかわからないかたも多いでしょう。体の屋台骨である背骨を下から支えているのが、皆さんご存じの骨盤です。骨盤は複数の骨から成り立っていますが、その中心に位置するのが仙骨。ウエストのくびれた場所の高さから10cm程度下の左右中央、お尻の上部にあります。

副交感神経の働きを最も効率的に高める要所

 仙骨は骨格上、重要なだけではありません。全身の血液循環とも深いかかわりがあります。

 仙骨は腹大動脈という非常に大きな血管の近くにあり、腹大動脈は骨盤内へ向かう内腸骨動脈と、足のほうへ向かう外腸骨動脈とに分かれます。さらに、それらから枝分かれした多数の細かい血管が仙骨周辺を通っています。

 つまり、仙骨周辺は血管の交差点ともいえる場所なのです。仙骨を温めるだけで、非常に効率よく全身の血流を促すことができます。血流の改善は患部の炎症を抑制するため、各所の痛みの緩和に役立つでしょう。

 加えて血液には、酸素や栄養素、ホルモンなどを全身の細胞へ運ぶ役割もあります。全身の血流が改善することによって、骨盤内の腸や膀胱、子宮を中心とした内臓の働きが高まります。夜間頻尿や生理痛、冷え症、消化不良、便秘、下痢などの改善につながるでしょう。

 仙骨は血液だけでなく、神経の通り道でもあります。なかでも重要なのが、自律神経です。自律神経とは臓器や血管、筋肉など、体の諸器官をつかさどっている神経のことで、生命活動の根幹を担っているといえます。
 自律神経には、活動時に優位になる交感神経と、休息時に優位になる副交感神経の2種があり、両者がバランスよく働くことで健康状態は維持されます。しかし、現代はストレス社会。体は常に緊張状態にあり、そのせいで交感神経ばかりが優位になりがちです。

 そこで重要なのが、外からの刺激で副交感神経を活性化すること。仙骨からは、下腹部へ向かって副交感神経の束が伸びています。仙骨は全身の中で最も効率的に副交感神経の働きを高められる場所だと、私は考えています。仙骨シャワーによる刺激で副交感神経の働きが活発になり、偏った自律神経のバランスが安定します。この点から、高血圧や糖尿病など重篤な症状の緩和にもつながるでしょう。

 仙骨シャワーの際は、お湯の温度は少し高め(40〜42℃)にしてください。体から10cmほど離した位置から、仙骨に向けて30秒お湯を当てます。温熱だけでなく、水圧による刺激も加わるので、湯ぶねにただつかるより効率的に刺激できます。

 さらに高い効果を望むなら、蒸気で温める市販の「温熱シート」をふだんから仙骨に貼るのがお勧めです。一般的なカイロと違って温度が常に一定で、適切に温め続けてくれます。

 ぜひ、仙骨を温めることを毎日の習慣にして、健康維持に努めてください。

中野朋儀
1962年生まれ。国際医療福祉大学大学院修士課程修了。鍼灸師。現在、陽だまり“はりきゅう”治療室や自治医科大学附属病院麻酔科鍼灸外来などで治療にかかわる一方、浦和専門学校で鍼灸師育成にも取り組んでいる。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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