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キムチなのに臭くない・辛くない!植物性乳酸菌で便秘解消「フルーツ水キムチ」とは

キムチなのに臭くない・辛くない!植物性乳酸菌で便秘解消「フルーツ水キムチ」とは

腸内環境を整えるために、毎日摂取したいのが「発酵食品」です。今回ご紹介する「フルーツ水キムチ」も、その一つです。水キムチは水溶性食物繊維と不溶性食物繊維をバランスよく豊富に含み、腸内環境を整えるには抜群の効果があります。しかも、辛くないので食べやすいキムチです。【解説】奥田涼子(発酵・腸内美人教室主宰)

解説者のプロフィール

奥田涼子(おくだ・りょうこ)
発酵プロフェッショナル・発酵マイスター。
ローフードマイスター1級。フードコーディネーター。発酵食品の普及をめざし、フルーツ水キムチをはじめとした各種レッスンや講座を開催。
Facebookで『育菌美人』のページを主宰。

●ブログ
https://ameblo.jp/ryoko-okuda/

辛いキムチで発酵食品のパワーを実感

腸内環境を整えるために、毎日摂取したいのが「発酵食品」です。
今回ご紹介する「フルーツ水キムチ」も、その一つです。

韓国の食文化を代表するキムチも、私が大好きな発酵食品です。
その一方で、あのにおいと辛さが苦手という人も多いのではないでしょうか。

実は私は学生時代、重度の便秘でした。
11日もの間便通がなかったこともあったのです。

思えば、その原因は無理なダイエットでした。
食事量を減らしたために、便の材料となる内容物がそもそも足りず、また、便通に必要な食物繊維の摂取もできていなかったのです。

腸内の老廃物を出すために便秘薬を常用するようになり、そのため、いつも腹痛がありました。
その後、便秘の解消には、便の材料となり、腸で善玉菌のエサとなる食物繊維を食事でしっかりと取ることや、発酵食品がとても効果的と知りました。

そこで目をつけたのがキムチです。
ハクサイですから、食物繊維も豊富。
発酵食品で乳酸菌もたっぷりです。

それからは毎日、昼食にごはんとキムチとみそ汁を食べ続けたのです。
数日でお通じはよくなり、発酵や野菜のパワーを実感しました。

気になるのはやはりニオイ…目を付けたのが「水キムチ」

ところが、1ヵ月ほどたったときに、家族に「におうよ」と言われてしまったのです。

その後、食に対する勉強を深め、発酵や食物繊維への知識も得ると、食物繊維と一口にいっても、水溶性と不溶性の両方が必要なことを知りました。
そこで注目したのが、水キムチだったのです。

韓国には、赤くて辛いキムチのほかに、野菜を水に漬けて発酵させる水キムチもあります。
水キムチは水溶性食物繊維と不溶性食物繊維をバランスよく豊富に含み、腸内環境を整えるには抜群の効果があります。

しかも、辛くないので食べやすいキムチです。
水キムチは、漬け込んだ野菜を食べるのはもちろんのこと、漬け汁もスープのように飲みます。

水キムチの漬け汁は植物性乳酸菌の宝庫

あるテレビ番組では、水キムチの汁に含まれる植物性乳酸菌の量は、いわゆる普通のキムチのおよそ2倍、ぬか漬けの20倍と紹介されていました。
まさに植物性乳酸菌の宝庫です。

乳酸菌には整腸作用があり、腸の働きを活発にします。
便秘の改善はもちろんのこと、美肌効果や免疫力を高める効果もあります。

また、コレステロール値や血圧、血糖値を低下させることから、生活習慣病の予防と改善にもつながります。
さらに、水キムチの乳酸菌は植物性です。

チーズやヨーグルトなどの動物性乳酸菌は穏やかな環境で育ちますが、植物性乳酸菌は、野菜や穀類などに塩を加えて発酵します。
そのため、動物性乳酸菌に比べると、過酷な条件でも生き残ることができるので、生きたまま腸に届く確率が高いのです。

乳酸菌を取りたいけれど、乳製品でおなかがゴロゴロになってしまうという人も、フルーツ水キムチなら安心です。
これほどすごい発酵食品である水キムチを見逃す手はありません。

やっぱりニオイが気になる…考え着いたのが「フルーツキムチ」!

しかし、ここでも問題になるのがにおいです。
それならと、オリジナルで作り始めたのが、ニンニクを使わないフルーツ水キムチでした。

従来のハクサイやダイコンなどの野菜のほかに、フルーツを加えたことで彩りがよくなり、食べやすくもなりました。
果物の抗酸化成分も摂取できます。

私も、旬のフルーツや野菜で手作りしたフルーツ水キムチを毎日食べています。
先日、アメリカに行ったときには、さすがにフルーツ水キムチを持参できなかったので、代わりにヨーグルトを毎日食べていました。

でも、やはり便秘になってしまい、4日間お通じがありませんでした。
ところが、帰国してフルーツ水キムチを食べたらすぐにお通じが来たのです。

私の便秘解消には、やはりフルーツ水キムチが最高のようです。
食事のときはもちろんのこと、フルーツですから、間食にも適しています。

甘いお菓子の代わりにこのフルーツ水キムチを食べれば、ダイエットにも役立つでしょう。

フルーツ水キムチのメリット

漬け汁の味はおいしいサワードリンク

また、のどが渇いたときには、フルーツ水キムチの漬け汁でのどを潤します。

ほんのりフルーツの香りと味もあり、おいしいサワードリンクといったところでしょうか。
しかも糖分はいっさい加えず、フルーツの甘さのみです。

私はフルーツ水キムチに入れる野菜やフルーツもさることながら、この漬け汁が大好きです。
この漬け汁を飲んでいたら、2本飲んでいた缶ビールが1本で満足できるようになりました。

先ほどもお話ししましたが、漬け汁は植物性乳酸菌の宝庫です。
フルーツ水キムチを作ったあかつきには、漬け汁はぜひとも飲み干してください。

いつもポッコリしていたおなかがへこんだ

私が主宰する発酵食品の講座では、基礎講座などの講義のほか、実践講座ではしょうゆやみそ、ひしおなどの発酵食品を手作りします。
その中でも、簡単にできておいしい発酵食品として人気なのが「フルーツ水キムチ」です。

講座で実際にフルーツ水キムチを作った人たちからは、次のようなうれしい報告をたくさんいただいています。

・おいし過ぎて、すぐに食べきりました。
・ヨーグルトでも改善されなかったがんこな便秘が1週間で解消しました。
・便秘ではないのですが、ガスがたまりやすくて、いつもおなかがポッコリしていました。それがフルーツ水キムチを食べるようになってからスッキリして、おなかがへこみました。
・フルーツ水キムチ、ハマりました! 毎週作って、切らさないようにしています。

などのうれしい報告をたくさんいただいています。

フルーツ水キムチは野菜とフルーツを乳酸発酵させたものです。
植物性乳酸菌が豊富で、腸にとてもいい食べ物です。

また、「キムチ」という言い方をしていますが、トウガラシもニンニクも入れません。
ですから、辛くなく、においません。
においを気にせずお出かけ前でも食べることができます。

そして、フルーツが入っているので、見た目がとても華やかです。
大人から子どもまでおいしく食べていただけます。
3歳のお子さんも喜んで食べているという報告をいただいたこともあります。

好きなフルーツと野菜で作れる

発酵食品を自分で作るというと「難しそう」とか「手間がかかりそう」と思う人が多いと思いますが、このフルーツ水キムチなら簡単に作れます。
詳しい作り方は次の記事を参照していただくことにして、ここでは概要と、いくつかの注意点を紹介しておきます。

フルーツ水キムチの作り方を簡単に説明すると、次のようになります。


①上新粉と塩を入れた水を沸騰させ、冷ます。

②食べやすい大きさにきったフルーツと、切って塩もみした野菜を用意する。

③ジップロックなど密閉できるフリーザーバッグに、フルーツ、野菜、上新粉の水溶液を入れ、最後に酢を加える。

④密閉して常温に1日置いて発酵させる。



これだけです。

今回は初めての人でも失敗のないように、講座でもよく使うリンゴをベースに作り方を紹介していますが、冬ならキンカンやイチゴなど、旬のものや好きなフルーツを使って作ることができます。

「フルーツ水キムチ」のポイント

次に、押さえておきたいポイントをいくつかご紹介しておきましょう。

・作る前に納豆を食べない

納豆菌は非常に強い菌です。
空気中や肌についている納豆がフルーツ水キムチの中に入ると、納豆菌が一気に繁殖し、納豆の匂いがするフルーツ水キムチが出来上がってしまいます。
講座に来ていただく生徒さんには、前日の夜から納豆を控えるようにお願いしています。

・清潔な調理器具を使う

乳酸菌と一緒に雑菌も繁殖しないよう、まな板、包丁、フリーザーバッグは清潔なものを用意します。
また、調理の前に、手をしっかり洗いましょう。

・アルカリイオン水を使わない

漬け汁を作る際に水が必要になりますが、そのときにアルカリイオン水は向かないので、注意してください。
発酵の過程で、乳酸菌が糖をエサにして繁殖し、酸性のバリアができて腐敗しにくくなります。
漬け汁にアルカリイオン水を使用すると、アルカリの成分で酸が中和され、バリアを作ることができにくくなるためです。

次の記事では「フルーツ水キムチ」を紹介しましょう。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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