MENU
医療情報を、分かりやすく。健康寿命を、もっと長く。医療メディアのパイオニア・マキノ出版が運営
空腹時に痛む【逆流性食道炎】糖質制限食で改善し18kg減 薬もやめられた!

空腹時に痛む【逆流性食道炎】糖質制限食で改善し18kg減 薬もやめられた!

医師からは薬を処方され、「この病気とは一生つきあわなくてはいけない」と言われました。そして、「食事は腹6分目まで」「脂っこいもの、甘いものは控える」「食後すぐ横にならない」などの指導を受けました。薬を飲むと痛みはいくぶん和らいだものの、決してらくにはなりません。【体験談】山田花畑(仮名・システムエンジニア・40歳)

内臓が擦りむけたかのようにヒリヒリ痛む

 いてもたってもいられないほどの胃痛が起こったのは、2008年春のことです。
 特に空腹時はひどく胃が痛くて、みずおちの奥が、まるで内臓が擦りむけているかのようにヒリヒリとしていました。

 何か食べると胃がもたれて、横にならずにいられないくらい体がだるくなります。ゆっくりとしか動けず、友だちと歩いていても、気づくと遅れをとるようになっていました。

 病院で胃カメラ検査を受けると、「逆流性食道炎」と診断されました。胃の入り口から食道にかけてがただれたように赤くなり、食道は血管が浮き出て、今にも血が吹き出しそうな状態だったそうです。 
 医師からは薬を処方され、「この病気とは一生つきあわなくてはいけない」と言われました。そして、「食事は腹6分目まで」「脂っこいもの、甘いものは控える」「食後すぐ横にならない」などの指導を受けました。

 薬を飲むと痛みはいくぶん和らいだものの、決してらくにはなりません。なかでも、腹6分目というのは、非常にひもじい思いがしたものです。かといって、気持ちが満足するまで食べるとすぐに体がだるくなり、食べたことを激しく後悔します。
 しだいに食べることが怖くなり、食事による満足感が得られないことがストレスになっていきました。そんな状態が、何年も続いたのです。

食後に体がだるくならず安心して食べられる

 転機が訪れたのは、2014年8月です。たまたま見つけた江部康二先生のブログを読み、先生が提唱する糖質制限食をやってみることにしたのです。

 というのも、私は逆流性食道炎に苦しむ一方で、ふと気がつくと体重が大幅に増えていました。ちょっと胃の調子がよいとうれしくて食べてしまったり、仕事柄、不規則な時間に食事をとったりしているうちに、43kgだった体重は63kg(身長は154cm)に!洋服のサイズはSからLLになっていました。そんなとき糖質制限食を知り、減量目的でやってみようと思ったのです。

 まず、日曜日に朝昼晩の3食、糖質を抜いてみました。すると、その日は3食とも、食後に体がだるくならなかったのです。
 驚いて江部先生のブログで逆流性食道炎を検索すると、私と似た症状の人が「改善した」というコメントがたくさん出てきました。「これなら安心して食べられるようになるかもしれない」と感じた私は、糖質制限食を続けることにしました。

 私の食事は、動物性たんぱく質が中心です。そのほうが、肌や体の調子がよいことが実感できたからです。手軽なこともあって、スーパーで買ったヒレカツとカットキャベツは特によく食べました。
 今は昼食に動物性たんぱく質を中心としたお弁当を持参し、夜は卵や肉入りの煮物などを食べることが多いです。
 ご飯やパン、うどん、イモ類や糖質の多い豆類はやめました。その代わり、人工甘味料を使ったプリンや杏仁豆腐、アイスクリームを手作りして、デザートを楽しむことはあります。

わずか4ヵ月で10kg減!薬も不要になった

 糖質制限食を実践しているうちに、そんなにたくさん食べなくても満足できるようにもなりました。
 そこで、糖質制限食を始めて2ヵ月後に、胃痛を抑えるために飲んでいた漢方薬をやめてみました。それでも症状が悪化することはありません。

 2015年に入ってからは、胃酸を抑える薬もやめました。以来、薬はいっさい飲んでいません。疲れると胃が痛むことはありますが、睡眠をしっかりとれば、大事に至りません。
 薬をやめた頃に受けた血液検査では、数年前から「要再検査」だったコレステロール値が正常値になり、高かった中性脂肪の数値も下がっていました。

 体重は毎日コンスタントに400gずつ減り、4ヵ月後には53kgになっていました。現在45kg、洋服も元のSサイズが着られるようになり、もう見ることはないとあきらめていたウエストのくびれも復活しています。

 肌の調子もよく、ほうれい線も消えてなくなり、とてもうれしく思っています。
 また、以前は疲れがひどくて、半日は横にならないと動けなかったのですが、今は、休日も朝寝はせずに、早朝から一週間分のお弁当の作りおきを作ることすら楽しめるほどです。

 これだけ体がらくになると、糖質を食べたいとは思いません。たまに職場で配られるお菓子を食べると、体がどんよりします。1日2〜3回の食事のチャンス、せっかく食べるのなら、体が元気になるものを食べ続けていきたいと思います。

胸やけの原因は脂肪ではなく糖質(高雄病院理事長・江部康二)

 油っこい肉を食べると胸やけがすると思いがちですが、実は肉と一緒に食べているご飯やポテトこそが、胸やけの原因なのです。山田さんが糖質制限をしてヒレカツを食べていたにもかかわらず、逆流性食道炎の症状が改善したのは、まさに原因が糖質にあったからです。

 健康的に18kg減量できたのも、動物性たんぱく質をしっかりとったからです。糖質制限のすばらしい成功例といえます。

江部康二
一般財団法人高雄病院理事長。1950年生まれ。1974年京都大学医学部卒業。京都大学胸部疾患研究所などを経て、1978年より医局長として高雄病院に勤務。2000年より現職。2001年から糖質制限食に取り組む。翌年、自身の糖尿病に気づき、自ら糖質制限食を実践し、肥満と糖尿病を克服する。現在も豊富な症例をもとに糖質制限食の研究を続けており、肥満や糖尿病以外の幅広い疾患・生活習慣病についても高い予防・改善効果を証明している。著書多数。近著『江部康二の糖質制限革命』(東洋経済新聞社)が好評発売中。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

関連記事
頭痛、肩こり、腰痛、生理痛、耳鳴り、めまい、うつ、眼瞼けいれん、味覚障害、高血圧、逆流性食道炎──。一見、脈絡なく感じられるこれらの症状は、実は「食いしばり」が元凶となって起こっているという共通点があります。患者さんたちに、私は「10秒、口を開けるくせをつけてください」とアドバイスをしています。【解説】吉野敏明(誠敬会クリニック銀座院長)
更新: 2019-05-19 18:00:00
高齢者が肺炎で亡くなるというのは、皆さんにとっても、非常に身近で切実な出来事といえるでしょう。だからこそ、私たちは肺炎を防ぐ配慮を怠ってはならないのです。肺炎のうちで高齢者に多く見られるのが誤嚥性肺炎です。頻繁に誤嚥が起こっているのは、夜間の睡眠中です。【解説】奥田克爾(東京歯科大学名誉教授・千葉県立保健医療大学講師)
更新: 2018-10-01 23:47:04
COPDを予防したい人、または、すでに発症している人は、どうしたらいいでしょうか。まずは、なによりも禁煙することです。禁煙は何歳から始めても遅すぎることはありません。それでも、できれば、45歳までに禁煙することをお勧めします。【解説】奥中哲弥(山王病院副院長・呼吸器センター長)
更新: 2018-09-14 08:00:00
子どものころ、立てひざでご飯を食べて叱られた。そんな思い出はありませんか。「立てひざで食事」は、一般常識ではマナー違反とされています。しかし実は、誤嚥の予防にとてもいい姿勢なのです。お勧めなのが、食事の前に胃の位置を上げておくこと。それを簡単に行える体操が「右足首の内回し」です。【解説】浜田貫太郎(浜田整体院長)
更新: 2018-08-22 10:31:30
食事をすると、よくむせてしまう。固形の物を嚙んで飲み込みにくくなった。食後に痰が出やすくなった……。そんな症状があったら、「嚥下障害」かもしれません。嚥下障害は脳卒中の後遺症として起こることが多いほか、老化に伴って起こってくることもあります。【解説】藤島一郎(浜松市リハビリテーション病院院長)
更新: 2018-09-10 23:37:00
最新記事
見たいものにピントを合わせる「目の調節力」は25歳を過ぎる頃からどんどん低下し、30代後半から近くが見えづらくなる老眼になってきます。目の疲れや調節力の低下を改善するためにお勧めなのが、目の周囲を温める「温熱療法」です。私は、温熱療法の効果を多くの実験で確認しています。【解説】高橋洋子(みたにアイクリニック院長)
更新: 2019-05-21 18:00:00
これまで、入院患者さん向けの、いわゆる「リハビリ体操」はありましたが、外来の患者さんが希望するような体操はありませんでした。そこで私たちは、血圧を上げる要因である、末梢の「血管抵抗」を減らす筋トレを考案することにしました。【解説】金子操(自治医科大学附属病院リハビリテーションセンター室長・理学療法士)
更新: 2019-05-21 17:53:18
「脊柱管狭窄症」「椎間板ヘルニア」などの改善のために行われる従来の脊椎手術は体への負担が大きく、後遺症が生じることもあります。そうした中、後遺症をほとんど残さない、新たな手術法が注目されています。【解説】白石健(東京歯科大学市川総合病院整形外科教授)【取材】山本太郎(医療ジャーナリスト)
更新: 2019-05-20 18:00:00
頭痛、肩こり、腰痛、生理痛、耳鳴り、めまい、うつ、眼瞼けいれん、味覚障害、高血圧、逆流性食道炎──。一見、脈絡なく感じられるこれらの症状は、実は「食いしばり」が元凶となって起こっているという共通点があります。患者さんたちに、私は「10秒、口を開けるくせをつけてください」とアドバイスをしています。【解説】吉野敏明(誠敬会クリニック銀座院長)
更新: 2019-05-19 18:00:00
慢性的なひざ痛の原因はさまざまですが、なかなか完治しにくい上、少し無理をすると痛みがぶり返すので、かなり厄介です。今回ご紹介する「ひざと足の裏の温冷・温温湿布」は、慢性的なひざ痛に対して、自宅で簡単に痛みを解消することができる方法です。【解説】岡田明三(神宮前鍼療所院長)
更新: 2019-05-18 18:00:00

ランキング

総合ランキングarrow_right_alt