【難聴】を自分で見分ける方法 話しかけるときの注意点は?

【難聴】を自分で見分ける方法 話しかけるときの注意点は?

加齢による聴力の低下、いわゆる加齢性難聴は、何十年もかけて、とてもゆっくりと進行します。このため、本人はなかなか気付きません。しかし、放置していれば、耳の状態は日々悪化していくことになります。【解説】内田育恵(愛知医科大学耳鼻咽喉科特任准教授・国立長寿医療研究センター客員研究員)


いつもとは逆の耳で受話器を取ってみる

加齢による聴力の低下、いわゆる加齢性難聴は、何十年もかけて、とてもゆっくりと進行します。
このため、本人はなかなか気付きません。
しかし、放置していれば、耳の状態は日々悪化していくことになります。

加齢性難聴の特徴は、以下の四つになります。

・気付かないうちに進む
・両耳に同じように起こる
・初めは高音が聞こえにくい
・言葉を理解して処理するのが遅くなる

加齢性難聴に気付くためには、今の自分の聞こえのレベルを把握しておくことが大切です。
普段の生活の中でも、「少し耳が遠くなったかな?」と気付く瞬間があるものです。

ここでは生活の中で、聞こえのレベルを知るチェックポイントを三つご紹介しましょう。


①いつもとは逆の耳で電話の受話器を取って違和感はないか

人は自然とよく聞こえるほうの耳で、電話の受話器や携帯電話を取っています。
今度、電話の音が鳴ったのなら、いつもとは違う耳で受話器を取ってください。
ずいぶん聞き取りにくいと感じる人もいるかもしれません。

電話の音声は、生で聞く音声よりも音域が制限されているため、対面の会話に比べると聞き取りにくいものです。
特に顕著になるのが、いつも使っていない側の耳で電話を取ったときなのです。


②朝のテレビニュースのボリュームが大きくなっていないか

毎朝、同じ局のニュース番組を、習慣的に見ている方は、聞こえチェックのよい目安になります。
日中に比べて朝は周辺の騒音なども少なく、快適に聞こえるテレビ音量が、聞こえの目安になりやすいのです。

3年前、また5年前に比べ、テレビの音のボリュームが上がっていませんか?
または同じ番組を見るご家族と比べて、快適なボリュームに差がありませんか?

もしそうであれば、聞こえが悪くなってきていることが考えられます。


③会食時の会話で取り残されることはないか

1対1の会話ではよく聞こえるのに、会食など複数人の会話では、人の話がよく聞き取れないということはありませんか?
難聴になると、3人以上の会話で話についていけなかったり、周囲は笑っているのに、自分だけが笑えなかったりするといったことが起こってきます。

そんなことがくり返されたら、要注意と思ってください。
ほかに、
「病院や銀行などで名前を呼ばれても気付かない」
「電車内のアナウンスが聞き取りにくい」
「浴槽にお湯が溜まったことを告げる電子音が聞こえない」
「聞き間違いが多くなる」といったことも、自分の聞こえ具合を探るチェックポイントになるでしょう。


一つでも思い当たるところがある人は、一度、お近くの耳鼻咽喉科に受診してみましょう。

難聴の人に話しかける際の注意点!大きめの低い声でゆっくりと!

難聴の人に話しかける際の基本は、大きめの低い声でゆっくりと、単語と単語を区切って話すことです。
加齢性難聴では、一般的に高音部から聴力が落ちていきます。

そのため、大きめで、かつ低い声でゆっくりと話すよう心がけましょう。
また、加齢によって脳の処理スピードが低下することも、会話の内容を聞き間違う要因の一つです。

早口で話されると、脳が処理しきれず、理解できないことが多くなります。
このため、メリハリをつけて、ゆっくり話すことが大事です。

もう一つ大事なことは、キーワードを必ずくり返すことです。
最後にもう一度念を押して言うことによって、曖昧な聞き取りや理解を補えます。
もし聞き間違えていても、2回目の念押しで正確に聞き取れたり、復唱で確認できたりします。

注意が必要なのは、大き過ぎる声です。
大き過ぎる声は、音が響いてしまいます。

また、怒鳴るような声では均質な音量を保つことができないため、強い音と弱い音が混ざった音声になってしまい、かえって正確な聞き取りのさまたげになります。
加齢性難聴の「聞こえのストライクゾーン」は、それほど広くないことを理解し、難聴の人に優しい話しかけを行っていただきたいと思います。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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