【イライラ・ストレス】を抑える簡単な方法 脳が活性化する「親指への刺激」とは

【イライラ・ストレス】を抑える簡単な方法 脳が活性化する「親指への刺激」とは

昔から、「手先をよく動かす人はボケにくい」と言われてきました。それは、確かに事実です。ただし、その「手先」にあるすべての指の中で、脳機能の活性化にとりわけ大きな役割を果たすのが、実は「親指」なのです。【解説】長谷川嘉哉(医療法人ブレイングループ理事長・認知症専門医)


研究と実践を重ねて生まれた“究極の健康法”

今から16年前、私は、認知症専門外来のクリニックを開業しました。
また、その2年後には、主に遠方からの患者さんを受け入れるデイサービスを開始しました。

以来、ほぼすべての患者さんに、お勧めしている健康法があります。
それは「親指刺激法」です。

昔から、「手先をよく動かす人はボケにくい」と言われてきました。
それは、確かに事実です。

ただし、その「手先」にあるすべての指の中で、脳機能の活性化にとりわけ大きな役割を果たすのが、実は「親指」なのです。
そのため、親指を適切に刺激すると、認知症の予防や進行抑制、記憶力アップや意欲向上などの効果があります。
また、冷え症やイライラの解消、不眠の改善にも大いに役立つのです。

「ほんとうに親指を刺激するだけで?」と驚かれるかもしれません。

しかし、私が考案した親指刺激法は、指の構造はもちろんのこと、脳の構造や機能、指と脳の関係性、血液の流れや神経機能なども考慮しつつ、研究と実践を繰り返してたどりついた“究極の健康法”なのです。
実は、こうした親指刺激法を1冊の本にまとめたところ、13万部を超えるベストセラーになりました。
おかげさまで、そのすばらしさは着実に広まってきていると自負しています。

そこで今回は、何種類かある親指刺激法の中でも、誰でも簡単に行える「親指のキワもみ」をご紹介したいと思います。

血流がぐっとよくなり自律神経の働きも調整

親指のキワもみのやりかたは、非常に簡単です。
ひとことで言えば、親指の爪の左右のキワを、反対の手の親指と人さし指でもむだけです(下図参照)。

実践するうえで、爪を立ててもんだり、強く押し込んだりする必要はありません。
押す側の親指と人さし指の“腹の部分”を使い、1秒に1回押すぐらいのペースで20回軽くもめばOKです。

指先には、無数の毛細血管が張り巡らされています。
また、心臓から出た動脈が静脈に切り替わる「動静脈吻合」というポイントでもあります。

こうした特徴があるところをもむことで、脳だけでなく全身の血流がぐっとよくなっていきます。
また、「もむ側」の親指の動きは、脳の前頭葉という部位にある運動野を刺激し、「もまれる側」の指の動きは頭頂葉にある感覚野を刺激します。

おかげで、血流アップとの相乗効果も生まれ、脳の働きが総合的に活性化されるわけです。
さらに、指先は神経が発達しているため、少しの刺激でも脳へ的確に情報が伝わります。

親指のキワをきちんともめば、脳をストレスから癒し、自律神経(※内臓や血管の働きを調節して、人間の生命活動を支えるネットワーク。体を緊張状態に向かわせる「交感神経」と、リラックス状態に向かわせる「副交感神経」とのバランスでなる。)のバランスを整えることにもなるのです。

ですから、1日の中で自律神経の働きが変わるタイミング、つまり起床後や入浴後は、親指のキワもみを行うのにとても理想的です。
その際、朝は「副交感神経優位から交感神経優位に切り替わるとき」ですから、少し強めの「イタ気持ちいい強さ」でもむといいでしょう。
反対に、夜は「交感神経優位から副交感神経優位に切り替わるとき」ですから、優しく「心地いい強さ」でもむことをお勧めします。

長谷川嘉哉
1966年、名古屋市生まれ。名古屋市立大学医学部卒業。医学博士。認知症専門医。独自に開発した「親指刺激法」を認知症の予防や脳リハビリに役立てている。2000年には、認知症専門外来および在宅医療のためのクリニックを岐阜県土岐市に開業、毎月1000人の認知症患者を診察する。著者、『親ゆびを刺激すると脳がたちまち若返りだす!』(サンマーク出版)はベストセラー。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

関連するキーワード


認知症 イライラ 不眠症

関連する投稿


脳が活性化する親指の体操で明るく前向きになれる!意欲がわいてくる!

脳が活性化する親指の体操で明るく前向きになれる!意欲がわいてくる!

親指刺激を行っているうちに、手の動きと脳の働きが同時によくなり、薬の管理がうまくできるようになったというお年寄りもいます。認知症に関する効果だけでなく、肩こりや冷えが軽減した、姿勢がよくなったという人も多いのです。【解説】長谷川嘉哉(認知症専門医)


頭のツボマッサージで解消!60代からのそわそわ落ち着かない・イライラ対策

頭のツボマッサージで解消!60代からのそわそわ落ち着かない・イライラ対策

60歳を過ぎると、多くの人は「風」、そして「空」が体や心に増えていき、風と空の体質になっていきます。風の体質というのは、カサカサと乾燥して、冷えがあり、心情的にはソワソワと落ち着きがなく、気ばかり焦って、眠りが浅い、そんな体質のことです。【解説】西川眞知子(アーユルヴェーダ・ライフコンサルタント)


50歳を超えたら食事に変化を!サルコペニアや骨粗鬆症を防ぐには「ちょっと太ってるくらいがいい」

50歳を超えたら食事に変化を!サルコペニアや骨粗鬆症を防ぐには「ちょっと太ってるくらいがいい」

「体のためには粗食が一番」「肉や卵はメタボのもと」「中高年になったら少食を」最近は、こういったことが「健康の常識」とされているようです。しかし、これらの考え方は、若くて、過食や肥満がある人には当てはまりますが、日本の多くの高齢者には当てはまりません。【解説】新開省二(東京都健康長寿医療センター研究所副所長)


足の長さが左右で違う原因は股関節のズレ!体の歪みをとる「ひざ縛り」のやり方

足の長さが左右で違う原因は股関節のズレ!体の歪みをとる「ひざ縛り」のやり方

足の長さに左右差があると、骨盤や全身の骨格が左、または右に傾いています。このゆがみは、腰痛や生理痛、便秘、冷えなど全身の不調につながります。そうした骨格のゆがみを矯正するために私が指導している方法が、両ひざをひもで縛る「ひざ縛り」です。【解説】城戸淳美(今井病院医師)


【中性脂肪値を下げる】加熱トマトの成分“13オキソODA”の効果

【中性脂肪値を下げる】加熱トマトの成分“13オキソODA”の効果

「トマトは体にいい」そういうイメージを持っている人は多いでしょう。しかし、どんな健康効果があるのかといえば、意外に漠然としているのではないでしょうか。そこで、トマトの健康効果を検証した一つの研究をご紹介しましょう。【解説】寺内公一(東京医科歯科大学大学院・医歯学総合研究科・女性健康医学講座教授)


最新の投稿


【野球肘】肩が痛い ひじが痛い 症状を改善・予防するストレッチの方法

【野球肘】肩が痛い ひじが痛い 症状を改善・予防するストレッチの方法

体の柔軟性を保つには、ストレッチを行うことが重要です。練習や試合のあった日はもちろん、休養日にも必ずストレッチを行い、柔軟性を保ちましょう。前項のチェックで硬さがあった場合はもちろん、硬さがなくてもストレッチは必ず行ってください。【解説】山本智章(新潟リハビリテーション病院院長)


注目のシンバイオティクス!発酵あんこは腸内環境を改善する効果がある

注目のシンバイオティクス!発酵あんこは腸内環境を改善する効果がある

発酵あんこの魅力は、それが「シンバオイティクス」であることです。シンバイオティクスとは、腸の善玉菌を増やすなど、人体によい影響を与える有用菌と、そうした菌のエサになる、食物繊維やオリゴ糖などをいっしょに取ることです。【解説】関由佳(内科医・味噌ソムリエ・メディカルフード研究家)


【腰痛の原因】食べすぎやストレスによる肝臓疲労 対策は「足首回し」

【腰痛の原因】食べすぎやストレスによる肝臓疲労 対策は「足首回し」

腰痛や肩こりは、体のゆがみによって起こります。その原因を探ると、なんと約8割の人は、肝臓に疲労がたまっていることが、私の長い施術経験からわかりました。肝臓の疲労のしかたによって、体は右肩上がりになったり、左肩上がりになったりします。それが、痛みの原因になるのです。【解説】田川直樹(快風身体均整院院長)


女性のための簡単筋トレダイエット【バストアップ・二の腕やせ】のコツ

女性のための簡単筋トレダイエット【バストアップ・二の腕やせ】のコツ

「手合わせ筋トレ」は、手のひらを合わせて全力で押し合うだけの、シンプルな筋トレです。動きは簡単ですが、筋肉を意識しながらゆっくり行えば、大きなトレーニング効果が得られます。最初はあまり変化を感じないでしょう。しかしそこを過ぎると、体は目に見えて変わっていきます。【解説】岡田隆(バズーカ岡田・日本体育大学准教授)


昆布酵母のおかげで減塩でも美味しい!薄味で胃腸に優しい手料理に家族が大満足

昆布酵母のおかげで減塩でも美味しい!薄味で胃腸に優しい手料理に家族が大満足

私は食べ歩きが好きで、おいしい物やお店を、インターネットで探すことがよくあります。ウエダ家さんの酵母パンを見つけたのも、インターネットでした。「油も砂糖も使わない天然酵母パン」に興味がわき、すぐにウエダ家さんのパン作り講座に通い始めました。もう10年になります。【体験談】多羅裕子(62歳・主婦)