【逆流性食道炎】原因は“迷走神経”? 改善には「後頭部のへり」をもむと良い

【逆流性食道炎】原因は“迷走神経”? 改善には「後頭部のへり」をもむと良い

私は、柔道整復師の技術と整体、カイロプラクティック(主に骨格を調整してバランスを整える手技療法)を融合させた独自の治療を行っています。それにより、西洋医学だけでは治りにくい病気や症状を治療していますが、中でも力を入れているのが「逆流性食道炎」です。【解説】古澤孝一郎(古澤接骨院院長)


→「後頭部のへりのもみほぐし」のやり方はコチラ

逆流性食道炎の原因は主に二つある

 私は、柔道整復師の技術と整体、カイロプラクティック(主に骨格を調整してバランスを整える手技療法)を融合させた独自の治療を行っています。それにより、西洋医学だけでは治りにくい病気や症状を治療していますが、中でも力を入れているのが「逆流性食道炎」です。
 当院では、これまでに3千人以上の逆流性食道炎の患者さんを救ってきました。プロスポーツ選手や芸能人なども多く治療しています。症状の程度にもよりますが、大部分の人は3回程度の治療で劇的に改善します。

 その治療の中心は、手技によって、後頭部や首、肩の筋肉をほぐすことです。
 後頭部から首に向かって指で探っていくと、骨と筋肉の境目にへりがあるのがお分かりでしょう。この「後頭部のへり」を特にもみほぐすことが重要です。

 この方法は、家庭療法にもアレンジしてあり、患者さん自身が自宅でも行えます。専門治療の効果には及びませんが、毎日続けることで、それに近い効果が得られるのです。その具体的なやり方は別記事で述べるとして、まずは「後頭部のへりをもみほぐすことで、なぜ逆流性食道炎が改善・解消できるのか」についてお話ししましょう。

 逆流性食道炎の原因とされるものは大きく二つあり、第1が「胃酸過多」です。食べすぎたり、油料理をとりすぎたりすると、消化液である胃液の分泌が多くなります。すると、食道に逆流しやすくなるため、逆流性食道炎が起こるのです。

 第2の原因が、「下部食道括約筋の機能低下」です。食道と胃の境目(胃の入り口)には、キュッと締まることで胃から食道への内容物の逆流を防ぐ括約筋があります。これが「下部食道括約筋」(以下「括約筋」)です。加齢やストレスなどによって、この括約筋がゆるむと、胃液が食道に逆流しやすくなり、逆流性食道炎が起こることになります。

 大部分の人は、この二つの要因が重なって、逆流性食道炎が起こっています。ところが、西洋医学では、括約筋の締まりをよくしようとしないで、ただ胃酸を減らす薬を使います。それでは、本当の意味で逆流性食道炎を治すことはできず、かえって胃酸の不足から消化不良などの弊害をもたらすことにもなるのです。

迷走神経の機能低下が最大の原因

 では、どうすれば、括約筋の締まりをよくして、逆流性食道炎をきちんと治療できるのでしょうか。私は、逆流性食道炎の最大の原因は、「迷走神経の機能低下」だと考えています。迷走神経とは、内臓の大部分の働きを支配している神経です。

 食道や胃も迷走神経の支配を受けているため、その機能が低下すると、括約筋の締まりが悪くなり、逆流性食道炎が起こりやすくなります。また、前述の胃酸過多も、迷走神経の機能低下によって起こります。
 以上のことからもわかるように、逆流性食道炎の改善には、迷走神経を活発にさせることが重要です。

 迷走神経は、脳の延髄(脳の最下部で脊髄の上部に続く部分)から出て、首から下に降りていきます。しかし、後頭骨と筋肉の境目のへり付近の筋肉がこわばっていると、迷走神経が圧迫され、これが機能低下をもたらします。

 実際、逆流性食道炎を訴える患者さんのほとんどは、このヘリ付近の筋肉がこわばっています。そこを丹念にほぐすと、迷走神経が活発になり、逆流性食道炎の症状が改善されます。

 また、首や肩の筋肉のこわばりも迷走神経の圧迫につながるので、それらもほぐすことで、さらに効果が高まります。私が実践するこの治療を家庭療法に応用したのが、「後頭部のへりのもみほぐし」です。
 後頭骨と筋肉の境目のへりの部分を左右に分け、各3ヵ所ほどを、親指の腹でもみほぐすと、逆流性食道炎の改善に大きな効果があります。
 できれば、事前に、首や肩の筋肉をほぐしておくとより効果的です。

 行うのは、1日1回でけっこうです。続けていると、早ければ3週間程度で改善効果が現れてきます。症状の程度や条件によってはもっと時間がかかりますが、続けていれば効果が出てきますので、習慣づけてやってみてください。
 なお、ストレスや睡眠不足、暴飲暴食なども、できるだけ減らしながら行えば、さらに高い効果が得られるでしょう。

古澤孝一郎
1979年日本柔道整復専門学校卒業、1985年CTLカイロプラクティック研究会リサーチ課程修了、1988年CK学会上級コース修了、1989年医療法人社団「日心会」東西クリニック東洋科室長就任。1992年顎関節症研究会、1993年身心診癒研究会を創設。2001年古澤接骨院を開業し現在に至る。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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