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頭痛を誘引する成分「チラミン」を控えよ!改善に役立つ食事とは

頭痛を誘引する成分「チラミン」を控えよ!改善に役立つ食事とは

あなたが頭痛持ちでなかなか改善しない場合、頭痛の誘因となる成分が多い食品を、知らず知らずのうちに頻繁に摂取しているかもしれません。頭痛の誘因として代表的な成分は、チラミンです。チーズやヨーグルト、納豆、赤ワインやビール、チョコレートなど発酵食品や熟成した食品に多く含まれています。【解説】山田洋司(梅ノ辻クリニック)

連日頭痛が起こるのは日常に原因があるから!

 私の頭痛外来を訪れる患者さんは、慢性頭痛を訴える人がほとんどです。頭痛の起こる回数が多い、特に重症度の高い患者さんの場合、発症要因が生活習慣に根差していることが少なくありません。日常生活のなかに頭痛の原因があるからこそ、連日のように痛みが引き起こされるのです。

 例えば、仕事がデスクワーク中心で、首や肩がひどくこっている人は、そうした筋肉のコリが頭痛を招いている場合があります。コリをほぐす体操を積極的に行い、いい姿勢を保つことで、症状は改善に向かいます。

 また、本人は気づいていない噛み合わせの不具合や歯を食いしばるクセが、頭痛の原因になることもあります。その場合、歯科や口腔外科で矯正すると、劇的に頭痛がよくなります。
 同様に、見過ごされがちなのが、食事と頭痛の関係です。食事は毎日のことなので、頭痛の発症に、少なからず影響を及ぼします。

 あなたが頭痛持ちで、あらゆる手を打ってもなかなか改善しない場合、食事の内容に目を向けてみてください。頭痛の誘因となる成分が多い食品を、知らず知らずのうちに、頻繁に摂取しているかもしれません。

頭痛を誘引する成分「チラミン」

 頭痛の誘因として代表的な成分は、チラミンです。これは、チラミンに血管を収縮させる作用があるからです。
 頭痛の発症は、脳の血管の収縮や拡張と大きく関連しています。血管が収縮し、拡張する際に、頭痛が起こりやすいことがわかっています。血管拡張作用のある高血圧治療薬が、頭痛の予防薬として有効なのは、そのためです。
 チラミンは、たんぱく質が分解してできる物質で、発酵食品や、熟成した食品に多く含まれています。特に多く含む食品として、チーズやヨーグルト、納豆、赤ワインやビール、チョコレートなどが挙げられます。

 また、血管の拡張・収縮に作用する成分としてよく知られているのが、植物由来の色や苦み成分であるポリフェノールや、カフェインです。赤ワインやチョコレートには、これらも豊富に含まれています。
 重い慢性頭痛があり、こうした食品を毎日のようにとっている人は、摂取を控えることで改善する可能性があります。

 とはいえ、ポリフェノールは抗酸化作用も高い機能性成分ですし、カフェインにはリラックス作用もあり、これらが一概に悪いとはいえません。一例を挙げましょう。
 週末になると頭痛が起こる患者さんがいました。週末の生活について聞くと、平日はよくコーヒーを飲むのに、週末には飲んでいないとのこと。そこで頭痛のときにコーヒーを飲んでもらったところ、痛みが軽減。この患者さんの場合、原因はカフェイン切れだったというわけです。思い当たる節があれば、コーヒーやお茶の量を調節してみるといいかもしれません。

【症例】チョコやワインをやめると頭痛が改善した!

 クリニックでの、実際の症例をほかにもご紹介しましょう。
 40代の女性Aさんは、20歳のころから頭痛があり、30代半ばから回数が増えました。来院時には、週に5~6日も頭痛に悩まされていたため、重症度でいうと第4層の片頭痛と診断しました。
 治療薬と予防薬を処方しましたが、頭痛の発症回数は変わりません。そこで、生活習慣についてさらに詳しくうかがったところ、毎日チョコレートを食べていることがわかったのです。
 早速、チョコレートをしばらく控えてもらうと、頭痛が劇的に少なくなりました。

 また、40代女性のBさんは、25歳からあった頭痛が、30代半ばで悪化しました。Bさんも、Aさん同様、ほぼ連日の頭痛に悩まされており、予防薬を服用しても改善が見られません。
 Bさんの場合、毎日口にしていたのは、ワインでした。それが判明した時点で、ワインを飲むのをやめてもらったところ、頭痛の回数が激減。ご本人は、「今までの苦労はなんだったんだろう」と驚いていました。
 ワインやビールは、当然アルコールを含むので、血管拡張作用があります。こうした点からも、要注意です。

頭痛の改善に役立つ食事

マグネシウムとビタミンB2がお勧め!

 控えたほうがいい成分がある一方で、積極的にとりたい栄養素もあります。マグネシウムとビタミンB2です。
 マグネシウムは、脳の血管や神経を安定させる作用があり、頭痛の改善に効果があることが研究で判明しています。ダイズやその加工品、魚介類、海藻や木の実に多く含まれています。

 また、体内のミトコンドリア(細胞内の小器官)の機能に障害があると、頭痛が起こりやすいといわれます。その調整に役立つのが、ビタミンB2です。レバー類やウナギ、ダイズやその加工品、卵などに豊富です。
 納豆は、チラミンが豊富な一方、マグネシウムやビタミンB2も多く含んでいます。とり過ぎなければ問題ないでしょう。
 食事の工夫は、頭痛治療の主軸ではありません。しかし、小さなリスクを一つ一つ取り除いていくことが、頭痛解消への着実な一歩となるのです。

解説者のプロフィール

山田洋司
梅ノ辻クリニック院長(高知市)。日本頭痛学会専門医。日本脳神経外科学会専門医。1981年、神戸大学医学部卒業後、複数の病院に勤務し数多くの手術を手がける。90年、梅ノ辻クリニックの前身の長尾病院に脳神経外科医長として着任。2001年より現職、04年に頭痛外来を開設。著書に『頭痛が治る、未来が変わる!』(三宝出版)がある。

●梅ノ辻クリニック
高知市梅ノ辻8番7号
TEL 088-833-4580
http://www.umenotsuji-cl.jp/

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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