MENU
医療情報を、分かりやすく。健康寿命を、もっと長く。医療メディアのパイオニア・マキノ出版が運営
「青竹踏み」の効果を大学病院で検証!頻尿改善に役立つと判明

「青竹踏み」の効果を大学病院で検証!頻尿改善に役立つと判明

私は大学病院の医師として内視鏡を用いた泌尿器分野の手術や放射線治療などの医療に携わっています。その一方で、頻尿や尿もれに悩む患者さんに対する薬物治療を行うほか最近では青竹踏みを勧めることがあります。青竹踏みと排尿障害の関係について研究をしその結果を学会でも報告しています。【解説】皆川倫範(信州大学泌尿器科学教室講師)

解説者のプロフィール

皆川倫範
2002年、信州大学医学部卒業。信州大学医学部附属病院など、長野県内の病院勤務を経て2010年からベルギー・アントワープ大学に留学。2015年から現職。専門は、排尿理学、超音波検査、腹腔鏡手術、泌尿器科ガン診断・治療、漢方医学。

青竹踏みと排尿障害の関係について研究

私は、大学病院の医師として内視鏡を用いた泌尿器分野の手術や放射線治療などの、医療に携わっています。その一方で、頻尿や尿もれに悩む患者さんに対する薬物治療を行うほか、最近では、「青竹踏み」を勧めることがあります。

青竹踏みとは、ご存じのように、半分に割った青竹を足で踏む健康法です。私は、この青竹踏みと排尿障害の関係について、研究をし、その結果を学会でも報告しています。

結論からいうと、排尿障害、特に頻尿の改善に、青竹踏みは大いに役立ちます。

頻尿と、青竹踏み。
この二つの間に、どんな関係があるかというと、以下のごとくです。

ヒントは銭湯にあった足ツボの図

数年前、留学から戻った私は、学んできたことをどう臨床に活かせるのか、あれこれ模索していました。
そんなある日、銭湯で入浴後にくつろいでいたとき、ふとあるものが目に飛び込んできました。

それは、電動のマッサージ機と、その近くにある「足ツボの図」でした。

その瞬間、これだ!と思ったのです。

足ツボの図によれば、足の裏にはさまざまなツボがあり、それぞれが臓器と対応しているということです。
尿をためる膀胱は、土踏まずのあたりに示されています。
膀胱に直接何かをするのではなく、土踏まずを刺激すれば、不調の改善に役立つということなのでしょう。

それで思い出されたのは、切迫性尿失禁に用いられる、神経変調治療です。
これは、電気や磁気、干渉低周波といった刺激を皮膚にはった電極を通して神経に伝え、膀胱と尿道の機能を調整する治療方法です。
電気そのものを膀胱や尿道に流すのではなく、神経を活性化させることが重要なのですが、実はそれがどうして臓器に作用するのか、機序はまだわからない部分もあります。

とはいえ、神経を刺激し活性化させることが、切迫性尿失禁の改善には重要なのです。
それならば、治療に使うような装置を用いずとも、物理的な刺激で神経を刺激できればいいのではないか、そう考えたわけです。
マッサージやツボ押しがそれに当たるかもしれませんが、力の加減が一定ではありませんし、人手やお金がかかります。そこで、ひらめいたのが古くからある青竹踏みでした。

青竹踏みなら、自分の体重に依存して圧力をかけることができます。
しかも、青竹を踏むと、ちょうど土踏まずに、足ツボの図に記された膀胱の部分が当たるのです。

そこで私は、青竹踏みが頻尿の改善に効果的なのか調べるため、臨床試験を行いました。
2013年7月から開始し、2015年10月に第一段階の試験が終了しています。

「青竹踏み」のやり方

1日の尿量に差はないがトイレの回数が減った

試験は、排尿障害、便秘、冷えのいずれか、あるいは複数を訴える22人の患者さんを対象に行いました。
年齢は27歳から90歳で、男女比は半々です。
なお、便秘の症状を入れたのは、頻尿と併発している人が多いのと、同じく神経変調治療の対象となるからです。
冷えに関しては、関連がありそうだと勘が働いたからです。

青竹は1日2回、1回につき2分ほど、好きなように踏んでもらいました。
これを4週間続けた結果が、下のデータです。

まず、1日の平均尿量ですが、これはほぼ変わりませんでした。
ところが、排尿回数を見ると、明らかに減っていることが分かります。

昼間の排尿回数は、青竹踏みを始める前が平均8.9回だったのに対し、7.9回に減りました。
夜間の排尿回数は、2.0回から1.8回に、1日を平均すると、10.9回から9.8回に減少しています。

1日の尿量は変わらずに、排尿回数が減ったということはつまり、膀胱に尿をためる能力が向上し、頻尿が改善したということです。

なお、試験の最初に「青竹を踏むと足が痛い」という人がいましたが、徐々に解消し最後まで続けることができました。その他の人を含め、副作用はいっさいありませんでした。

さらに、特筆すべきは試験の達成率です。
被験者には、青竹踏みを行った日と、行えなかった日をチェックしてもらい、これを平均し達成率として数値化しました。

すると、結果は98.5%という高い達成率になりました。
ほとんどの人が、休まずにできたのです。

これは、青竹踏みのやり方が簡単なこと、実施時間が短いこと、そして効果を実感できたことが大きな理由でしょう。
試験が終了した後も、青竹踏みを続けたいと言った人が多かったのも、その証拠だと思います。

指先が温まったのを専用カメラで確認

頻尿以外の結果も、目覚ましいものがありました。

便秘も、試験の前後では改善に有意差がありました。
ある男性は、10年来便秘で苦しんでいたのが、4週間の試験中に解消したと笑顔で話してくれました。

なお、下痢ぎみの人にも効果が期待できます。
矛盾するようですが、下痢がよくなった患者さんもいました。感染による下痢には効果があるとはいえませんが、便秘と下痢を交互にくり返す場合などには有効かもしれません。

冷えに関しても同様で、冷えなくなったという自覚症状だけでなく、実際に温熱センサー付きのカメラで、指先が温かくなったことを確認しました。
これに関しても検討の余地が多々ありますが、青竹踏みの可能性を示唆するものと考えています。

青竹踏みには、他にもいろいろな効果が期待されます。
例えば、快眠です。
夜間頻尿が改善したからか、よく眠れるようになったという声も多く聞かれました。
ちなみに、私の義母はこむら返りがなくなったと喜んでいましたので、こむら返りにもよいのかもしれません。

青竹踏みは切迫性尿失禁の人に効果的

青竹踏みは、切迫性尿失禁の人に効果的ですが、腹圧性尿失禁には効果が期待できません。
やはり、改善には骨盤底筋群を鍛える体操がよいでしょう。

しかしながら、両者が混ざった混合性尿失禁の人も多いので、試してみる価値はあるかもしれません。

現在、私は青竹と頻尿の研究の第二段階に入っています。
その結果はいずれまた、皆さんにお伝えできればと思っています。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

関連記事
骨盤底筋を鍛えるための体操は、現在多くの医療機関で推奨されています。しかし、やり方をプリントされた紙を渡されるだけなど、わかりずらく続けにくい場合がほとんどです。そこでお勧めしたいのが、おしぼり状に巻いたタオルを使った「骨盤タオル体操」です。【解説】成島雅博(名鉄病院泌尿器科部長)
足の甲に包帯を巻いて2~3日後には、足がむくまなくなりました。以前のように、足がむくんで靴が痛いということもありません。むくみが解消したおかげか、明け方に尿意を感じて目が覚めることがなくなりました。そのため、従来どおり、熟睡するリズムが戻ったのです。【体験談】上田雅代(仮名・看護師・57歳)
効果はすぐに実感しました。食べ始めて2~3日で、夜のトイレの回数が2回に、1~2週間で1回に減ったのです。この変化には、自分でも驚きました。私は、毎朝職場で重機をチェックし、点検表をつけています。今は、老眼鏡を使うのは薄暗い曇りの日だけで、晴れた日は老眼鏡を使っていません。【体験談】佐藤徳雄(重機オペレーター・71歳)
足の甲にある「抜け道血管」も、足の冷えやむくみ、夜間頻尿の原因となります。正式には「動静脈瘻」といい、解剖学の教科書にも記載されている血管です。本来なら指先の毛細血管まで流れていくはずの動脈血が、抜け道血管を通って静脈に流れ込むと、足先は血流不足になって冷えてしまいます。【解説】佐藤達朗(サトウ血管外科クリニック院長)
夜間頻尿が1回減ると、睡眠時間は2時間延びるといわれています。塩分過多の人は、減塩するだけで、睡眠の質が大幅に改善するわけです。夜間頻尿の患者さんに、自分でできる対処法として、減塩といっしょにお勧めしているのが、昼間に行う「かかと落とし」です。【解説】松尾朋博(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科泌尿器科学助教)
最新記事
まずチェック項目で自分の足の指がどんな状態かチェックしてみましょう。はだしになって、自分の足の指をよーく見てください。足の指をチェックして気になる項目があっても、あきらめることはありません。「きくち体操」でこれから足の指を育てていけばよいのです。【解説】菊池和子(「きくち体操」創始者】
私は、60歳の今も左右の視力は1・0を保っています。これまでメガネの世話になったこともありません。老眼知らずの状態をキープしている秘密は、私が毎日行っているトレーニング「目のスクワット」にあるのです。毛様体筋をほぐす効果があります。【解説】本部千博(ほんべ眼科院長)
体重100kgの人なら3kg、80kgの人なら2.5kg程度の減量で、条件付きですが糖尿病の改善は可能です。体重が3%減少すると、ヘモグロビンA1cが3%程度下がることがわかったからです。例えば、ヘモグロビンA1cが9%の人なら、だいたい6%程度まで下がります。【解説】吉田俊秀(島原病院 肥満・糖尿病センター長)
これまで、入院患者さん向けの、いわゆる「リハビリ体操」はありましたが、外来の患者さんが希望するような体操はありませんでした。そこで私たちは、血圧を上げる要因である、末梢の「血管抵抗」を減らす筋トレを考案することにしました。【解説】金子操(自治医科大学附属病院リハビリテーションセンター室長・理学療法士)
1日の疲れを取るには、就寝時間や睡眠時間ではなく、「眠りに就いて4時間以内に、深睡眠を取ること」がたいせつなのです。しかし現代人の多くは、深夜にテレビやスマホを見たり、ストレスで体の緊張が取れなかったりして、本来の睡眠リズムが狂い、深睡眠を取りづらくなっています。【解説】白濱龍太郎(睡眠専門医)