
視野が狭まるほど痛み仕事の早退が増えた
私は高校生のころから、頭痛に悩まされるようになりました。やたらと生あくびが出ると思ったら、それが頭痛の起こる前兆です。しばらくすると、頭がズキズキと痛みだします。
吐き気も伴い、ひどいときには、実際に吐いてしまうこともありました。市販の鎮痛薬を飲んで、2~3時間休むと、なんとか治まってきます
症状はつらいものでしたが、こうした頭痛が起こるのは、せいぜい年に1~2回でした。ところが、20代になり、社会人として働きだすと、頭痛が起こる間隔が狭まってきました。半年に1回、2~3ヵ月に1回と、回数が増えてきたのです。
私の家系は、祖母も母も片頭痛持ちなので、自分の頭痛も同じだろうと、うすうす思っていました。それでもやはり心配になり、4年ほど前に、脳神経外科でMRI(核磁気共鳴画像)を撮ってもらいました。幸い、脳には異常なしでした。
とはいえ、頭痛が治ったわけではありません。2017年の秋には、月に1~2回、頭痛が起こるようになりました。
頭が割れるようなズキズキした痛みが続き、ひどくなると、吐いてしまいます。視野が狭まり、周りが見えづらくなることもありました。仕事に支障を来し、早退する日も増え、「このままではいけない」と悩むようになりました。
そんな折に、職場の先輩が勧めてくれたのが、山田洋司先生のクリニックでした。先輩も頭痛持ちで、山田先生の頭痛外来に通っているとのこと。早速受診したのが、2017年の11月のことです。
初診では、まずMRIの検査を受け、脳に問題がないことを確認。続いて問診のあと、予防薬と治療薬を処方されました。
その際に渡されたのが、「頭痛ダイアリー」です。記録をつけることで、頭痛発生時の状況が詳しくわかり、予防や治療に役立つそうです。
私は2週に1回のペースで、通院を始めました。当初は、予防薬を毎日飲んでいても、頭痛が生じることがありました。
頭痛が起こったら、処方された治療薬や市販の鎮痛薬を飲み、対処します。この冬は、カゼを長引かせてしまい、頭痛のない日でも市販薬に頼ることがしばしばでした。
頭痛がほとんど起こらなくなり感激!
こうして振り返ることができるのも、頭痛ダイアリーに記録をつけていたおかげです。下の写真は、私が実際に記録したダイアリーの一部です。
このように、痛みの発生状況を事細かに記していると、頭痛の起こりやすい条件が、しだいにわかってきました。私の場合は、主に悪天候と生理です。気圧が下がった雨天の日や、生理の前後に頭痛になることが多いと、気がついたのです。また、ひどい肩こりも、頭痛を招いているようでした。
そうとわかったら、対策を講じることができます。悪天候や生理のタイミングで無理をすることのないよう、規則正しい生活を送り、睡眠と休養をしっかり取るよう心がけました。さらにストレッチを毎日行い、体をほぐすようにしました。
それでも頭が重く感じられ、頭痛が起こりそうな気配を感じたら、ひどくなる前に鎮痛薬を飲んでおきます。すると、悪化を防げるのです。
こうして予防に努めていたところ、今年に入ってから、頭痛がほとんど起こらなくなりました。頻繁な頭痛に慣れてしまっていたので、痛みのない日が続くことに、感激しています。
思えば、私の生活は頭痛に振り回されてきました。遊びにしろ仕事にしろ、予定を立ててもひとたび痛みが生じたら、キャンセルしなければなりません。周りに迷惑をかけることが忍びなく、つらい思いをしてきましたが、ついに頭痛をコントロールできるようになったのです。
これからも、薬と頭痛ダイアリーを上手に活用して、さらなる改善を目指していきます。
頭痛日記の実際の付け方

2017年11月後半の記録。頭痛を表す+印が書かれた日が、半月で7日ある。

2018年1月後半の記録。+印が書かれた日は、19日の1日だけ。改善しているのがわかる。
頭痛の傾向を把握し対策を取ることで改善(梅ノ辻クリニック院長 山田洋司)
母娘で片頭痛持ち、という人は、少なくありません。田中さんの場合、吐き気を伴う片頭痛でしたが、肩こりもひどく、緊張型頭痛の側面もあります。
私の分類法では、初診時は第3層に位置していましたが、現在は第2層にまで発症頻度が減りました。ダイアリーで頭痛の傾向を把握し、対策を取ることで改善した好例といえるでしょう。