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【逆流性食道炎】食事改善で克服したバーテンダーに聞いた7つのルール

【逆流性食道炎】食事改善で克服したバーテンダーに聞いた7つのルール

今から約7年前、43歳を目前にしたある朝、それは起こりました。朝、起きたら、今までに経験したことがない気持ち悪さに襲われ、胃の中のものをすべて戻してしまったのです。寝る前に食べたパスタが、ほぼそのままの形で出てきました。【解説】藤村公洋(バーテンダー)

薬に頼らず七つのルールで改善を決意

 今から約7年前、43歳を目前にしたある朝、それは起こりました。朝、起きたら、今までに経験したことがない気持ち悪さに襲われ、胃の中のものをすべて戻してしまったのです。寝る前に食べたパスタが、ほぼそのままの形で出てきました。

 胃をギューッと握りつぶされているような痛みと不快感が続き、食事どころか水さえ飲めません。飲んでも、すぐに戻してしまうのです。内科に行くと、「逆流性食道炎および腸炎」と診断されました。この診断に、私は唖然としました。自分がそういう病気になるとは、まったく思っていなかったからです。

 私は、20代の初めにバー業界に飛び込んで以来、ずっと飲食業にかかわってきました。日付が変わる前後まで仕事をし、帰ってお酒を飲み、食事をして3時頃に寝るという生活でした。
 お酒は、ビールを1ℓほど飲み、焼酎、ワインなど、そのときの気分でなんでも飲んでいました。食事は肉料理や揚げ物が多く、締めにめん類なども食べて、すぐ寝ていました。そんな生活を20年以上続けてきたのです。

 それでも太らないし、体調も悪くならないので、「自分は不摂生をしても大丈夫な人間なのだ」と勝手に思い込んでいました。そこに、突然、前述の診断が下ったわけです。病院では3ヵ月分の薬を出され、それはコンビニ袋いっぱいほどもありました。
 薬の入った袋をぶら下げて帰りながら、無性に腹が立ってきました。病気になどならないと思い込んでいた自分自身に対してです。「そりゃそうだよ。当たり前だよ」と、体を痛めつけてきた自分が許せない気持ちになり、「自分に何かしらのペナルティー(罰)を与えなければいけない」と考えました。

 薬を飲めば、病気は治るでしょう。しかし、それではペナルティーになりません。それに、薬で治っても、同じ生活を続けていたら、再発するのは目に見えています。「だったら薬に頼らず、生活を変えて治そう」と考えたのです。
 翌日になると、なんとかおかゆだけは食べられるようになったので、それから1週間ほど、おかゆだけで過ごしました。その間、「逆流性食道炎」や「腸炎」をインターネットで検索し、どんな食事や生活がいいのかを調べました。

 ちょうど1週間後、胃の内視鏡検査の結果が出て、逆流性食道炎と腸炎に加え、胃と食道の間に潰瘍(皮膚や粘膜の表面が傷つきただれた状態)もあることがわかりました。それで、検索項目に「潰瘍」も加えて調べ続けました。
 その結果、自分なりに決めたルールが以下の7項目です。
①肉は食べない。
②油を控える。揚げ物はNG。
③乳製品はとらない。
④刺激物はとらない。
⑤生野菜や冷たい物は避ける。
⑥アルコールは極力控える。
⑦食べたら3時間は寝ない。

 このルールに従うと、食べられるものは本当に限られます。その中で、「いかにおいしく、いかに手間をかけずに楽しく作って続けるか」を考え始めました。すると、しだいにそれが面白くなってきたのです。
「サニーレタスを蒸してポン酢で食べるとおいしい」とか、「アボカドのいちばんおいしい食べ方はゴマ和え」などの発見もありました。
 おかずは、それぞれをお気に入りの小皿に盛って、目でも楽しめる食卓にしました。手間をはぶくために作りおきのおかずを駆使し、日替わりおかずと旬のおかずを組み合わせ、一食が「9品+ご飯とみそ汁」という形に定着していったのです。

暴飲暴食に明け暮れていた20代の頃

体重が6kg落ちて花粉症も止まった

 この食生活を始めると、それまでにあったむかつきや吐き気などの症状は、すぐになくなりました。3ヵ月後に受けた検査では、逆流性食道炎も腸炎も潰瘍も、きれいに消えていて、「もう通院しなくていい」といわれました。私は薬を一粒も飲まずに、この三つの病気を3ヵ月で克服できたのです。

 7項目の中で、最初のうち最もきつかったのが⑦でした。仕事柄、夜に食事をとったあと、3時間あけると、寝るのは朝の5時になります。9時前には起きるので、睡眠時間は3時間ほどです。しかし、この食生活を続けていると、睡眠が3時間で十分になりました。6時間以上寝ていたときより眠りが深く、朝はサッと起きられるのです。

 ほかにも、花粉症が出なくなり、肌がきれいになりました。歯科の定期検診では、歯石と歯周ポケットが急に少なくなって歯科衛生士さんに驚かれました。60㎏あった体重は54㎏に(身長は172㎝)、体脂肪は8%になり、心身ともに軽やかになれたのです。
 この食生活は1年ほど続け、徐々にゆるめました。今でも、暴飲暴食はしませんが、肉、揚げ物、生野菜もほどほどに食べています。

 先の7項目は「ハードルが高い」と思われるかもしれませんが、それぞれの項目の最初に「なるべく」とつけ、できる範囲で心がけるだけでもいいでしょう。少しでも私の体験がお役に立てればと思います。

解説者のプロフィール

藤村公洋
20代の初めにバー業界に飛び込んで以来、西麻布のダイニング、寿司店、丸の内のイタリアンとお店を渡り歩き、数々のレシピを習得。仕事漬けの日々から暴飲暴食に明け暮れて20年以上たった2011年、突然、逆流性食道炎、腸炎、潰瘍を発症する。これまでの人生を改めるかのように食生活を変えて、わずか3ヵ月で完治する。そのときに食べていたレシピを紹介した『病気になったバーテンダーの罪滅ぼしレシピ』を講談社より出版。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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