MENU
医療情報を、分かりやすく。健康寿命を、もっと長く。医療メディアのパイオニア・マキノ出版が運営
【名医】認知症の兆候は頻尿 予防には亜麻仁油をかけたブロッコリーがお勧め

【名医】認知症の兆候は頻尿 予防には亜麻仁油をかけたブロッコリーがお勧め

私は30年間にわたって認知症の研究と臨床にたずさわっており、現在は認知症の専門クリニックの院長を務めています。認知症を予防するための基本は、魚と野菜を中心とした食生活にあります。野菜の中でも、ぜひ積極的に取っていただきたいのが、ブロッコリーなのです。【解説】朝田隆(メモリークリニックお茶の水院長)

解説者のプロフィール

朝田 隆
1955年生まれ。82年、東京医科歯科大学医学部卒業。2001年、筑波大学臨床医学系(現医学医療系臨床医学域)精神医学教授を経て、現在は東京医科歯科大学特任教授、筑波大学名誉教授などを兼任。数々の認知症の実態調査にかかわり、発症前の軽度認知障害の治療・予防に力を注ぐ。日本老年精神医学会副理事長、日本認知症学会理事、認知神経科学会理事、日本生物学的精神医学会理事、日本神経精神医学会理事。著書に『まだ間に合う!今すぐ始める認知症予防』(講談社)などがある。

●メモリークリニックお茶の水
https://memory-cl.jp/

東京都文京区湯島1-5-34
東京医科歯科大学医科同窓会
お茶の水医学会館 4階(2〜4階)
TEL 03-6801-8718

高い抗酸化力で脳細胞を守るブロッコリー

私は30年間にわたって認知症の研究と臨床にたずさわっており、現在は認知症の専門クリニックの院長を務めています。
たくさんの患者さんを診てきて思うのは、「認知症の予防は早く始めるにこしたことはない」ということです。

認知症予防の三本柱は食事・運動・休憩ですが、とりわけ食事は大切だと考えています。認知症を予防するための基本は、魚と野菜を中心とした食生活にあります。

野菜の中でも、ぜひ積極的に取っていただきたいのが、ブロッコリーなのです。
ブロッコリーの認知症防止効果は、数ある野菜の中でもトップクラス。

理由は、抗酸化成分の含有量が、ずば抜けて多いからです。
脳は、重量比で言えば体全体の2%にすぎない器官ですが、20%近くのエネルギーを消費しています。

エネルギーが消費されるときには、大量の酸素が使われます。
このとき、同時に大量の活性酸素が生み出されるのです。

体内で増え過ぎた活性酸素は、細胞を酸化させて傷つけ、老化を進行させます。
いわば細胞がサビるのです。

脳の神経細胞がサビて減少すると、脳の機能が低下してもの忘れをしやすくなったり、思考の速度が遅くなったり、適切な判断ができなくなったりして、認知症につながっていきます。
脳細胞を守るためには、活性酸素の働きを抑える、抗酸化力の強い食品を積極的に食事から取らなくてはなりません。

野菜などに含まれる抗酸化ビタミンは、活性酸素を消去してくれる有効な成分です。
特にブロッコリーには、抗酸化力の高いビタミンとして知られる、ビタミンA(βカロテン)、ビタミンC、ビタミンE、さらには葉酸が豊富に含まれています。

ブロッコリーには、ビタミンAはゴーヤの3.9倍、ビタミンCはトマトの8倍、ビタミンEはニンジンの6倍含まれていますから、いかに効率的に抗酸化ビタミンが摂取できるかがおわかりでしょう。

葉酸は、ビタミンB群の一種です。
認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)の患者さんを対象にした研究では、葉酸をたくさん取った人のほうが脳の萎縮を抑えられたという報告がされています。

沢田亜矢子さんの頻尿も改善

私が監修したあるテレビ番組で、女優の沢田亜矢子さん(当時66歳)にご協力いただき、ブロッコリー食の実験を行いました。
まず沢田さんに認知症の検査を受けていただいたのですが、なんと脳の7ヵ所で血流が悪化しているのがわかりました。

診断名は「プレクリニカルアルツハイマー」。
臨床的にはほとんど症状がありませんが、脳内でアルツハイマーの兆候が見られるという、アルツハイマー型認知症の超早期の状態です。

当時、沢田さんは1日に15回もトイレに行く頻尿で悩んでいたそうです。
実は、この頻尿の影に認知症の兆候が隠れていました。

まだ膀胱にじゅうぶん尿がたまっていないのに、「トイレに行こう」と脳が誤った指令を出していたのです。
アルツハイマーは、アミロイドβたんぱく質が脳内にたまっていくことで、神経細胞が変性して死滅するのが原因といわれています。

アルツハイマーの初期症状が出る10〜20年前から、アミロイドβたんぱく質は脳内にたまり始めています。
沢田さんの脳は、おそらくこのアミロイドβたんぱく質の影響を受けていると思われました。

そこで私は1日5分の筋トレと、毎日ブロッコリー1株を食べるというプログラムを2週間、沢田さんに実践してもらいました。
抗酸化物質と筋トレで血流状態を改善し、脳の老化を食い止めようと考えたのです。

2週間後、プログラムの効果は、はっきりと現れました。
再度、脳の血流状態を検査すると、やや危険なレベルから、安全なレベルまで数値が改善していたのです。

頻尿も改善。
夜中に2回は起きていたトイレに、一度も行かずに済むことも多くなったのです。

沢田さんからは「頭の回転がよくなった気がする!」とのご感想をいただきました。
ブロッコリーは、毎日100g程度、だいたい小房で3〜4個くらい食べるのがお勧めです。

摂取のコツですが、ブロッコリーの調理は、ゆでずに電子レンジを使いましょう。
水溶性のビタミンCが、お湯に溶け出すのを防ぐためです。
さらに認知症予防に効果的なアマニ油をかけて食べていただくのが、私のお勧めです。

アマニ油はオメガ3系脂肪酸に属する油で、血中の中性脂肪を下げる、血栓(血の塊)ができるのを防いだり、脳機能の低下を抑制したりするなどの効果があります。

誰でも年を取れば脳の神経細胞は減少し、記憶力の減退や思考力の低下が起こっていくもの。
ブロッコリーで抗酸化ビタミンをたっぷり摂取して、認知機能の低下を防いでください。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

最新記事
私は、60歳の今も左右の視力は1・0を保っています。これまでメガネの世話になったこともありません。老眼知らずの状態をキープしている秘密は、私が毎日行っているトレーニング「目のスクワット」にあるのです。毛様体筋をほぐす効果があります。【解説】本部千博(ほんべ眼科院長)
更新: 2019-07-03 14:37:40
歩くとひざが痛くなる、腰が重くなる、どっと疲れが出る。私なら、まず「浮き指」を疑います。詳しく調査した結果、現代日本人男性の6割、女性の7割が浮き指であることがわかったのです。浮き指とは、文字どおり「足の指が浮いている」状態を指します。【解説】阿久根英昭(桜美林大学健康福祉学群教授)
更新: 2019-06-18 18:00:00
鍼灸師の私がおすすめして、皆さんにご好評をいただいている「温熱ツボ刺激」のやり方をご紹介しましょう。この温熱ツボ刺激は、男女を問わず効果があるものです。ですから、女性だけでなく、薄毛や白髪で悩む男性のかたにもぜひ試してほしいのです。【解説】横内稚乃(稚乃針灸整骨院院長)
更新: 2019-06-17 18:00:00
玉ねぎが体によいのはよく知られたことですが、なかでも、血糖値を降下させる作用が注目されています。しかし、玉ねぎを毎日食べたくても、あのツンとする刺激臭が嫌で、玉ねぎ料理は苦手という人も多いでしょう。そこでお勧めなのが、玉ねぎドレッシングです。【解説】里見英子(里見英子クリニック院長)
更新: 2019-06-16 18:00:00
慢性腰痛は、さまざまな原因によって生じます。なかでも最大の原因と考えられるのが、普段の姿勢の悪さです。加齢や運動不足、パソコンやスマホなどの習慣によって、私たちの姿勢はひどく悪いものになっています。これが、腰に負担をかけているのです。【解説】岩間良充(鍼灸整骨院ホスピスト院長)
更新: 2019-06-15 18:00:00

ランキング

総合ランキングarrow_right_alt