メニエール病、急性低音障害型感音難聴とも診断されたが
昨年の8月半ば、夏カゼをひき、4〜5日体調をくずしたことがありました。発熱して寝ていたところ、両耳に空気がたまっているような感じになったのです。
それとともに、耳鳴りが始まりました。耳のなかにたまった空気の層越しに、遠くで救急車のサイレンのような音が、けたたましく鳴っている感じでした。
カゼがよくなってからも、耳の閉塞感と耳鳴りが治らないので、耳鼻科で診察を受けました。治療を受けると、右耳はよくなりましたが、左耳の状態は変わりませんでした。
そのときの診断は、「突発性難聴」の疑いがあるとのことで、ステロイド剤を服用。しかし、いくら飲んでも、左耳は悪いままでした。耳閉感に加えて、相変わらず耳鳴りが続いていたのです。
困り果てた私は、大学病院でも診察を受けました。MRI(磁気共鳴画像法)などの画像検査で、脳には異常がないことがわかりました。ですが、大学病院の医師の間でも、私の診断については、意見が分かれていました。急に低音が聴こえなくなる「急性低音障害型感音難聴」という先生もいれば、「メニエール病」という先生もいらっしゃったのです。
こうして、毎日飲まなければならない薬が、どんどんふえました。しかも、「これらの薬は、一生飲み続けなければいけませんよ」と宣告されていました。しかし、いわれたとおり、大量の薬を服用しているのに、症状は全く改善しません。
それどころか、耳鳴りと病気への不安から不眠症に陥り、いっそう暗澹たる日々が続くようになったのです。
そんなときにインターネットで見つけて、最後の頼みの綱と思い伺ったのが、一掌堂治療院でした。初診の日、院長の藤井德治先生は、「だいじょうぶです。心配いりませんよ」といってくださいました。私は、このひとことで、どんなに勇気づけられたかわかりません。
早速、藤井先生のところで施術を受けると、なんと3回の治療で、低下していた聴力が復活したのです!
ただ、耳閉感と耳鳴りについては残っていました。これを改善するのに、大きな助けとなったのが、藤井先生のところでご指導いただいた「水飲み療法」です。
実は、藤井先生にお会いする前から、耳鳴りや難聴を解消するには、水をたくさん飲んだほうがいい、と知人から勧められて実践していました。しかし、そのときは、思うように効果は上がりませんでした。
以前は、大量の水を一度に飲もうとしてきました。ですが、藤井先生に教えていただいた方法では、一度に大量の水を飲むのではなく、少量の水を何度にも分けて複数回飲むのです。
そこで、小さなペットボトルにミネラルウォーターを入れておき、こまめに給水することを心がけました。このようにして、1日に2Lの水を飲むようになったのです。
また、運動も同時に行います。1日に3~4kmを歩くように心がけました。体を動かせば、それだけ汗をかいて水分が欲しくなるからです。
一度に4㎞を歩くのではなく、何度か歩く機会を設け、トータルで3~4kmになることを目指します。歩いている最中にも水を飲みます。今まで、休憩時間などにコーヒーやお茶を飲んでいたところも、水で代用するようになりました。
閉塞感が消え、右耳のピーピー音もほとんど消えた!
このように水飲みを続けていたある日、ふと気づいてみると、左耳の閉塞感がなくなり、恐ろしいほどの音量の耳鳴りもほとんどやんでいました。
左耳の耳鳴りが解消するのと入れ替わりに、右耳に「ピーピー」という通信音のような耳鳴りが起こり始めました。それはおそらく、左耳の耳鳴りが起こっているときから存在したのでしょう。左のほうがひどかったので、右の耳鳴りに気づいていなかったのだと思います。
ですが、水飲みを続けたおかげで、この右耳の耳鳴りもほとんどなくなりました。現在は、疲れがたまったときにのみ、少し聴こえる程度に改善したのです。
耳鳴りに悩まされつつ、一生を終わるのかと落ち込んでいた日々が、今ではうそのようです。耳鳴りと不眠からくる不安のため、心身ともに消耗しきっていた私は、まるで幽霊のように歩いていました。耳鳴りに悩まされず、元気に暮らせることがどんなに有り難いことか!
絶望していた私に希望を与え、実際にその希望を実らせて、健康を取り戻してくださった藤井先生には、心から感謝しています。
耳にたまったリンパ液が新しく入れ替わる(アクア鍼灸療法一掌堂治療院院長・藤井德治)
内耳にリンパ液がたまると、耳鳴りや難聴、めまいなどの症状が出てきます。耳鼻科ではこのような場合に、たまったリンパ液を排出するため、利尿剤を処方します。利尿剤と同じ効果を目指すのが、「水飲み療法」です。
水を大量に飲むことで、利尿ホルモンが出れば、耳にたまったリンパ液の排出も促され、リンパ液が新しいものに入れ替わります。それが、難聴や耳鳴りの改善につながるのです。
水飲み療法を実践する際は、前向きに生活習慣を整えることが奏功します。蟹江さんのケースは、なにより、それを示す好例といえます。
「有り難いです!」と蟹江さん