【腰痛対策】その"痛み"が病院の画像診断で「異常なし」と言われる理由

【腰痛対策】その"痛み"が病院の画像診断で「異常なし」と言われる理由

腰痛の経験があるかたは、整形外科でレントゲンやMRIの画像診断を受けたにもかかわらず「特に異常なし」と医師から告げられ、がっかりしたことはありませんか? 実は、静止画像がメインの診断では、痛みの真原因「関節のひっかかり」を見つけることは非常に困難なのです。【解説】酒井慎太郎(さかいクリニックグループ代表・柔道整復師)


画像診断でわからない腰痛は「仙腸関節」が原因のことが多い

 腰痛の経験があるかたは、整形外科などでレントゲンやMRI( 磁気共鳴画像装置)の画像診断を受けるケースも多いと思います。ただ、「これで原因がはっきりする」という患者の思いとは裏腹に、「特に異常なし」と医師から告げられ、がっかりしたことはありませんか?

 実は、静止画像がメインの診断では、関節のひっかかりを見つけることは非常に困難です。画像の状態を踏まえつつ、患者さんに対して治療者側が動き、触りながら、痛みの症状とその部位の判断をしなければなりません。もちろん、たくさんの症例を見てきた経験も必要になります。

 関節のひっかかりやズレは、動きの小さい関節に起こりやすいのですが、中でも、特に動きが小さく、非常にひっかかりやすい関節があります。それが、骨盤にある「仙腸関節」です。

 図のように、骨盤はいくつかの骨によって構成されています。仙腸関節は、骨盤中央の仙骨と、その両側にある腸骨をつなぐ縦長の関節です。通常は、前後左右に数ミリほど動きます。この関節の動きこそが、体の重みや外部からの衝撃を受け止めるクッションの役割を果たしています。

 その仙腸関節が正常に機能していれば、腰椎や頸椎、膝関節などにかかる負担がかなり軽減されます。逆に、機能が低下すると、ほかの関節への負担も増え、さまざまなトラブルの元になるのです。

 それでは、仙腸関節はなぜ、ひっかかってしまうのでしょうか?

 最も多い原因は、同じ姿勢で長時間座っていることです。とりわけ、パソコンと何時間も向き合うようなデスクワークは最悪で、たいていの人は背中を丸めた姿勢をしています。
 パソコンを操作するときは、キーボードを操作するために両手と両肩が前に出て、モニター画面をよく見ようとするために目線が下向きになって、頭部が前方にせり出しがちです。

 現代の日本では、このような生活スタイルや姿勢をしているかたが少なくありません。悪い姿勢でいると、骨盤が斜めになり、仙腸関節に大きな負担がかかります。そのせいで、日本人の約8割に、仙腸関節の不調を抱えている可能性があるともいわれています。

 私は、この仙腸関節の機能異常が、腰痛だけでなく、首痛や膝痛、股関節痛にも大いに関係していると考えています。事実、仙腸関節のひっかかりを矯正したことで、腰痛の患者さんが「首や膝の痛みまで消えた」と口にすることが多いのです。

「関節包内矯正」で関節の痛みは99 %治せる!

【やり方】テニスボールを使って腰痛を治す

 ここまでお話ししてきたように、姿勢や荷重のバランスが悪いと、関節にはよけいな負担がかかり続け、ひっかかりやズレなどのトラブルが発生し、痛みを引き起こします。

 こうした関節の不具合を治し、正常な動きを回復させ、痛みの解消に役立つのが、「関節包内矯正」という施術法です。私は、自ら編み出したこのメソッドを、重要な関節の動きをスムーズにするための施術の中心に据えています。

 関節包内矯正では、関節包内でひっかかった骨同士を、手技によって引き離します。そのため、関節には正常な可動域が戻り、元どおりのなめらかな動きが可能になって、痛みも消えていくのです。

「固まった関節を手技でスムーズにさせる」と聞くと、施術中に痛みを伴うと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

 例えば、仙腸関節への関節包内矯正の場合では、お尻の上部にある仙骨のあたりに、手を使ってギューッと圧力を加えていくような感じです。患者さんの体にかかる圧力は軽いので、初めての施術を終えたかたからは、「もう終わったんですか?」と驚かれることもよくあるほどです。

 しかし、関節包内矯正の知識と技術をしっかりと持ったプロフェッショナルであれば、問題のある箇所を適確に見極めて、小さな力で大きな効果を引き出すことがで
きます。

 当院には、関節の痛みを何十年も抱えていたり、いくつもの医療機関で治療を受けても治らなかったりするかたが多数いらっしゃいます。しかし、よほどの理由でない限り、皆さんがつらい痛みから解放されています。

 関節包内矯正の施術を一度受けただけで、痛みがきれいに消えた例も枚挙にいとまがありません。その証拠に、当院の入口にある傘立てには、忘れ物の杖が何本も置かれています。あまりにもあっさりと痛みがなくなるので、杖を忘れて帰宅されてしまうのです。感激のあまり、涙を流して喜ぶ患者さんもいらっしゃいます。

 私は断言できます。関節の痛みやトラブルは、99%治せます。

 実際、当院を訪れ、首・腰・膝・股関節の痛みを訴えた患者さんは、99%が完治しています。
 残念ながら100%でない理由は、ガンや心臓の病気など、なんらかの内科的疾患が痛みを引き起こしている場合には、現代のどんな医療や関節包内矯正を施しても、1%ほどは治りにくいケースがあるためです。

 しかし、その1%を除けば、従来の治療とはまったく異なるアプローチの施術法=関節包内矯正をベースに、患者さんそれぞれに適した施術を施せば、治らない痛みやトラブルはないと言っていいでしょう。

 さらに言えば、必ずしも当院にお越しいただく必要もありません。

 次回ご紹介する、テニスボールを使って行う「簡易版・関節包内矯正」など適切なセルフケアをすることで、痛みを自分で解消させることもできるのです。
 固まった関節を放置すると、痛みという通過駅を経由し、寝たきりという終着駅まで、まるで特急列車に乗っているかのように走り抜けてしまいます。
 その電車にただ乗っているだけか、スパッと降りることができるかは、これからのあなた次第です。

酒井慎太郎
さかいクリニックグループ代表。柔道整復師。整形外科や腰痛専門病院、プロサッカーチームの臨床スタッフとしての経験を生かし、腰痛やスポーツ障害の施術を得意とする。解剖実習をもとに考案した「関節包内矯正」を中心に、難治の腰痛や膝痛の施術を行っている。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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