耳鳴りや突発性難聴に【水飲み療法】 増える「急性低音障害型感音難聴」にも効果あり

耳鳴りや突発性難聴に【水飲み療法】 増える「急性低音障害型感音難聴」にも効果あり

私の治療院では、難聴や耳鳴りなどの患者さんに、鍼灸治療と並行して、水飲み療法を勧めています。効果が顕著に現れるのは、低音型の難聴(突発性も含む)やメニエール病など、内リンパ水腫に要因がある病気です。ほかに、急性音響性難聴にも効いたケースがありました。【解説】藤井德治(アクア鍼灸療法一掌堂治療院院長)


内耳にたまったリンパ液を排出する

 私の治療院では、6〜7年前から難聴や耳鳴りなどの患者さんに、鍼灸治療と並行して水飲み療法を勧めています。

 この療法を始めたきっかけは、「大量に水を飲んだら、耳鳴りがよくなった」という、患者さんの話でした。
 内耳の蝸牛という器官には、常に一定量のリンパ液が保たれています。新しいリンパ液が入ってくると、古くなったリンパ液が押し出される形で排出されます。この流れが滞ると、耳の中にリンパ液がたまる内リンパ水腫などを発症。これが、難聴や耳鳴りの一因となります。

 実際、内リンパ水腫から起こる耳鳴りやめまいに対し、病院では利尿剤を処方するのが一般的になっています。利尿剤とは、尿の排出を促す薬です。
 水飲み療法も水を大量に飲むことで尿の排出を促しますから、同様の効果が現れるというわけです。
 これまで多くの患者さんに水飲み療法を勧めて、高い治療実績を上げてきました。

 効果が顕著に現れるのは、低音型の難聴(突発性も含む)やメニエール病など、内リンパ水腫に要因がある病気です。
 ほかに、難聴を伴わない耳鳴りや大きな音が原因で発症する急性音響性難聴にも効いたケースがありました。

 ところで「急性低音障害型感音難聴(急性低音難聴)」というタイプの難聴がNHKで特集されていました。
 番組の中で、耳鼻咽喉科の医師がこの症状の改善策として、たっぷりの水分摂取が有効だと推奨されていました。水分を大量にとると、体内で利尿ホルモンが産生され、内耳にたまったリンパ液を排出してくれるというわけです。
 私はこの放映を見て、「思ったとおりだ。水飲み療法の医学的な裏づけが得られた」と大変うれしく思いました。
 私が勧めてきたやり方も、番組で紹介されたものと、ほぼ同じです。

耳の治療が得意な藤井先生

発症後時間がたっても改善する例は数多い

 耳鳴りや難聴の治療を始めるタイミングは、早ければ早いほど効果的とわかっています。ですから、発症したらすぐに医療機関を受診してください。

 当院の実績によると、急性低音難聴は発症3週間以内に鍼灸治療を開始した場合、治癒率100%です。
 発症して2ヵ月を過ぎると治癒率は落ちてきますが、改善するケースもたくさんあります。なんと、発症後8年してから治療を始めたにもかかわらず完治した例もありました。

 ただ、この類の症状は治っても再発しやすく、再発率は4割です。しかし、治療を続けることで、よい状態を長期間保つことは可能ですし、それが治癒につながります。あきらめないことが大切です。
 また、顕著に効果を現すタイプの耳鳴りや難聴でなくとも改善の可能性はあるので、水飲み療法を実践してみてはいかがでしょうか。
 ただし、腎臓や心臓、肝臓の疾患がある人は行わないでください。症状が悪化する可能性があります。また、むくみやすい人は3日ほど試して、むくみや体調不良がみられた場合は中止してください。

 さらに、1日3km程度のウォーキングを行うのもお勧めです。全身が活性化され、代謝がよくなるので、血液やリンパ液の流れもスムーズになり治療効果が高まります。
 私が行う鍼灸治療も、やはり全身の血液などの循環を促すのが目的です。特に、首と肩周りを重点的に治療し、筋肉のコリによる圧迫を取り除くことで症状が改善されます。

 では、鍼灸治療と並行して水飲み療法などを実践し、症状が改善した患者さんの例を一部ご紹介しましょう。
 医療関係の仕事に従事している42歳の男性は、低音型の突発性難聴を発症してから、1ヵ月後に来院しました。両耳ともに耳鳴りがあるほか、音が大きく響いて聴こえる、耳が痛い、などの症状を訴えました。
 鍼灸治療と並行して1日2Lの水を飲み、途中からはウォーキングも始めたところ、症状は徐々に改善。20回の治療で元の状態に戻りました。

 もう一人は、44歳のメニエール病の男性です。7年前に発症した際、当院で治療を受け、一度はよくなりました。
 その後、水飲み療法を続けていましたが、去年、残念ながら再発。とはいえ発症後4日で来院したため、1回の治療で症状がすっかり改善しました。水飲みを長く継続していたのが早期回復につながったのです。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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