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血圧や血糖値を下げる【レモン酢の効果】正常値の人が飲んだら、どうなる?

血圧や血糖値を下げる【レモン酢の効果】正常値の人が飲んだら、どうなる?

最近、「レモン酢」というフルーツ酢が人気とのこと。酢の専門家である私から見ても、レモン酢は、酢の薬効を手軽に、そしておいしく取れる優れものといえます。酢には数多くの効能があり、その多くが科学的に証明されています。【解説】小泉幸道(東京農業大学名誉教授)

解説者のプロフィール

小泉幸道
東京農業大学名誉教授。専門は発酵食品学、醸造学。無類のお酢好きであり、テレビやラジオで「お酢のエキスパート」として酢の効能を広めている。酢や発酵に関する著書多数。

毎日大さじ1杯で血圧が下がった

最近、「レモン酢」というフルーツ酢が人気とのこと。
酢の専門家である私から見ても、レモン酢は、酢の薬効を手軽に、そしておいしく取れる優れものといえます。

酢には数多くの効能があり、その多くが科学的に証明されています。

●血圧を下げる
まず注目したいのが、高血圧の予防・改善効果です。

酢の主成分である酢酸には、血圧を上昇させるホルモンを穏やかに抑制する働きのあることが、ラットの実験で証明されています。
また、高血圧の人を対象にした研究もあります。

毎日大さじ1杯(15㎖)の酢を摂取すると、2週目から血圧が下がり始め、6週目には、正常値かそれに近い値となることがわかっています。
さらに、毎日大さじ2杯(30㎖)の酢を摂取したグループでは、摂取後数日で、血圧が下がり始めています。

この研究で酢の血圧低下効果は、最大血圧で平均15㎜Hg程度、最小血圧でも6㎜Hg下がって正常値になっています(下のグラフ参照)。
注意したいのは、酢の血圧を下げる効果は、飲み続けないと得られない、という点です。

この研究でも、8週目に酢の摂取を止めたところ、その後は血圧が上昇しています。
ただし、摂取前より上昇することはありませんでした。

高血圧の原因ははっきりしない人が大部分ですが、肥満や喫煙、アルコールや塩分の取り過ぎ、運動不足、ストレスなどで血圧が上がり気味になります。
血圧が高めの人は、まず生活習慣の改善が必須です。

そこに、毎日酢を取る習慣をプラスすれば、効果的に血圧を下げることができるというわけです。
なお、酢を飲んだからといって、もともと正常の血圧が下がったり、血圧が下がり過ぎたりすることはありません。

この点はご安心ください。

お酢の血圧に対する効果(グラフ)

酢酸のツンとした独特の香りが抑えられる

●血糖値の急激な上昇を防ぐ
酢には、糖の吸収を穏やかにして、食後の血糖値の上昇を抑制する効果もあります。

食事と一緒に、大さじ1杯の酢(15㎖)を取ったときの血糖値の変化を調べた結果、酢を取ることによって、血糖値の上昇がゆるやかになっていることがわかりました(下のグラフ参照)。

血糖値の急激な上昇は、肥満の原因になるだけでなく、糖尿病になるリスクも高めます。
しかし、酢を使った料理や飲み物を食事に取り入れると、血糖値の急上昇を抑えることができるので、糖尿病の予防や改善に有効です。

そのほか、便秘改善やダイエットなど、酢が効果的と考えられる症状は多岐にわたります。
これらの酢の健康効果を手っ取り早く得る方法としては、飲むのが一番です。

レモン酢は、この「飲みやすさ」という点において非常に優れています。
酢(酢酸)の独特なツンとした香りが抑えられて飲みやすくなるうえに、レモンのビタミンや食物繊維なども摂取できるため、まさに一石二鳥の飲み方といえます。

お酢の血糖値に対する効果(グラフ)

酢酸とクエン酸のWパワーで効果を発揮

さらに、レモン酢にすると、レモンの酸味のもとである「クエン酸」による効果も期待できます。
クエン酸には、代謝を上げて疲れた体を回復させる作用があります。

そのほかにもレモンには、さまざまな健康成分や美容成分が豊富に含まれています。
レモンと酢を組み合わせたレモン酢は、酢酸とクエン酸の相乗作用によって、それぞれの効果が倍増します。

ぜひみなさんも、レモン酢を毎日の生活に取り入れてみるとよいでしょう。
ただし、酢は、原液のまま飲むと、のどや胃をやられてしまうので、必ず薄めて飲むようにしましょう。

1日に取る酢の量の目安は、大さじ1〜2杯(15〜30㎖)です。
これを4〜5倍以上に薄めて飲むといいでしょう。

レモン酢は基本的にいつ飲んでも構いませんが、食事の前、あるいは食事中に飲むと、酢の作用で唾液や胃液の分泌が促され、消化・吸収を助けてくれます。
また、腸の働きも活発になり、便秘の予防・改善にも役立ちます。

腸の老廃物が早く排出されれば腸内環境が整ってくるので、美肌効果も期待できるでしょう。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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