【胃腸の健康】ピロリ菌を撃退し善玉菌を増やす効果 “乳酸菌”が豊富な「水キムチ」

【胃腸の健康】ピロリ菌を撃退し善玉菌を増やす効果 “乳酸菌”が豊富な「水キムチ」

生野菜は、胃の粘膜を荒らすため、胃が疲れているときにサラダを食べるのはよくありません。しかし、同じ野菜でも、発酵させた水キムチなら、胃に優しく作用するので安心です。【解説】丁宗鐵(日本薬科大学学長)


塩が貴重な時代からある「水キムチ」は漬け物の原型

最近、日本であらためて注目されている水キムチですが、水キムチは漬け物の原型と言えます。
昔は、塩と言えば、貴重で高価なものでした。

そのため、塩をなるべく使わずにできる漬け物として、野菜や米のとぎ汁の乳酸菌で乳酸発酵させる、水キムチが作られるようになったのです。
一方で、塩が安価で手に入るようになると、水キムチを作る人が少なくなっていきました。

とはいえ、山間部のへき地など、塩が手に入りにくい場所では、水キムチを作り続けている地域もあり、日本でも長野県などでその伝統が残っています。
そして、再び水キムチが作られるようになったのは、冷蔵庫の普及が関係しています。

特に、夏の暑い時期は、漬け物を作る際、塩を入れないと、すぐに腐ってしまっていました。
しかし、塩を少ししか入れない水キムチでも、冷蔵庫に入れることで保存できるようになり、1年じゅう作ることができるようになったのです。

一般の漬け物と比べて、水キムチが優れているのは、塩分が少ないという点です。
血圧が高い人など塩分の制限が必要な人でも問題なく食べられます。

さらに、野菜の食物繊維、そして乳酸菌がしっかり摂れる発酵食品として、便通の改善や免疫機能の調整に役立ちます。
乳酸菌は、発酵過程でビタミンを作るので、水キムチの汁を飲むだけでもビタミンが摂取できます。

「胃腸の疲れに効いた」という声が多いですが、乳酸菌の力が関係しているのでしょう。
乳酸菌は、胃の中で悪い働きをするピロリ菌をやっつけてくれ、腸の善玉菌を増やしてくれます。

ちなみに、生野菜は、胃の粘膜を荒らすため、胃が疲れているときにサラダを食べるのはよくありません。
しかし、同じ野菜でも、発酵させた水キムチなら、胃に優しく作用するので安心です。

「水キムチ」の汁をつないで胃腸の健康に役立てて

水キムチを作る際は、なるべく低農薬、無農薬の野菜を選び、リンゴ、ショウガ、トウガラシ、シナモンなど、自分の好きな味に香りづけをします。
味に決まりがなく、自由に作ることができるのも水キムチの魅力と言えるでしょう。

水キムチを作ったときは、その汁を次の水キムチの漬け汁に活用してみてください。
このように汁をつないでいくと、水キムチの中に乳酸菌の種類が増えて、どんどんおいしくなるのです。

酵母菌も含まれているので、乳酸菌、酵母菌ともにバラエティに富んだ、深い味わいの“マイ水キムチ”が完成するでしょう。
昔は樽で作っていたので、前の水キムチの菌が樽に残り、つないでいく際に自然と乳酸菌の種類が増えていきました。

しかし、今はガラスやプラスチックの容器を使うことが多く、菌が残りません。
そのため、水キムチの汁を次回に使うことをお勧めしています。

水キムチの汁は、そうめん、ひやむぎ、冷麺などに使うと、酸味とコクがあって、おいしくなります。
寒い冬は、鍋のだし汁として使うのもいいでしょう。

実は、私は20年以上前から豆乳ヨーグルトを自分で作っていますが、その種菌には水キムチも入っています。
種菌を新しい乳酸菌でつないでいくことで、私の豆乳ヨーグルトはよりおいしく進化しています。

時間がないとき食欲がないときはスムージーがお勧め

水キムチの手軽な活用法として、胃腸が疲れているとき、忙しいときは、スムージーにして飲むのもお勧めです。
水キムチの野菜と汁を、そのままジューサーにかけるだけという手軽さで、乳酸菌が豊富なスムージーができあがります。

食事の後に飲むと、胃がスッキリしますし、食欲がないときにもぴったり。
朝、忙しいときに、手間がかからず、嚙まずに飲むだけで、乳酸菌、ビタミンなどの栄養補給ができます。

「水キムチだけでは飲みにくい」という場合は、ニンジンやリンゴなどを加えると、“ちょっと酸っぱい野菜ジュース”としていただけます。
水キムチは、塩分を気にすることなく、野菜と汁とを丸ごといただけて、料理にも活用できるのがいいところです。

この古くから食べられてきた、シンプルな漬け物の力を見直し、皆さんの健康に役立ててください。

丁宗鐵先生推奨!「乳酸ハクサイ スムージー」

→「乳酸ハクサイ」の作り方はコチラ

【材料】コップ2杯分
・乳酸ハクサイの汁…大さじ3
・ニンジン…1/2本
・リンゴ…1/2個
・水…150ml

「バナナやアサイーなど、果物との組み合わせも試しましたが、ニンジン・リンゴとの相性がいいように感じました。乳酸ハクサイの汁の漬け物くささが気になる人は、ニンジンやリンゴの割合を増やすと、飲みやすくなりますよ」(栗生)

丁宗鐵
横浜市立大学医学部を卒業後、同大学院を修了。医学博士。1979年から1981年まで米国スローン・ケタリングがん研究所に客員研究員として留学。日本東洋医学会漢方専門医・指導医。日本薬科大学学長。東京・日本橋の百済診療所院長。テレビ東京「主治医が見つかる診療所」のレギュラー医師でもある。20年来つないできた水キムチで豆乳ヨーグルトを手作りして、健康管理に役立てている。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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