
気が遠くなったり吐き気がしたり
昨年の秋頃、私はめまいがして、内科で受診しました。「脳梗塞ならたいへんだ」とMRI(磁気共鳴画像)をとったのですか、異常なしだったので、今度は耳鼻科で耳の中の検査をしましたが、やはり異常なしと言うのです。
異常なしと言われても、現にめまいはあるわけですし、ときには気が遠くなったり、吐き気を催したりすることもあるので、なんとかしないことには気持ち悪くてしかたありません。もしかしたら、めまいは首に原因があるのではないかと思い、以前、左肩痛でお世話になった田園調布長田整形外科を訪ねてみました。
長田整形外科では、内科と耳鼻科では異常がなかったので、首はどうでしょうかと話したら、頸椎MRIをとってくれました。でも、やはり異常はありません。前の病院と違ったのは、薬ではなくて、いろいろなリハビリを提案してくれたことです。その中の一つが指ヨガでした。
めまいには、左手の中指をもむ指ヨガがいいのだそうです。自分でも簡単にできることでしたので、やってみることにしました。
電気が走ったような感覚がした
めまいの発作が起きたときは、自宅のベッドに横になり、指ヨガをやってみました。ゆっくり呼吸しながら左手の中指をもむと、突然、左足の親指の先までスーッと電気が走ったような感覚が起きました。さらに続けてもんでいると、だんだん気持ちよくなってきました。
「指ヨガってこんなふうになるんだ!」と初めての感覚に驚くのと同時に、これは信じられると思ったのです。
それからは、めまいが起きたときはもちろんですが、なんでもないときでも、暇なときはベッドに横になって指ヨガをしました。
指ヨガを始めて2カ月くらいから、めまいが起こる回数が少なくなり、3カ月目くらいになると、めまいはまったく起こらなくなりました。めまいがあった頃は、外に出るのが不安で、びくびくしながら外出していましたが、今はへっちゃらです。
また、指ヨガをしているからか、体が前よりも軽くなった気がします。やる気も湧いてきて、翻訳の仕事も、すぐに終わらせるようになりました。指ヨガのおかげで、なんだかいいことずくめです。

指ヨガで元気になり体も軽くなった
呼吸に合わせて行うことが重要(田園調布長田整形外科院長 長田夏哉)
めまいがする場合には、頭部・首・肩の反射区にあたる中指を重点にもむといいでしょう。
指ヨガは、あくまでもヨガで、手のマッサージではありません。手をもむときには息を吐き、ゆるめるときには息を吸いながら行うことが重要です。そして、体のどこを刺激しているかという、体の部位への意識も重要です。指ヨガは、「動作・呼吸・意識」を一体化させると、全身で行うヨガと同じ効果が得られます。

おさだ なつや
1993年、日本医科大学卒業後、慶應義塾大学整形外科教室入局し整形外科専門医として研鑽を積む。主流医学に没頭するが、ごく自然な流れで全体性への視点を育み、ボディ・マインド・スピリット視点のトータルヘルスケアについても研鑽を深める。2005年、田園調布長田整形外科を開院。 クリニック診療に加えてトータルヘルスケア・氣づき・教育・啓蒙の講演、講座を国内各地で開催。著書に『体に語りかけると病気は治る』(サンマーク出版)など。