【高血圧】「味噌汁」は控えなくてよい!“みそ”には減塩効果があると臨床試験で証明

【高血圧】「味噌汁」は控えなくてよい!“みそ”には減塩効果があると臨床試験で証明

「あなたは血圧が高いので、塩分の多いみそ汁を控えてください」。そう、医師に注意されたことはありませんか?しかし「みそ汁を飲むと血圧が上がる」という常識は大間違いだったのです。臨床試験の結果から、1日2杯程度のみそ汁を飲んでも、血圧には影響しないと明確に証明されました。【解説】上原誉志夫(共立女子大学教授・医学博士)


みそ汁は食塩水ではない

「あなたは血圧が高いので、塩分の多いみそ汁を控えてください」。
そう、医師に注意されたことはありませんか?

私は40年以上もの間、食塩と高血圧の研究をしていますが、確かに以前は高血圧の人に、みそ汁を飲む回数を減らすように指導してきました。

しかし「みそ汁を飲むと血圧が上がる」という常識は大間違いだったのです。
みそ汁を飲んでも血圧を上げる心配はなく、それどころか減塩効果もあることが、私たちの臨床試験でついに証明されました。

1日2杯のみそ汁なら、血圧に影響はなく、安心して飲んでも大丈夫です。
むしろ高血圧の人こそ、毎日2杯のみそ汁を飲んでくださいとお勧めします。

みそは、しょうゆと並んで、日本人の食事が塩分過多になる要因の一つとされてきました。
実際、みその総重量の10〜15%程度が食塩で、おわん1杯のみそ汁には、約1.5gの食塩が含まれています。

食塩の量だけを考えると、高血圧には悪影響だと敬遠したくなるでしょう。
しかし、みそ汁はただの食塩水ではありません。

みそは大豆の発酵食品なので、体によい成分が含まれています。
その中に「腎臓で食塩を出しやすくする成分」と「血圧を下げる物質」があることが、私たちの研究の結果、わかってきました。

つまり、みそ汁を飲んでも、その塩分は体外に排泄されやすいので血圧が上がることはなく、逆にみその成分が血圧を下げてくれるのです。
その成分の正体はまだ研究途中ですが、おそらく大豆たんぱく由来の成分だと考えられます。

みそ汁を飲んで血圧が下がる人もいた

「みそ汁は高血圧によくない」という、これまでの常識に疑問を持った私たちは、食塩摂取で血圧が上昇する特徴のあるラットで実験を行ってきました。
塩分濃度1.3%のみそ汁を約2ヵ月間飲ませたラットと、同じ塩分濃度の食塩水を飲ませたラットを比較する実験です。

どちらのグループのラットも日に日に血圧が上がっていきました。
しかし、みそ汁を飲ませたラットは、常に食塩水のラットの血圧を下回っていました。

実験終了時のラットの血圧は、みそ汁で合計48gの食塩を摂取したラットと、食塩水で32gの食塩を摂取したラットの血圧がほぼ同じだったのです(下のグラフ参照)。
つまり、みそには約30%の「減塩効果」があるといえます。

これは、10gの食塩を摂取しても、7gくらいしか摂取していないのと、血圧への影響は同じということです。
最近行ったヒトに対する試験でも、みその減塩効果を裏付けるような結果が得られました。

この研究では、正常血圧から、最大血圧が140 〜160㎜Hg(正常値は140㎜Hg未満)までの37名に、1日2杯のみそ汁を3ヵ月間飲んでもらいました。
いずれの人も、高血圧の治療はしていません。

単純に食塩の摂取量で考えると、実験後には4㎜Hg血圧が上がる計算です。
しかし実際は、血圧が上がることなく、経過によっては下がるときもありました。

こうした臨床試験の結果から、1日2杯程度のみそ汁を飲んでも、血圧には影響しないと明確に証明されました。

どんなタイプのみそでもよい

最近は「減塩みそ」も数多くありますが、腎臓病などで塩分制限が必要な人以外は、普通のみそを使いましょう。
人間の体には、ある程度の塩分が必要ですから、血圧が気になるからといって、やみくもに過度の減塩をせずによいと思います。

みそには、白や赤など色の違い、米・麦・豆など麹の原料によって、さまざまな種類がありますが、どんなみそにも「腎臓で食塩を出しやすくする成分」と、「血圧を下げる物質」は含まれています。

具材としては、野菜や豆腐、海藻、貝類など、具をたっぷり入れるのがよいでしょう。
食物繊維やカリウム、カルシウムなどの栄養素により、血圧を下げる相乗効果が期待できます。

日本食は塩分が多いといわれていますが、それでも昔の日本人が健康に過ごしてきたのは、毎日必ずみそ汁を飲んできたからだと思います。
みそに含まれている、腎臓で食塩を出しやすくする成分が、食事に含まれている塩分を体に留めることなく排泄してくれるため、塩分過多にならないのでしょう。

実は私自身も血圧は高めですが、毎日2杯のみそ汁を飲み続けています。
もちろん、血圧が上がることはなく、健康に過ごしています。

みそ汁を我慢してきた人は、今日から安心して飲んでいただきたいと思います。

上原 誉志夫
1976年、東京大学医学部卒業。東大病院腎臓内分泌内科保健センター副所長等を経て2009年より現職。専門は臨床栄養学、腎臓内科学、高血圧学。日本循環器学会・認定専門医、日本高血圧学会評議員・認定専門医など。著書に『高血圧ならみそ汁を飲みなさい!』(実業之日本社)などがある。

→【高血圧の心得】原則「喉が渇いたら水を飲む。汗をかいたら塩も取る」

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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