MENU
医療情報を、分かりやすく。健康寿命を、もっと長く。医療メディアのパイオニア・マキノ出版が運営
【肛門がかゆい】原因はカンジダ菌や痔も 多くは洗い過ぎ 治し方と対策

【肛門がかゆい】原因はカンジダ菌や痔も 多くは洗い過ぎ 治し方と対策

肛門(お尻の穴)の痒み、ただれで悩んでいる女性は、非常に多く見受けられます。痒みの原因には、カンジダ菌やイボ痔、切れ痔のケースもありますが、そのほとんどは過剰なお尻のケア(洗い過ぎ、拭き過ぎ)です。医療機関で適切な治療を受ける必要があります。【解説】野澤真木子(医療法人社団桃仁日本橋レディースクリニック院長)

解説者のプロフィール

野澤真木子
杏林大学医学部卒業。同大学附属病院第一外科、大腸肛門病センター松島病院、松島ランドマーククリニック院長などを経て、女性専門の肛門外科・胃腸内科である日本橋レディースクリニックを開院。同クリニックには、便秘や腸内環境改善のための食物繊維が豊富な食事メニューを提供する「フローラカフェ by NLC」を併設している。監修書に『さよなら!不快症状 おしりのトラブル』(旬報社)などがある。
●日本橋レディースクリニック
http://nl-clinic.jp/

ケアのし過ぎでかゆみが起こる

肛門のかゆみで悩んでいる女性は、実は年齢を問わずたいへん多く見受けられます。

肛門が「ムズムズする」は、症状が軽いほうで少数派です。
圧倒的に多いのは「痛がゆい」「とにかくかゆい」というもの。
かゆみがつらいせいで仕事に集中できない、眠れない、夜中に目が覚めてしまうという人もいます。
就寝中に無意識に肛門をかいて、傷を作るケースも多々あります。

肛門がかゆくなる原因で最も多いのは「過剰なお尻のケア」です。

「お尻は清潔に保つもの」と、みなさん思っています。
そのため、お尻を石けんでごしごし洗う、トイレットペーパーで強くこする、温水洗浄便座で熱いシャワーを長い時間強く使うなど、必要以上のケアをしてしまいがちです。
これが強い刺激となって、皮膚のバリアを壊し、かゆみをもたらすのです。

また、肛門がかゆくなると、「清潔にしなくては」という気持ちがさらに強くなります。
そして洗い過ぎてしまい、かゆみを悪化させてしまいます。

肛門がかゆいときは、かゆみ止めを使う前に、次の点をチェックしてください。
日常のケアで当てはまるものがあれば、やめましょう。

□石けんで洗い過ぎていないか
□温水洗浄便座で、シャワーの温度を高くしたり、水圧を強くしたりして、肛門を洗い過ぎていないか
□トイレットペーパーで、肛門を強く頻回にこすっていないか

お尻を刺激しないためには、入浴時には、せっけんを使わずぬるま湯で、手を使ってお尻を洗うようにしましょう。
温水洗浄便座を使用する際は、低い温度と弱めの水圧で、軽く洗う程度にします。

原因を取り除けば、かゆみは自然に解消します。

特に男性は、ケアのし過ぎの人が大半です。

女性の場合は、かゆみを引き起こす原因がいろいろあります。
ケアのし過ぎを改めてもかゆみが解消しない場合は、下着なども要チェック。
ガードルやパンティストッキング、Tバックのショーツは、いずれもお尻を締め付けるうえ、歩くたびに皮膚がこすれて刺激になり、かゆみの原因になります。

また、生理用ナプキンや尿もれパッド、パンティライナーに含まれるポリマー剤によるかぶれや、お尻の毛を剃り、カミソリ負けしてかゆくなる例も多く見られます。
ショーツをレースの少ない綿100%のものに変える、きついガードルやパンティストッキングを避ける、パンティライナーは必要最低限使用するなど、生活習慣を見直すことも、かゆみの解消に結びつきます。

長年放置していると、肛門の皮膚の状態が悪化して、日常のケアや生活習慣を見直しても改善しないケースもあります。
その場合は、医療機関での薬物治療が必要です。

肛門のかゆみがある人はココをチェック!

カンジダ菌やイボ痔が原因のこともある

肛門のかゆみの原因には、カンジダ菌やイボ痔、切れ痔によるもの、皮膚疾患に合併して起こるものもあります。
いずれの場合も、医療機関で適切な治療を受ける必要があります。

カンジダ菌はもともと膣に存在する菌で、普段はおとなしくしています。
ところが、過労やストレスなどで免疫力が低下しているとき、抗生物質を内服したときなどに菌が増殖して、肛門までかゆくなることがあります。

肛門の外に出るようなイボ痔では、痔から分泌される粘液が皮膚炎を起こしてかゆみをもたらすこともあります。
また、切れ痔では傷ができることで痛がゆくなることもあります。
肛門にかゆみがあり、皮膚が赤くただれている、分泌物が出ているなどの場合は、皮膚の悪性疾患の可能性もあるので、医療機関を受診しましょう。

肛門の悩みは人に言いづらいもの。
患者さんの中には、10年以上もかゆみを我慢してきたという人が珍しくありません。

肛門科に抵抗がある人は、第1ステップとして女性の医師が多い皮膚科を受診するという方法もあります。
肛門科は女性の医師が少ないのですが、男性の医師でも女性患者専門の時間帯を設けている病院もあります。
調べてみるといいでしょう。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

関連記事
さまざまな原因によって、肛門周辺の毛細血管に血行障害が生じ、それが痔を引き起こすのです。そこで、痔の予防、あるいは、痔の症状を和らげるためには、肛門周辺の血行障害を改善することが欠かせません。血流障害を改善することを心がけた結果、ついに切れ痔を克服することができたのです。【解説】日野勝俊(ヒノヘルスオフィス院長)
更新: 2018-09-27 17:58:47
私のクリニックには、便秘や下痢など、さまざまな排便障害を抱えた人が来院します。そのなかで、近年急速に増えているのが、便もれ(便失禁)です。その原因と治療法について解説します。尿もれに比べ、便もれや便失禁という言葉は、あまり聞いたことがないかもしれません。【解説】後藤利夫(新宿大腸クリニック院長) 
更新: 2018-09-09 14:17:02
痔の主原因は便秘です。固くなった便が肛門を傷つけ、それが痔の原因となります。便は、強いアルカリ性の老廃物です。便秘によって肛門が傷つけられると、そこから細菌が入って炎症を起こすのです。痔の予防には便秘を解消することが大切。そこでお勧めは、牛乳にきな粉を入れて飲む、きな粉牛乳です。【解説】平田雅彦(平田肛門科医院院長) 
更新: 2018-07-06 16:09:27
研修医を務めていた時期、便秘が原因の切れ痔とイボ痔に悩まされました。痔が痛むとき、私は、内服に血行を改善する「桂枝茯苓丸」を、外用には「紫雲膏」という漢方薬を使いました。いずれも、薬局で入手可能です。紫雲膏は、肛門の中にも周りにも塗れる軟膏で、炎症を抑えてくれます。【解説】石原新菜(イシハラクリニック副院長)
更新: 2018-10-02 11:50:06
かかとの後ろ側は、肛門付近の尾椎に対応しています。「尾椎」の反射区は肛門と関係が深く、押すと痛みを感じたり(圧痛)、角質が厚くなったりしているときは痔になっていることがたいへん多いと言えます。切れ痔やイボ痔ではなくても、排便時の痛みなどの症状が現れがちです。【解説】市野さおり(看護師・リフレクソロジスト)
更新: 2018-07-06 16:09:45
最新記事
私は、60歳の今も左右の視力は1・0を保っています。これまでメガネの世話になったこともありません。老眼知らずの状態をキープしている秘密は、私が毎日行っているトレーニング「目のスクワット」にあるのです。毛様体筋をほぐす効果があります。【解説】本部千博(ほんべ眼科院長)
更新: 2019-07-03 14:37:40
歩くとひざが痛くなる、腰が重くなる、どっと疲れが出る。私なら、まず「浮き指」を疑います。詳しく調査した結果、現代日本人男性の6割、女性の7割が浮き指であることがわかったのです。浮き指とは、文字どおり「足の指が浮いている」状態を指します。【解説】阿久根英昭(桜美林大学健康福祉学群教授)
更新: 2019-06-18 18:00:00
鍼灸師の私がおすすめして、皆さんにご好評をいただいている「温熱ツボ刺激」のやり方をご紹介しましょう。この温熱ツボ刺激は、男女を問わず効果があるものです。ですから、女性だけでなく、薄毛や白髪で悩む男性のかたにもぜひ試してほしいのです。【解説】横内稚乃(稚乃針灸整骨院院長)
更新: 2019-06-17 18:00:00
玉ねぎが体によいのはよく知られたことですが、なかでも、血糖値を降下させる作用が注目されています。しかし、玉ねぎを毎日食べたくても、あのツンとする刺激臭が嫌で、玉ねぎ料理は苦手という人も多いでしょう。そこでお勧めなのが、玉ねぎドレッシングです。【解説】里見英子(里見英子クリニック院長)
更新: 2019-06-16 18:00:00
慢性腰痛は、さまざまな原因によって生じます。なかでも最大の原因と考えられるのが、普段の姿勢の悪さです。加齢や運動不足、パソコンやスマホなどの習慣によって、私たちの姿勢はひどく悪いものになっています。これが、腰に負担をかけているのです。【解説】岩間良充(鍼灸整骨院ホスピスト院長)
更新: 2019-06-15 18:00:00

ランキング

総合ランキングarrow_right_alt