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【糖尿病】HbA1cを下げて糖尿病の合併症を予防する「シナモンコーヒー」の効果

【糖尿病】HbA1cを下げて糖尿病の合併症を予防する「シナモンコーヒー」の効果

血糖値やヘモグロビンA1cを常に安全圏にコントロールするメソッドの一つとして、シナモンが役立ちます。また、コーヒーには、糖尿病による死亡リスクの抑制効果があるといわれています。つまり、コーヒーとシナモンは病気対策には最強、最善のカップリングと言うことができるのです。【解説】牧田善二(牧田AGEクリニック院長)

解説者のプロフィール

牧田善二
1951年、北海道生まれ。79年、北海道大学医学部卒業。糖尿病専門医。地域医療に従事したあと、ロックフェラー大学医生化学講座などで糖尿病合併症の原因であるAGEの研究を約5年間行う。北海道大学医学部講師、久留米大学医学部教授を歴任し、2003年より現職。著書に、『糖尿病で死ぬ人、生きる人』(文春新書)、『日本人の9 割が誤解している糖質制限』(ベスト新書)、『糖質オフのやせる作りおき』(新星出版社)など多数。

●牧田AGEクリニック
http://www.ageclinic.com/

ヘモグロビンA1cが4.3%も降下した

「シナモンは本当によく効きますね。毎日、コーヒーに入れて飲み続けただけなのに、いろんな数値がよくなってびっくりしました」
中野哲郎さん(仮名・当時43歳・会社員)はこう言って、うれしそうに顔をほころばせました。
今からもう、10年ほど昔の話です。

中野さんはその3年前に糖尿病と診断されましたが、仕事にかまけて放置したままでした。
ところがその年の健康診断で、「絶対に病院へ行かなくてはダメ」と厳しく言われ、ホームページで見た私のクリニックに来院されたのです。

調べてみると、血糖値が320mg/dl(正常値は110mg/dl未満)、ヘモグロビンA1cが9.9%(過去1~2カ月の血糖値がわかる数値で、正常値は6.2%未満)と、いずれもかなり高く、合併症も目前という状態でした。

まずは薬を使わずに改善したいと希望する中野さんに私が提案したのは、シナモンパウダーを1日3g程度摂取することと、炭水化物の摂取を減らすこと。
その2点だけでした。

生真面目な中野さんは、毎日、血糖値を自己測定するなどして、前向きに実践してくれたようです。
その結果、改善の一番の目安となるヘモグロビンA1cが、4カ月後には5.6%と、基準値を大きく下回るまでになったのです。

世界的権威のある糖尿病専門誌で紹介

実は、私が糖尿病の患者さんにシナモンをお勧めしたのは、それが初めてでした。
当時、シナモンが糖尿病に有効であるという研究論文が、世界の糖尿病研究で最も権威のある米国糖尿病学会(ADA)の専門誌に掲載され、強い関心を持ったことがきっかけです。

参考までに、その論文の要旨を紹介しておきましょう。

60人の糖尿病患者をグループ分けし、それぞれ1g、3g、6gのシナモンが入ったカプセルと偽薬を60日間服用してもらいました。
この結果、次のような事実が認められました。

・1g、3g、6gのいずれの量のシナモンを飲んだ人も血糖値、中性脂肪、総コレステロール値が大きく改善したが、偽薬を飲んだ人はまったく改善が見られなかった。
・1gのシナモンを飲んだ人では、血糖値は209mg/dlが175mg/dlに、中性脂肪値は201mg/dlが140mg/dlに(正常値は150mg/dl未満)、総コレステロール値は190mg/dlが167mg/dlに(正常値は220mg/dl未満)と、大きく改善した。

以前から、シナモンには体内のインスリン(膵臓から分泌される血糖値を下げるホルモン)の働きを高めるとともに、優れた抗酸化作用があると言われていましたが、この研究によって、それが科学的にも実証されることになったのです。

こうした話を中野さんにしたところ、「やってみたい」と、積極的に協力を申し出てくれたのです。
予想以上の好結果に意を強くした私は、以来、糖尿病治療の一環にシナモンを必ずお勧めし、大きな成果を得るようになりました。

試した人はたいてい、血糖値が10mg/dl程度は下がります。
シナモンは、血糖値を下げる作用が科学的に認められた唯一の食品と言っていいでしょう。

糖尿病は一度かかったら治らない不治の病です。
これは何年も不摂生が続く間にインスリンを作り出す膵臓の機能が、回復不能な状態にまでダメージを受けるからです。

だからといって、悲観する必要はありません。
後に戻れなくても、先に進まなければいい。
合併症を起こすまで悪化しなければいいのです。

高血糖は比較的容易に解消できますが、糖尿病の3大合併症である糖尿病腎症、糖尿病網膜症、糖尿病神経障害は治癒が困難だからです。

そこで、何よりもたいせつになるのが、血糖値やヘモグロビンA1cを常に安全圏にコントロールすること。
そのためのメソッドの一つとして、シナモンは実に頼りになるのです。

オートファジーもコーヒーで活性化される

シナモンが健康にいいのはもちろんですが、コーヒーが含むポリフェノールにも高い抗酸化力があり、世界各国で多くのエビデンス(科学的根拠)が報告されています。
中でも私が注目するのは、糖尿病による死亡リスクの抑制効果です。

アメリカの国立ガン研究所が40万人を対象に10年間の長期にわたって行った大規模疫学調査(地域や集団を対象に、病気の原因と発生との関連性について統計的に調査すること)では、次のような結果が出ています。

コーヒーを1日6杯以上飲む習慣のある人は、ほとんど飲まない人に比べて死亡リスクが男性で40%、女性では43%も少なくなっていた。
また、コーヒーを飲む人は飲まない人に比べ、肝臓ガンの発症リスクが約50%、2型糖尿病は24%、パーキンソン病は33%低いことがわかっています。

大隅良典先生のノーベル生理学賞・医学賞で注目されるオートファジー(自食作用)も、コーヒーで活性化され、ガン予防に役立っているということです。

つまり、コーヒーとシナモンは病気対策には最強、最善のカップリングと言うことができるのです。

ちなみに、1日に取るシナモンの量は、1g程度(ティースプーン1杯)が適量。
私も、シナモンコーヒーを飲み、毎日、シナモンを取るようにしています。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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