【心筋梗塞 狭心症とは】症状はどこが痛くなる? 痛みは何分続く? 予防法は? (子供でも分かる大人の病気)

　心臓病は、日本人の死因の第２位です。心臓を取り巻く冠状動脈の血流が悪くなって起こる心臓病を虚血性心疾患といい、狭心症と心筋梗塞があります。
　心臓の定期検査が大切です。胸痛や動悸があれば、すぐに専門医を受診してください。血圧、血糖値、コレステロール値に注視して動脈硬化を防ぐ生活習慣を心掛けてください。喫煙や過度のストレスも症状を悪化させるので気を付けましょう。

　虚血性心疾患の、締め付けられるような重苦しい痛みは、胸の中央部、左胸部に現れ、左肩、みずおち、首、下あご、左腕の内側などへ広がります。狭心症の胸痛は、およそ５分以内で治まることが多く、心筋梗塞は、より強い胸痛が30分以上、１～２時間ほど続きます。

　冠状動脈の血流が悪くなると、心筋（心臓を動かす筋肉）に十分な酸素が送られず、酸素不足になって発作（胸痛）が起こります。それが狭心症で、「労作性狭心症」と「安静時狭心症」の２つのタイプに分かれます。発作の回数が増える、労作性狭心症が安静時にも起こるなど、症状が悪化すると、心筋梗塞に移行しやすいので注意が必要です。

　階段や坂道を上るなどの日常の労作時（動作中）に起こります。労作時は心筋の酸素消費量が増えますが、動脈硬化によるアテローム（粥状の塊）のため、冠状動脈の血液供給量は増えないので、発症します。

　冠状動脈の動脈硬化がなくても、就寝中や朝方などの安静時に冠状動脈がけいれんして強い収縮が起こり、血液が十分に送られずに発症します。

　冠状動脈の動脈硬化が進んで細くなった血管に、血栓（血液の塊）が詰まって、心筋が壊死して起こります。突然の強い胸痛のほかに、冷や汗が出る、吐き気が起こるなどのショック状態に陥ることもあります。壊死した心筋の機能は回復せず、死に至ることもあります。ただし、糖尿病患者や高齢者の場合、胸痛を感じないケースもあるので注意が必要です。

川嶋朗
北海道大学医学部卒業。東京女子医科大学附属青山女性・自然医療研究所自然医療部門准教授（附属青山自然医療研究所クリニック所長）を経て、2014年より現職。一般財団法人東洋医学研究所附属クリニック医師、医学博士。『冷えとりの教科書』（マイナビ）、『健康法で死なないための42のカルテ』（水王舎）など著書多数。