
目の奥まで痛み吐き気がすることも!
私は、10年ほど前から、頭痛に悩まされるようになりました。それまでなんともなかったのに、生理中やその前後に、突然、起こるようになったのです。
側頭部や頭全体がズキンズキンと脈打つようで、ひどいときには目の奥まで痛み、吐き気がすることもありました。つらくて横になると、今度は頭の中にガンガンと響きます。
就寝中に急に頭痛が始まり、目を覚ますこともありました。痛みが治まっても、しばらくするとまた痛み出す……このくり返しになると、一晩中眠れませんでした。
頭痛は1日でよくなることもあれば、2〜3日続くこともあります。あまりに痛むと仕事に集中できないので、しかたなく、市販の鎮痛薬で抑えていました。
しかし、薬は副作用などが気になるので、なるべく飲みたくありません。何かよい方法はないかと思っていた4年ほど前、『壮快』の記事で、頭痛などに効果があるという「耳もみ」を知りました。
私は以前からヨガをやっており、ヨガでも耳をもむことがあります。それが頭痛に効くのなら、すぐにでもやってみようと思いました。
軽い頭痛ならかなり早く治まる!
耳もみは、耳の内側にあるへりのかたいところを、親指と人差し指でつまんで、もみほぐしたり、内側に巻いたり、引っ張ったりします。かたいところを重点的に行ってから、耳全体をまんべんなくもみます。
不思議なことに、頭痛がしないときは、耳をもんでも痛くありません。ところが、頭痛がするときは、必ずかたいところがあり、もむと強い痛みが走ります。そういうところを重点的にほぐしていくのです。
1回にかかる時間は、5分くらいです。それを1日に何回も行います。特に頭痛がしていなくても、テレビを見ながら、トイレに行ったときなど、とにかく手が空いていれば、よくもみました。入浴時は、湯船につかって必ずもみます。
耳をもむと、耳全体が温かくなり、それから体もポカポカしてきます。ですから、頭を含めた全身の血流がよくなるのではないかと思います。
耳もみのやり方

頭痛があるとき、こうして耳をもんでいると、即効性こそありませんが、徐々に痛みは和らぎます。軽い頭痛なら、けっこう早く治まります。
私は、仕事でパソコンをよく使うので、首や肩がこり、肩・首から頭まで広範囲に痛むことがあります。それに、目もショボショボと疲れてきます。そういうときに耳をもむと、首・肩のコリが軽減し、目もスッキリしてきます。
こうして、もう4年は耳もみを続けていますが、いつの間にかひどい頭痛が起こらなくなりました。たまに、痛むこともありますが、薬を飲むほどではありません。昔に比べると、ほんとうに楽になりました。
これからも、耳もみは続けていくつもりです。
冷えや圧痛のある範囲を重点的にもむと効果的(関西医療大学教授 吉田宗平)
上野さんの頭痛は、脳の血管が拡張して起こる片頭痛と、首・肩のコリからくる緊張型頭痛の混合型です。耳には、脳の血管を支配する三叉神経や、首の筋肉を支配する脊髄神経などが多く分布しています。耳をもむと血行がよくなり、これらの神経の働きもよくなって、脳血流が改善し、首の緊張が取れます。その結果、予防効果で頭痛も徐々に改善したのでしょう。
耳もみは、耳全体をもみほぐし、冷えや圧痛があるところを重点的にもむといいでしょう。ただし、頭痛発作時はもみ過ぎないよう注意してください。