MENU
医療情報を、分かりやすく。健康寿命を、もっと長く。医療メディアのパイオニア・マキノ出版が運営
【胃腸の調子を整える】自宅で作れる「水キムチ」とは

【胃腸の調子を整える】自宅で作れる「水キムチ」とは

もともと塩と野菜でシンプルに発酵させていた漬け物でしたが、お米のとぎ汁を使うことでより発酵力を高めたのが水キムチ。乳酸菌たっぷりのこの漬け物は、自宅で簡単に作ることができるのも魅力です。手作りできる「乳酸ハクサイ」で心身の調子がよくなるのを実感してください【解説】栗生隆子(発酵生活研究家)

「もともと漬け物は植物性乳酸菌の宝庫。作り方も簡単。手作りすれば、塩分や添加物の問題もクリアできる、とってもお勧めの発酵食品です」と話す発酵生活研究家の栗生隆子さん。その栗生さんが、体の中から温まり、疲れた胃腸を癒してくれるとお勧めするのが、手作りのハクサイの漬け物「乳酸ハクサイ」を使ったお鍋です。寒い季節には重宝します。

添加物がなく安心できる昔ながらの漬け物がおいしい

キムチと言えば、赤いトウガラシが特徴のハクサイの漬け物を思い浮かべるかたが多いことと思います。
しかし、トウガラシが伝わる前から、韓国で作られていた漬け物が「水キムチ」と呼ばれるものです。

もともと塩と野菜でシンプルに発酵させていた漬け物でしたが、お米のとぎ汁を使うことでより発酵力を高めたのが水キムチ。
乳酸菌たっぷりのこの漬け物は、自宅で簡単に作ることができるのも魅力です。

また、水キムチは、冷麺のスープとして使われていることでも知られています。

日本では、漬け物と言えば、塩や糠ぬかで漬けるものが一般的でしょう。
しかし、自分で作ってみると、塩分量に注意が必要で、糠床のお世話が大変です。
また、市販のものは、添加物が入っているものが多くて気になります。

一方で水キムチは、お米のとぎ汁の乳酸菌の発酵力を使うので、使う塩は少しだけ。
作ったら冷蔵庫に入れておけばいいので、手間もかかりません。
添加物も入っていないので、安心して食べられ、そのままで長期保存も可能です。

香りづけには、お好みでショウガやリンゴ、ナシなどを使い、おいしくさっぱりといただけ、胃にやさしいのも特徴です。

乳酸菌と言えば、ヨーグルトやチーズなどが代表的ですが、古来、世界中で作られている発酵食品の中で、野菜やお米を発酵させた食文化があることに感動します。

乳酸発酵した食品で身近なものは、日本では、糠・漬け物・こうじの発酵、ドイツでは、ザワークラウト、そして、韓国の水キムチなどがあります。

乳酸発酵の食品を食べると、世界共通で心身の調子がよくなると言われています。
昔から人間は、体の細胞で乳酸菌の恩恵がわかっていたのではないかと思っています。

海外生活をしている人ほど手作りの漬け物にはまる

水キムチは、私が管理人を務める「TGG豆乳ヨーグルト同好会」でも大人気です。
とぎ汁があれば簡単に作れるので、さまざまな野菜を使った水キムチの投稿がたくさん寄せられています。

なかでも、海外で暮らしているかたから、水キムチの投稿が多いのには驚きました。

日本とは温度や湿度が違う海外では、日本で行っていた発酵生活がうまくいかないことも多いそう。
ぬか床がダメになったり、豆乳ヨーグルトがうまく作れないという声もありました。
素材が手に入りにくいという面もあるでしょう。

しかし、とてもシンプルな発酵である水キムチなら、環境が異なる海外でも失敗することなく作れます。

タイのかたはパクチーで、オーストラリアのかたはビーツで……と現地ならではの食材を使って作っていらっしゃるのも楽しそう!

水キムチに、お酢はそれほど使っていませんが、酸味があるのでピクルスのように、洋風のアレンジで食べることもできます。

私は、水キムチをパンにはさみ、サンドイッチの具材にすることも。
キュウリ、トマト、パプリカなど色とりどりの野菜を使えば、鮮やかで美しく、レパートリーも広がります。

ちなみに、酸化還元電位計(※)で水キムチを測定してみたところ、塩分が入っていてもマイナス値になりびっくりしました。
水キムチの還元力の高さも実証済みです。

※酸化のしやすさを計る装置。+表示だと酸化しやすい、-表示だと還元しやすい(酸化しにくい)ことを示す。

寒い季節は鍋にも。体が温まり、腸も喜びます

私は、水キムチの漬け汁を温め、カツオだしや味噌と合わせて飲むこともあります。
さっぱりしていて、食欲がないときや胃腸が疲れているときにお勧めです。
寒くなる季節にもぴったりですね。

また、今年、台湾に旅行した際、「酸白菜鍋」という鍋料理に出合いました。
これは酸っぱいハクサイの漬け物を鍋に入れたもので、さっぱりとしていてとてもおいしいのです。
“古漬け”を鍋に入れて有効活用できるのも魅力です。

実は私の出身地である岐阜でも、漬け物を加熱して雑炊に入れたり、古漬けを塩抜きして油いためにしたり、だし代わりに使うことがありました。
昔から古漬けの活用は身近なものだったのです。

そこで「日本でもハクサイの水キムチを使って鍋が作れそう!」とひらめき、今回、ハクサイの水キムチに編集部がつけてくださった「乳酸ハクサイ」という名前で、レシピをご紹介しています。

乳酸ハクサイは、塩分が少ないので、塩抜きする必要はなく、そのまま使えます。
また、乳酸ハクサイの漬け汁をだし汁に加えると、コクが出て、乳酸菌もたっぷり取れます。
お肉をたくさん食べても、胃もたれすることがありません。

この鍋を食べたかたからは「疲れがとれて元気になれる」「胃腸の調子がいい」「やさしい味で癒される」といった声をいただいています。

次の記事では「水キムチ」の作り方をご紹介しましょう。

解説者のプロフィール

栗生隆子(くりゅう・たかこ)
自然素材の暮らし、家庭でできる発酵生活を実践したところ、長年患った腸の病気が完治。
目に見えない菌が健康にも環境にもたいせつな役割をしていると知り、菌の世界から発酵への理解を深める。
命のリレーをして細胞が続いていくように「つないでいく発酵」がテーマ。
会員1万5000人を超えるFacebook「TGG豆乳ヨーグルト同好会」の管理人。
著書にベストセラーとなった『豆乳グルグルヨーグルトで腸美人! 』(マキノ出版)などがある。
最新刊は『からだにおいしい発酵生活』(宝島社)。

●TGG豆乳ヨーグルト同好会
https://m.facebook.com/groups/721334441212364/

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

関連記事
「洋食は高カロリーで体に悪い」と思う人もいるかもしれませんが天皇家の洋食の食材は日本で取れる旬のものばかり。その土地に住む人の体質に合ったものです。洋食も日本人に合った洋食が作れるのです。日本の旬の物をいただき、食材を無駄にしない天皇家のレシピを皆さんの健康に役立ててください。【解説】工藤極(元宮内庁大膳課厨房第二係)
更新: 2019-05-07 18:00:00
私が考案した10種類以上のフルーツ酢の中で、現在最も人気が高いのが「レモン酢」。数あるフルーツ酢ダイエットの中でも「イチオシ」といってよく、教室などでも勧めているフルーツ酢です。ぜひお試しください。【解説】村上祥子(料理研究家・管理栄養士)
更新: 2019-04-11 10:18:08
「みそ汁に酢を入れたら、酸っぱくなるのでは」と心配するかたもいるでしょう。でも、お椀1杯のみそ汁につき、小さじ半分程度の酢なら、酸味はほとんど感じません。今回、酢みそ汁に初挑戦するかたがたのために、お勧めの具材や、作り方のコツをご紹介しましょう。【解説】庄司いずみ(野菜料理家)
更新: 2019-04-05 10:22:22
独身時代はほとんど食べ物に気を遣っていなかった私でも、家族ができれば話は別。なるべく人工添加物などが使われていない、体にいい食べ物を食卓に並べるようにしてきました。自然に食べ物へ関心を持つようになったわけですが、近年私の心をとらえて離さないのが「タマネギ」です。【体験談】志穂美悦子(フラワーアクティビスト)
更新: 2019-02-19 18:00:00
タマネギに含まれるのは植物性乳酸菌で、生きて腸まで届きます。腸内環境がよくなると、免疫力のアップや自律神経のバランスが整います。血中コレステロールの低下による高脂血症の予防・改善、大腸がんのリスク低減などにもつながります。 【解説・レシピ考案】中村美穂(管理栄養士・フードコーディネーター)【料理・スタイリング】古澤靖子
更新: 2019-02-17 18:00:00
最新記事
「腰が痛い!」幅広い年齢層に蔓延する腰痛。しかし、病院に駆け込んで、骨や神経に異常が見つからない場合は「非特異的腰痛症」と診断されます。非特異的、つまり、原因不明の腰痛という意味。なんとも不思議な病名です。「腰が痛い」という異常があるから病院に来ているのに……。【解説】戸田佳孝(戸田リウマチ科クリニック院長)
更新: 2019-05-24 18:00:00
これまで、疲労が起きるのは、「エネルギーがなくなるから」「疲労物質が筋肉にたまるから」と考えられてきました。しかし、最新の研究によって、疲労が起きるほんとうの理由は、「自律神経の中枢である、脳がサビつくから」ということが、わかっています。【解説】梶本修身(東京疲労・睡眠クリニック院長)
更新: 2019-05-23 18:00:00
私は、これまで40年以上、タマネギをはじめとする、ネギ属の機能性成分を研究してきました。そこでタマネギには、確かに血液をサラサラにする働きがあるということが明らかになったのです。【解説】西村弘行(北翔大学・北翔大学短期大学部学長/東海大学名誉教授)
更新: 2019-05-22 18:00:00
見たいものにピントを合わせる「目の調節力」は25歳を過ぎる頃からどんどん低下し、30代後半から近くが見えづらくなる老眼になってきます。目の疲れや調節力の低下を改善するためにお勧めなのが、目の周囲を温める「温熱療法」です。私は、温熱療法の効果を多くの実験で確認しています。【解説】高橋洋子(みたにアイクリニック院長)
更新: 2019-05-21 18:00:00
「脊柱管狭窄症」「椎間板ヘルニア」などの改善のために行われる従来の脊椎手術は体への負担が大きく、後遺症が生じることもあります。そうした中、後遺症をほとんど残さない、新たな手術法が注目されています。【解説】白石健(東京歯科大学市川総合病院整形外科教授)【取材】山本太郎(医療ジャーナリスト)
更新: 2019-05-20 18:00:00

ランキング

総合ランキングarrow_right_alt