ガストのお勧め糖質オフメニュー

「ガスト」で「糖質控えめ・海老と野菜のさっぱりサラダ麺」を食べる亀川先生
もともと私は無類のラーメン好きでした。1日2食ラーメンを食べる日もあり、周囲から「ラーメン先生」と呼ばれるほどでした。
年明けからそんな生活を続けていた2014年のこと、たった半年でメタボ体形になり、80㎏前後だった体重も84・8㎏になっていました(身長は183㎝)。
「このままではいけない」と危機感を覚えて始めたのが、糖質制限です。
1日に摂取する糖質量を60ℊに設定した糖質制限を始めるとスルスルと体重が減って、69㎏台になりました。これではやせ過ぎなので、現在は標準体重である74kg前後に戻して、キープしています。
私自身、減量だけでなく体調のよさもかなり効果を実感したので、実際に診察を行っている糖尿病の患者さんや減量が必要なかたにも糖質制限を指導するようにしたところ、次のような声が聞かれました。「糖質制限すると外食ができません」「外食先では、家族と一緒に食べられるメニューがありません」
また、一人暮らしで糖尿病を患っているかたも最近は多く、コンビニやスーパーでどういう総菜を買っているかも気になっていました。
糖質を控える目的は、血糖値を上昇させないことです。健常人で血糖値を上げるのは唯一、糖質だからです。通常、1ℊの糖質で血糖値がおよそ1㎎/㎗上がるとされています。このことから、血糖値の上昇を見ることで、その食品に含まれる糖質量が推定できることになります。
血糖値の急上昇に注意すべきは、高血糖の人だけではありません。低血糖の人も同様です。血糖値が急上昇し、その後、急下降する最近話題の「血糖値スパイク」は低血糖症の一つ(反応性低血糖症)。この低血糖症を引き起こす原因の一つが、糖質の過剰摂取なのです。
そこで、糖質を控えたいかたが外食やコンビニでもメニューを選びやすいように、私は自らの体を使って、外食した後の血糖値の変化や満足感などを調べることにしたのです。これには、低糖質や糖質オフのメニューを開発している企業を応援したいという気持ちもあります。
例えば、全国チェーンレストランの「ガスト」の「糖質控えめ・海老と野菜のさっぱりサラダ麺」というメニュー。食前と食後15分、30分、45分、60分、90分、120分で血糖値を測ったのが図表です。
メニューによると「糖質量32・8g」。お茶わん1杯の白ご飯の糖質量が約51・5ℊですから、数字上は糖質控えめです。麺は緑色で、ほうれん草麺とのこと。彩りはエビと野菜サラダに合っていて、味もおいしいです。
データを見ると、血糖値の最大上昇幅は45分後の40mg/dlでした。「糖質量32・8ℊ」と比較し、近い数値です。このメニューに関しては「糖質控えめ」の文字のとおり、比較的血糖値が上がりにくいメニューと言えるでしょう。
私は、こうした飲食店やコンビニで食べたメニューの血糖値の変化を包み隠さず記事にして、facebookに投稿しています。ずっと続けている取り組みですので、気になるかたはぜひ私のfacebookをのぞいてみてください。

このように外食でご飯を食べる前と後の時間経過ごとに血糖値を測っている
いきなりステーキ、びっくりドンキー、ローソン、ファミリーマートのお勧め糖質オフメニュー

外食で気をつけるのは、糖質量を抑えることのほかに、動物性のたんぱく質と良質な脂質を意識して摂取することです。糖質を制限しながら、栄養を取ることが重要です。
私の場合、外食では、ステーキやハンバーグを好んでよく食べています。これまで食べ歩いてきた中で、特に私がお勧めしたいのは、最近全国各地で新規店舗が開店している立ち食いステーキ店「いきなりステーキ」の「ワイルドステーキ」です。お肉の量を指定して食べられるお店で、コスパもよく、糖質制限を行う人の間で人気のお店です。
お肉をオーダーするときの量の目安は、体重×5ℊです。例えば、体重が60㎏の人は、60×5=300ℊとなります。これで1日に必要なたんぱく質量をほぼカバーできます。
ランチでは、サラダ、スープ、ライスがついてお得なのですが、私の場合、ライスは断ります。これで価格も100円引き。さらに、つけ合わせのコーンは糖質ですのでブロッコリーに変更してもらいます(無料)。ほかにも、ステーキの上のガーリックバターはマーガリンなので断り、ソースはかけずに食べます。
ワイルドステーキ450ℊ食べたときの食後血糖値の最大上昇幅は、なんとわずか7㎎/㎗。ほぼ誤差の範囲です。ステーキは単品で食べた場合、血糖値の変動はほとんどない素晴らしいメニューなのです。
気をつけたいのはハンバーグ。同じ肉料理でも、ハンバーグにはつなぎとしてパン粉などが使われていることが多く、予想以上に糖質が多く含まれているので注意が必要です。
いきなりステーキの「ワイルドハンバーグ300ℊ」を3枚、計900ℊを食べた際の食後血糖値の最大上昇幅は28㎎/㎗でした。糖質量は約28ℊと推測できます。
また、同様に、こちらも全国で展開しているファミリーレストラン「びっくりドンキー」の「ガリバーバーグステーキ400ℊ」を2枚、計800ℊを食べ、血糖値を測定しました。
すると、食後血糖値の最大上昇幅は64㎎/㎗。ガリバーバーグステーキ2枚で、私が摂取した糖質量は約64ℊと考えられます(いずれも私の血糖値からの推定値)。
同じハンバーグでも、100ℊ当たりの糖質量が約3ℊのものもあれば、約8ℊのものもあるわけです。
ランチにコンビニを利用するかたも多いでしょう。最近はコンビニ各社、焼き鳥やチキン、ゆで卵やおでんなど、糖質オフに対応できるメニューも充実していますので、私もよく利用しています。
「ローソン」の「でか焼鳥 もも塩6本」では血糖値の最大上昇幅は26㎎/㎗、「ファミリーマート」の「炭火焼きとり かわ塩 6本」では、血糖値の最大上昇幅は21㎎/㎗でした。焼き鳥は、「タレ」ではなく「塩」を選んでください。
ハーゲンダッツ、フレッシュネスバーガー、マクドナルドのお勧め糖質オフメニュー

「糖質を控えようと思ったら、おいしいスイーツやパンは一生食べられないのでは」と思うも多いでしょうが、そんなことはありません。
例えば、「ハーゲンダッツ」のアイスクリーム110㎖(糖質量19・9ℊ)ですと、血糖値の上昇幅は21・7㎎/㎗と許容範囲でした。その食事でどのくらい糖質を取っているかを常に意識することがたいせつなのです。
ファーストフード店でも「フレッシュネスバーガー」では低糖質バンズに変更できますし、マクドナルドでは「バンズ抜き」で中身だけ注文することも可能です。回転ずしや牛丼などの大手チェーンでも低糖質メニューが増えています。お店側もいろいろと工夫してくれているのです。
私がクリニックで正しい糖質の取り方を指導した人の中には、30㎏以上減量に成功されたかたもいます。ほかにも「ウエストがくびれた」「更年期障害の症状がなくなった」「54歳で生理が戻ってきた」「イライラしなくなった」といった声もあります。
無駄な糖質を取らない、上手なコンビニ・外食メニューの選び方を身に着けてください。
解説者のプロフィール
亀川寛大(かめかわ・かんだい)
宮崎医科大学医学部(現宮崎大学医学部)卒業。鹿児島市医師会病院、宮崎県延岡市介護老人保健施設、西階クリニック院長などを経て、2017年6月、熊本市のなごみクリニック院長に就任。
熊本を中心に全国で糖質制限、間欠的ファスティングの指導を行っており、常に患者さん目線から「ほんとうの健康とは何か」をわかりやすく解説している。
facebook「亀ドクの血糖値の上がらない店・メニュー」で日々情報を発信中。
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亀川寛大先生がお勧めの「いきなりステーキ」ワイルドハンバーグ