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【酢ニンニクの作り方と健康効果】失敗しないで美味しく作るポイント

【酢ニンニクの作り方と健康効果】失敗しないで美味しく作るポイント

悪玉菌が増え、善玉菌が減ることにより、便秘はもちろん、肥満や糖尿病をはじめとした生活習慣病、ガン、認知症、アレルギー疾患、うつ病などの精神疾患……と、実に多くの病気の発生にもつながります。こういった活性酸素の害を除去するのが、酢ニンニクの強力な抗酸化作用です。【解説】藤田紘一郎(東京医科歯科大学名誉教授・医学博士)

酢ニンニクの作り方

材料と用意するもの

下準備・加熱・熟成の3ステップ、24時間で完成するレシピです。熟成させればさせるほど、やわらかくなり、抗酸化作用もアップします。

【材料】1カ月分
◎国産ニンニク…3~4個程度
*1日1片食べるので、30片くらいになるようにする
◎酢…適量
(米酢・穀物酢・黒酢など。甘酢は不可。容器の中でニンニクがひたる量でよい)
◎お好みでハチミツ少量

【用意するもの】
◎電子レンジで使える容器
◎ガラスやホーロー製の保存容器

【作り方】

下準備
❶ニンニクを1片ずつにわけ、レンジで使える容器に入れる。皮は残っていてよい

❷500~600Wのレンジで2分程度加熱し、ニンニクが手で触れられるくらいに冷めたら、皮をむく(加熱すると、皮と実の間に隙間ができ、皮がむきやすくなる)

加熱
皮をむいたニンニクと酢を容器に入れ、レンジで3分加熱。容器全体に熱が行き渡るように注意しながら、1~2分ずつ追加加熱を繰り返す。竹串やフォークで刺せる程度にやわらかくなるまで加熱する。粗熱が取れたら保存容器に移し、冷蔵庫へ。ハチミツを入れる場合は、冷蔵庫に入れる直前に加え、よく混ぜる

熟成
冷蔵庫に入れた24時間後から食べられる。

【食べ方】
1日1片を目安に食べる
いつ食べてもよい。1片が15gを大幅に超える場合は、食べる際に半分に切る。

酢を調理に使っても美味!炭酸水などで割って飲んでも◎

失敗しないでおいしく作る4つのポイント

Point 1
加熱の際は、容器全体に熱が行き渡るよう、「短時間加熱する→いったんかき混ぜる→また加熱する」を細かく繰り返すのがお勧めです。
やけどしないようご注意ください

Point 2
ニンニクの破裂が心配な場合は、ラップをフワッとかけてください

Point 3
加熱・熟成中にニンニクの一部が青くなるのは、味・品質に問題があるのではなく、強い抗酸化物質が発生し、ニンニク中の微量のミネラルに反応しているためです。
なお長く熟成させると、ニンニクは青から黄金色に変化し、抗酸化作用もいっそう増します

Point 4
漬けて24時間で食べられますが、漬ければ漬けるほど、おいしさ・やわらかさ・健康効果がアップします!

※血液凝固系の障害がある・抗血液凝固薬などを服用中・妊娠中のいずれかの場合は、念のためかかりつけ医に相談のうえお試しください。

※万が一、腹痛などの症状が出た場合は、そのときの腸内細菌が酢ニンニクに合っていない可能性があります。
食べる量を減らすか、いったん中止し、腸の調子がよくなってから再開してください。

疲労回復はもちろんシミ・シワも撃退!

疲労解消に私がお勧めするのは「酢ニンニク」。
名前のとおり、ニンニクの酢漬けです。
酢ニンニクはさっぱりおいしく、しかも、食後にニンニク特有の強烈なにおいが残りません。

毎日食べ続けると、疲労が解消するばかりか、ニンニクの持つ強力な抗酸化作用が得られ、血液をサラサラにしたり、老化を防いだり、腸内環境を改善したり、さまざまな健康効果が現れてきます。
抗酸化作用とは、「活性酸素」から体を守る作用です。

私たち人間は、呼吸によって酸素を取り込み、エネルギーを生み出しますが、このとき活性酸素という、細胞や遺伝子を傷つける酸素が生じます。
活性酸素が増えると、血管が傷ついて動脈硬化が起きたり、ガン細胞が発生したりすることもあります。

肌のシミやシワなど老化現象も、活性酸素の仕業です。
活性酸素が腸内で大量発生すれば、腸内環境も悪化します。

腸で悪い働きをする悪玉菌が増え、逆に、いい働きをする善玉菌の数が減ることにより、便秘はもちろん、肥満や糖尿病をはじめとした生活習慣病、ガン、認知症、アレルギー疾患、うつ病などの精神疾患……と、実に多くの病気の発生にもつながります。
こういった活性酸素の害を除去するのが、酢ニンニクの強力な抗酸化作用です。

酢にんにくの健康効果まとめ

ところで酢ニンニクの抗酸化作用は、「アリシン」という成分によるものです。
アリシンは、ニンニク特有の強烈なにおいを発生する成分でもあります。

実は生のニンニクには、アリシンは含まれません。
調理過程や咀嚼の際に、ニンニクの細胞が壊れると、ニンニク内に含まれる「アリイン」という無臭の成分が、「アリナーゼ」という酵素に反応し、アリシンに変わるのです。

食べると口がくさくなるのは言わずもがな、アリシンが血液にのって全身を巡れば、強い体臭が出てしまいます。
においを気にせずニンニクを食べたいなら、アリナーゼの働きを失わせてしまうのがいちばんです。

アリナーゼには、熱や酢に弱いという性質があります。
私がお勧めする酢ニンニクは、調理過程でじゅうぶんに加熱し、しかも酢に漬けこむ方法(作り方は別記事参照)なので、アリナーゼの働きを失わせ、においの発生を防げます。

アリシンが作られないなら、抗酸化作用を得られないのでは……と思われたかもしれません。
ご安心ください。
酢ニンニクには、アリインがそのまま残っています。

アリインは、体内で他の食材の酵素によって分解され、ゆっくりとアリシンに変わります。
緩やかな変化なので、強いにおいは発生しません。

酢は腸内環境を整え血糖値対策にも有効

ニンニクとダブルで作用する、酢の健康効果も強力無比です。
酢はニンニク同様、抗酸化作用に優れ、活性酸素の除去におおいに役立ちます。

また酢には、「短鎖脂肪酸」という腸が喜ぶ成分が含まれています。
短鎖脂肪酸は、大腸の粘膜を刺激して蠕動運動(※腸内の便を肛門まで運ぶために、腸が収縮・弛緩をくり返す動き)を促進します。

また、腸内を弱酸性に保つことで、有害な菌の増殖を抑制するなど、腸内環境を整えるのに有用です。
さらに酢には、食後の血糖値の上昇を抑制する作用もあります。

最近の研究では、短鎖脂肪酸が「インクレチン」というホルモンの分泌を促すこともわかってきました。
インクレチンは、血糖値の上昇をコントロールします。

今回、『ゆほびか』読者モニターの皆さんが酢ニンニクを20日間食べたところ、疲労回復・血圧や血糖値の正常化・体形変化・肌や心の不調改善など、さまざまな健康効果を実感されています。
酢ニンニクによって、活性酸素が減少することを考えると、このような結果にも納得です。

個人差はありますが、2週間もあれば、多くのかたが効果を実感できるのではないでしょうか。
疲労を感じるかた、健康面で不安のあるかたは、ぜひお試しください。

解説者のプロフィール

藤田紘一郎(ふじた・こういちろう)

感染免疫学者。医師。
1939年旧満州生まれ、三重県育ち。
東京医科歯科大学医学部卒業。
東京大学医学系大学院修了。
金沢医科大学教授、長崎大学医学部教授、東京医科歯科大学大学院教授を歴任。
長年、腸内細菌の研究に取り組み、『腸内革命』(海竜社)、『脳はバカ、腸はかしこい』(三五館)、『腸の毒出しでやせる!病気が治る!』(マキノ出版)などベストセラー多数。
近著に『1000 兆匹の腸内細菌を使って10キロ楽にやせる方法』(KADOKAWA)、『腸で変わる! 病気にならない、50 代からの生活習慣』(世界文化社)など。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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