
湧泉のツボを押しテープを巻いた
私は5年ほど前から、夜間頻尿に悩むようになりました。
夜中に尿意を催して、目覚めてしまうことが、一晩に3〜4回もあるのです。一度トイレに立つと、布団に戻ってもなかなか寝入れず、やっとウトウトするころに、また尿意が起こるというくり返しでした。そのせいで、疲れが取れず、日中は頭がボーッとしていました。
そんな私が2年ほど前に知ったのが、足の裏を刺激する健康法です。愛読している『壮快』で見つけました。足の裏には、体の各器官につながるツボや反射区があり、対応する箇所を刺激すると、症状が改善するとのことでした。
私の悩みは頻尿だったので、膀胱に関連する、湧泉というツボを押して刺激することにしました(下図を参照)。
ツボを押すのは、主に入浴中です。湯船につかりながら、足の裏の真ん中辺りを手の親指で押しました。テレビを見ているときも、押すようにしました。
そのほかに行ったのは、テーピングです。以前、テレビの健康番組で見た、足の裏にテープを貼って刺激する方法を思い出したのです。
伸縮性のあるテーピング用テープを薬局で購入して、お風呂から上がったあとに、湧泉のツボを覆うようにぐるぐると2〜3回、両足に巻きました。そして、翌日お風呂に入るときまで、そのままの状態で過ごします。
こうして足の裏のツボを刺激するようにしたら、しだいにトイレに起きる回数が減ってきました。3週間が過ぎたころには、1回も目覚めることなく朝を迎えられるようになったのです。
おかげで、毎日7時間、熟睡できるようになり、日中に頭がボーッとすることもなくなりました。
冷え症と肩こりが治り歩くスピードもアップ!
足の裏のツボ刺激は、外出時の悩みも解消してくれました。
以前は、昼間も頻繁に尿意を覚えていたため、外出先でトイレを探すのが大変でした。駅のトイレが長蛇の列だと、下着を少し汚してしまうこともありました。
また、私はいろいろな講習会に参加するのですが、休憩時間までの1時間半、途中退席しないか、つまりトイレに行きたくならないか、常に不安でした。
でも、外出する前に湧泉のツボを押し、緩めにテーピングをして出かけるようにしたら、トイレの間隔がだいぶ延びてきました。講習会に参加しても、休憩時間まで、全く不安なく講義を聴くことができます。

足の裏のツボを刺激するようになって、冷え症も改善しました。
私は、もともとひどい冷え症で、特に足先が冷たくなるのが悩みでした。夏でも靴下をはいて寝るほどだったのです。
それが、2年前の9月に足の裏のツボ刺激を始めたところ、その冬は、靴下をはかずに寝ることができました。
肩こりも、足の裏刺激を始めて半年後くらいから、気にならなくなりました。足の裏のツボ刺激で、全身の血流がよくなったのかな、と思います。
以前より歩幅が広くなり、さっそうと歩けるようになったのも、うれしいことです。歩くスピードも上がりました。同年代の友人と出かけると、「待って! もっとゆっくり歩いて」といわれるほどです。
足の裏のツボを刺激するだけで、体中が若返ったようです。これからも、続けていきます。
湧泉の刺激で腎の働きが高まり足腰が強くなった(かいせい鍼灸治療室院長 梅津裕子)
夜間頻尿と冷え症、及び年齢を考え合わせると、東洋医学でいう腎陽虚という状態だったと思います。陽虚とは、体を温める力が弱いということです。湧泉のツボを刺激することで、腎の働きが高まり、頻尿や体の冷えが解消したのでしょう。また、腎は、腰やひざの健康もつかさどっています。湧泉への刺激で足腰が強くなり、歩く速度も上がったのではないでしょうか。