【肝臓病とは】A型肝炎・B型肝炎・C型肝炎の違い 急性と慢性の違い (子供でも分かる大人の病気)
肝臓は多数の肝小葉という単位が集まった臓器で、「人体の化学工場」といわれ、胆汁を生成して消化を助けるほか、栄養分の分解や貯蔵、解毒、排泄など、重要な働きをしています。【解説】川嶋朗(東洋医学研究所附属クリニック自然医療部門医師・東京有明医療大学教授)
肝臓は、どんな働きをするの?
肝臓は多数の肝小葉という単位が集まった臓器で、「人体の化学工場」といわれ、胆汁を生成して消化を助けるほか、栄養分の分解や貯蔵、解毒、排泄など、重要な働きをしています。「沈黙の臓器」といわれるように、肝臓に障害が起こっても、かなり進行するまでは、自覚症状はほとんど表れません。
肝炎って、どんな病気なの?
肝臓病には肝炎、脂肪肝、肝硬変などがあり、なかでも多く見られるのは肝炎です。肝炎とは、肝臓に炎症が起こった状態で、急性肝炎と慢性肝炎があります。
急性肝炎には、ウイルスによって発症するウイルス性肝炎があります。A~E型、G型などがあり、日本人に多いのはA型、B型、C型です。
急性肝炎
【A型肝炎】
【A型肝炎】食べ物や水などで経口感染します。倦怠感、吐き気、発熱などカゼと似た症状が特徴で、一過性で慢性化することはありません。
【B型肝炎】
【B型肝炎】血液や体液を介して感染します。以前は、予防接種での注射針の使い回しなどで感染する例がよくありました。症状は倦怠感、吐き気、黄疸などですが、症状が出ないこともあります。状態が急変しやすく、短期間で劇症化し、肝ガンに移行することもあります。
【C型肝炎】
【C型肝炎】感染のしかた、症状とも、B型とほぼ同じです。B型よりも発症頻度が低く、肝硬変に移行しやすい傾向があります。
慢性肝炎
ウイルス性肝炎は、ウイルスを完全に排除すれば炎症は治まります。しかし、ウイルスが肝臓に残ると、炎症が長期間続いて慢性肝炎になります。慢性肝炎は、放っておくと肝硬変や肝ガンへ移行します。肝炎と診断されたら、医師の指示に従って治療を続けてください。
アルコールの過度の長期摂取でアルコール性肝炎になったり、長期間の食べ過ぎや飲み過ぎ、運動不足などで脂肪肝になったりします。その場合、予防・改善には食事を中心とした生活習慣の改善が大切です。
解説者のプロフィール
川嶋朗(かわしま・あきら)
東洋医学研究所附属クリニック自然医療部門医師・東京有明医療大学教授。
北海道大学医学部卒業。東京女子医科大学附属青山女性・自然医療研究所自然医療部門准教授(附属青山自然医療研究所クリニック所長)を経て、2014年より現職。一般財団法人東洋医学研究所附属クリニック医師、医学博士。『冷えとりの教科書』(マイナビ)、『健康法で死なないための42のカルテ』(水王舎)など著書多数。
この記事のエディター
関連記事
熱中症は7月8月の日中に最も多く見られます。熱中症は、乳幼児から高齢者まであらゆる年代で起こる病気です。なかでも高齢者は重症化する場合が多いのです。また服薬や持病のある方も熱中症にかかりやすいリスクがあるといえるでしょう。【解説】大澤直人(高知大学医学附属病院老年病・循環器内科)
熱中症は私たちの日常生活の中での注意や工夫で予防することができます。たとえば、服装です。また、水分補給についても、実は「水分」だけを補給するのではいけません。そのほかに、エアコン等の空調の使い方のコツなどをご紹介します。【解説】大澤直人(高知大学医学附属病院老年病・循環器内科)
これまで、疲労が起きるのは、「エネルギーがなくなるから」「疲労物質が筋肉にたまるから」と考えられてきました。しかし、最新の研究によって、疲労が起きるほんとうの理由は、「自律神経の中枢である、脳がサビつくから」ということが、わかっています。【解説】梶本修身(東京疲労・睡眠クリニック院長)
症状の原因ははっきりとはわかりませんが人工透析を行う人には老若男女問わずよく現れるものです。これに薬で対応しようとすると体にもっと大きな負担がかかってしまいますし、副作用も心配です。少しでも患者さんの体に負担をかけずに症状をやわらげるのに「手のひら押し」が有効だと思っています。【解説】佐藤孝彦(浦安駅前クリニック院長)
東洋医学には五行思想というものがあり、人の体に起きるあらゆることは五臓につながっていると考えられています。涙がすぐに出るのは、「憂い、悲しむ」感情からです。 これは、五臓の中の「肺」の弱りから発する感情です。肺が弱い体質、もしくは肺が弱っているのかもしれません。【解説】田中勝(田中鍼灸指圧治療院院長)
最新記事
熱中症は7月8月の日中に最も多く見られます。熱中症は、乳幼児から高齢者まであらゆる年代で起こる病気です。なかでも高齢者は重症化する場合が多いのです。また服薬や持病のある方も熱中症にかかりやすいリスクがあるといえるでしょう。【解説】大澤直人(高知大学医学附属病院老年病・循環器内科)
熱中症は私たちの日常生活の中での注意や工夫で予防することができます。たとえば、服装です。また、水分補給についても、実は「水分」だけを補給するのではいけません。そのほかに、エアコン等の空調の使い方のコツなどをご紹介します。【解説】大澤直人(高知大学医学附属病院老年病・循環器内科)
手洗いの時間の目安は、おおよそ30秒。次のような手順で洗っていくと、少なくともそれくらいの時間が必要であることが実感できるでしょう。
新型コロナウイルスには、まだ特効薬やワクチンはなく、感染しないための予防法を徹底することが重要です。自分一人ひとりができる感染症対策のポイントをチェックしてみましょう。
コンブを水に漬けて冷蔵庫で10日ほど発酵させ、乳酸菌と酵母を培養する「コンブ酵母」が話題になっています。コンブ特有のにおいが軽減し、旨みが濃くなるので、そのまま飲んでも、料理に使ってもよし!食生活に取り入れる人が急増中です。コンブ酵母の作り方と、コンブ酵母の活用レシピをご紹介します!【レシピ】COBOウエダ家