医療情報を、分かりやすく。健康寿命を、もっと長く。医療メディアのパイオニア・マキノ出版が運営

【視力回復】目にいい食事 お勧めはDHA・EPAが豊富な「青魚」

【視力回復】目にいい食事 お勧めはDHA・EPAが豊富な「青魚」

食べ物には、目の機能を高めたり、酸化ストレスから目を守ったりするなど、目によい成分が含まれています。ですから、目を健康に保つには、バランスのよい食事をすることが基本です。それを踏まえた上で、特に皆さんに積極的に食べていただきたいのが、魚です。【解説】足立和孝(あだち眼科院長)、有安正規(視能訓練士・保健科学博士)


目で見た情報をスムーズに脳へ伝える

目は、とても精密で大切な器官です。
ですから、目の老化や病気を防ぎ、その機能を正常に働かせるためには、当然、たくさんの栄養素が必要になります。

そのために大切なのが、日々の食事です。
食べ物には、目の機能を高めたり、酸化ストレスから目を守ったりするなど、いろいろな目によい成分が含まれています。
目を健康に保つには、バランスのよい食事をすることが基本です。

それを踏まえた上で、特に皆さんに積極的に食べていただきたいのが、魚です。
近年、動物性たんばく質は魚から肉にとって代わられ、世代を問わず、魚を食べる機会が減少しています。

しかし、魚には、肉にはない目によい成分が含まれています。
それが、DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)です。
これらは、どちらも人間の体内では作れない不飽和脂肪酸で、背の青い魚の油に含まれています。

DHAとEPAは似たようなものだと思われていますが、その作用は若干違います。
DHAは脳に多く存在しますが、EPAは脳には存在しません。

脳の入り口には、血液脳関門という関所のようなところがあります。
ここで、脳に必要な物とそうでない物がふるい分けられます。
DHAは脳関門を通れますが、EPAは通れないのです。

このDHAを、脳以上に多く含むのが、目です。
昔から「魚の目を食べると頭や目がよくなる」といわれますが、これは、目にDHAが多いからです。

実は目は、脳の出先機関のようなところです。
胎児が成長する過程で、目は脳と同じ細胞から枝分かれしたものなのです。
したがって、脳に必要なDHAは、目にも必要なのです。

では、DHAは目でどんな働きをするのでしょうか。

目で見た物は、網膜で像を結び、それが視神経を通って脳に伝わることで、初めて視覚情報として認識されます。
DHAは、網膜や神経細胞に多く含まれる大事な成分で、視神経の伝達をよくする働きがあります。
したがって、DHAが目に十分あれば、物をしっかりとらえて、その情報をスムーズに脳に伝えることができます。
それによって、物の見え方の質が上がり、視力の改善や眼精疲労の回復につながるのです。

また、DHAの摂取を心掛けることで、視覚機能の改善はもちろんのこと、年齢とともに低下しがちな脳機能の維持、認知症やうつ病の予防、集中力の向上にも効果があるといわれています。

EPAとの相乗効果で目の機能を高める

一方、EPAには、全身の血流をよくする作用があります。
血中のコレステロールや中性脂肪を減らしたり、血液の凝固を防いで、血液をサラサラにしたりするのです。
これも、目によい効果をもたらします。

まぶたの縁には、マイボーム腺という皮脂腺があります。
ここから油が分泌され、涙の表面に油の層を作って、涙の蒸発を防ぎます。
このマイボーム腺に脂肪がたまって出口が詰まると、目が乾きやすくなり、ドライアイを引き起こします。
 
しかし、血中脂質が減って、まぶたの血流がよくなれば、マイボーム腺が詰まりにくくなり、油の分泌がスムーズになります。
また、目の血流がよくなれば、目の見え方や疲れなども改善しやすくなります。
 
このように、魚を食べると、DHAとEPAの相乗効果で、多方面から目の機能を改善できるのです。
DHAやEPAは、先ほども述べたように、青魚の油に含まれています。
イワシ、サンマ、サバ、マグロ、ブリなどに多いので、積極的に食べるといいでしょう。

厚労省の基準では、DHAの一日の目標摂取量は500mg、EPAと合わせて1日1gとされています。
これは、約90gの魚に相当します。
焼き魚ならイワシ1~2匹、マグロの刺し身なら4~5切れ食べるといいでしょう。
もちろん、脂の乗っている魚のほうが、含有量は多くなります。
 
DHAもEPAも、加齢とともに減少していきますから、40歳を過ぎたらなるべく毎日、魚を食べてください。

魚の缶詰なども利用するといいでしょう。
また、同じオメガ3系の脂肪酸(アマニ油やエゴマ油など)は、体内でEPAやDHAに変わりますから、こうした油で補うこともできます。

DHAやEPAが手軽に取れるサプリメントも市販されています。
忙しい人や、魚が苦手な人は、そういうものを利用してもいいでしょう。
ただし、サプリメントは、副作用や薬との飲み合わせなどが十分検証されていません。
あまりサプリメントに頼り過ぎず、なるべく自然の食品で取ることをお勧めします。
 
また、目にはビタミンA、C、Eなどのビタミン類、ルテインやアントシアニンのような抗酸化物質、亜鉛などのミネラルも必要です。
冒頭に書いたように、バランスのよい食事をして、目を守ってください。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

関連するキーワード


マグロ

関連する投稿


名医が勧める【酢納豆】は目の血栓を溶かす"視力若返り食材" 網膜血管閉塞症を改善

名医が勧める【酢納豆】は目の血栓を溶かす"視力若返り食材" 網膜血管閉塞症を改善

眼科医である私は、患者さんに納豆を広く勧めてきました。中でも積極的に勧めているのは、眼の血管が詰まる「網膜血管閉塞症」という病気への効果です。納豆に酢を加えた「酢納豆」が特にお勧めです。納豆には血栓を溶かす働きがあり、血液をサラサラにする酢の効果と相まって高い効果が期待できます。【解説者】玉井嗣彦(日野病院名誉病院長)


【緑内障の予防・改善】高い眼圧が下がる効果も「目の温パック」で視力も回復

【緑内障の予防・改善】高い眼圧が下がる効果も「目の温パック」で視力も回復

緑内障の患者さんは、大抵まぶたが冷えていて、血流が悪くなっています。涙の油は、上下のまぶたの内側にあるマイボーム腺から分泌されます。まぶたの血流がよければ、マイボーム腺からスムーズに油が分泌されます。しかし、血流が悪いと、油が固まって分泌腺が詰まり、涙の質が悪くなるのです。【解説】平松類(東大宮総合病院眼科科長)


【眼科医も仰天】首こすりをしたら緑内障が改善し失明の危機を回避!

【眼科医も仰天】首こすりをしたら緑内障が改善し失明の危機を回避!

40歳になったころ、目を開けているのがつらくなり、テレビを見ていると、目がとても疲れるようになりました。眼科で診てもらいました。そこで検査を受けたところ、緑内障が発見されたのです。眼圧はずっと15〜16mmHgくらいを行ったり来たりしていました。【体験談】松島佳代子(仮名●広島県●59歳●パートタイマー)


【体験談】ホルモンバランスを整える方法 乱れは "耳たぶ" に出る

【体験談】ホルモンバランスを整える方法 乱れは "耳たぶ" に出る

若い頃は虚弱体質で、いつも疲れていました。ヨガの薄久美子先生に出会ったのは、46歳のときです。薄先生の教室をインターネットで見つけて、参加したのがきっかけでした。教わったヨガの中でも、特に私が気に入ったのが「耳ひっぱり」です。最初にやったときから、これはいいと思いました。【体験談】石田久美子(主婦・53歳)


【視力回復トレーニング】眼精疲労に効果「視力アップ指回し」体操のやり方

【視力回復トレーニング】眼精疲労に効果「視力アップ指回し」体操のやり方

今回ご紹介する「視力アップ指回し」をはじめとする5種類のエクササイズは、眼力を鍛えるための基本訓練です。視力がよくなる、視界がクッキリ明るくなるなどの視力アップ効果はもちろん、疲れ目や肩こりの緩和、脳の活性化による記憶力や集中力の向上、読書や計算が速くなるなどの効果も期待できます。【解説】栗田昌裕(群馬パース大学学長)


最新の投稿


認知症患者に不足!脳の栄養素「レシチン」を含む食事と摂り方

認知症患者に不足!脳の栄養素「レシチン」を含む食事と摂り方

認知症の患者さんに圧倒的に足りないのが、レシチンという物質です。これは、大豆や卵などに多く含まれています。レシチンは脳にも全身にもきわめて重要で、生きるための必須物質です。そのため、「生命の基礎物質」とも呼ばれています。【解説】野本裕子(ナチュラルクリニック代々木院長)


耳詰まり・耳閉感が解消「耳の穴もみ」で耳に空気がスーッと通る!

耳詰まり・耳閉感が解消「耳の穴もみ」で耳に空気がスーッと通る!

耳鼻科で受けたのは、鼻と耳に管を入れてシュッと空気を通す治療でした。行うと、一時的に耳はスッキリしますが、すぐに戻ってしまいます。耳の穴もみは、耳閉感の予防にもなっているようです。耳の穴もみをやるようになってからは、耳が詰まることがなくなりました。【体験談】上田貴弘(颯鍼灸院院長・46歳)


【舌の位置】舌先が前歯につく人は注意 「口呼吸」が招く負のスパイラルとは

【舌の位置】舌先が前歯につく人は注意 「口呼吸」が招く負のスパイラルとは

上咽頭の炎症が慢性化すると、自律神経のバランスがくずれ、血流障害が起こったり、血圧が上がったりします。口呼吸の人は、まず、口を閉じて食べ物をよくかむことを心がけましょう。口周りの筋肉やあごが鍛えられ、口呼吸のクセを直すトレーニングになります。【解説】堀田修(堀田修クリニック(HOC)院長)


ウマ酸っぱさが効く! 最強の常備菜「酢大豆」美味レシピ

ウマ酸っぱさが効く! 最強の常備菜「酢大豆」美味レシピ

健康管理に大活躍すること間違いなしの常備菜が「酢大豆」です。作り方が簡単なうえ、長期間、作りおきできるのでとても便利。そのまま食べてももちろんおいしいのですが、料理に応用すればワンランクアップした味わいになります。【料理・スタイリング】結城寿美江(料理研究家)【栄養計算】金子奈穂美(管理栄養士)


レモン酢を試したら、慢性腎炎によるだるさやむくみが解消した!

レモン酢を試したら、慢性腎炎によるだるさやむくみが解消した!

慢性腎炎には治療法がありません。塩分とたんぱく質を制限し、血圧を上げないように気をつけるだけです。腎機能が低下していると、ふだんから体がむくみやすく、とてもだるくなります。レモン酢を飲むようになって1週間くらいしてから、あまり体のだるさを感じなくなってきました。【体験談】星野久美子(仮名・主婦・71歳)