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加齢黄斑変性は検査で早期発見!目のゴミ「ドルーゼン」を予防する食事

加齢黄斑変性は検査で早期発見!目のゴミ「ドルーゼン」を予防する食事

近年、「加齢黄斑変性」という目の病気が注目されています。この病気は欧米人に多く、日本人には比較的少ない病気でしたが、高齢化や食生活の欧米化、光環境の激変などによって日本でも急増しています。【解説】玄真(北あやせよつば眼科院長)

解説者のプロフィール

玄真
北あやせよつば眼科院長。
東京都出身。1994年、順天堂大学医学部卒業。甲府市立病院眼科長、横浜鶴ヶ峰病院眼科長、賛育会病院眼科長などを経て、2010年より現職。「頼りになる『かかりつけ医』」をめざして、目の疾患の予防医療や治療にあたっている。

●北あやせよつば眼科
東京都足立区大谷田4-7-17
TEL 03-5856-0428
https://www.gen-gen-cocoro-eye.com/

加齢黄斑変性の浸出型は進行が早い

近年、「加齢黄斑変性」という目の病気が注目されています。
この病気は欧米人に多く、日本人には比較的少ない病気でしたが、高齢化や食生活の欧米化、光環境の激変などによって日本でも急増しています。

加齢黄斑変性は、加齢とともに黄斑が変性する病気です。

黄斑は、目の網膜の中心にある直径6㎜ほどの組織で、中央部がへこんでいます。
ここには色や形を見分ける細胞が密集しており、ものの見方に非常に大きな影響を与えています。

黄斑が障害されると、「変視」といって、視野の中心部がゆがんで見えるようになります。
進行すると視力が低下し、中心部が見えなくなる「中心暗転」を起こし、やがて失明に至ることもあります。

加齢黄斑変性には、2つのタイプがあります。
新生血管と呼ばれる異常な血管が黄斑部を障害する「浸出型」と、黄斑部が萎縮する「萎縮型」です。

萎縮型は進行がゆっくりで、重い視力障害を起こすのはまれですが、浸出型は進行が早く、急激な視力障害を起こします。

40歳を過ぎるとドルーゼンがたまる

日本人に多いのは浸出型で、日本人の失明原因の4位になっています。

これまで、加齢黄斑変性のよい治療はなかったのですが、新しい治療法が開発され、早期に治療すれば視力の回復や維持ができるようになりました。

早期発見のポイントになるのが、「ドルーゼン」という老廃物で、いわば目のゴミのようなものです。
ドルーゼンは、加齢などによって網膜の下にある網膜色素上皮細胞の代謝が落ちると、出現します。

これがたまると、網膜色素上皮に接している脈絡膜から新生血管が作られて黄斑部が盛り上がり、視細胞がうまく働かなくなります。

新生血管はもろくて壊れやすいので、血液が滲み出たり、壊れて出血することがあります。
すると、視細胞が傷ついて視力が急激に低下していきます。

ドルーゼンの蓄積は加齢黄斑変性の前駆症状で、加齢黄斑変性の始まりといえます。
40歳を過ぎる頃から現れ、50代になると7人に1人はドルーゼンの蓄積が認められます。

眼底検査でドルーゼンを発見できる

ドルーゼンがたまっているかどうかは、眼底検査でわかります。
ただし、緑内障の眼底検査ではわからないので、必ず眼科で「ドルーゼンの検査をお願いします」と伝えてください。
小さなドルーゼンが発見でき、加齢黄斑変性の潜在リスクを早い段階でキャッチできます。

ドルーゼンの蓄積を防ぐことが大事

加齢黄斑変性を予防するには、ドルーゼンの蓄積を防ぐことが大事です。
そのために有効なのが、緑黄色野菜の摂取です。

黄斑には、常に紫外線や人工の光が当たっています。
中でも、スマートホンやパソコンなど、波長の短い青い光には強いパワーがあり、この光が当たると大量の活性酸素が発生して、視細胞や網膜色素上皮細胞を傷つけます。

これを酸化ストレスと言います。
酸化ストレスから網膜を守るのが、黄斑色素という黄色い色素(キサントフィル)です。

色素が青い光を吸収し、活性酸素を消去して、酸化による害を防いでくれるのです。
黄斑色素の成分は、ルテインやゼアキサンチンなどのカロテノイドで、緑黄色野菜に含まれる色素です。

ルテインは、ホウレソウやコマツナ、ブロッコリーなどに含まれます。
ゼアキサンチンは、パプリカやトウモロコシなどに多く含まれています。

ルテインもゼアキサンチンも、油に溶けやすい成分ですから、油で炒めたりドレッシングをかけたりすると効率よく摂取できます。

また、青魚の油に多いエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)といっしょにとると、相乗効果で黄斑色素が増えるという研究もあります。

ですから、イワシ、サバなどをいっしょに食べるといいでしょう。

ホウレンソウなら1日3分の1束食べよ

緑黄色野菜の量の目安は、ホウレンソウやコマツナなら1日3分の1束程度から始めるといいでしょう。
ルテインを4mg摂取できます。

ただ、ドルーゼンが中程度以上たまると、5年で20%以上の人が加齢黄斑変性を発症するというデータがあります。
中程度の蓄積が認められた人には、私はルテインとゼアキサンチンのサプリメントをお勧めしています。

アメリカの大規模調査によると、加齢黄斑変性の予防には、1日10mgのルテイン摂取が必要というデータもあります。
ルテインとゼアキサンチンが一定の割合で入っているものなら、1日10~20mgを目安に飲むといいでしょう。

そのほか、抗酸化力の強いビタミンC、E、さらに亜鉛や銅などの微量栄養素も有効です。
食生活に気をつけるとともに、タバコはやめましょう。

喫煙は加齢黄斑変性のリスクを2~3倍高めると言われています。

ドルーゼン予防で取りたい食品


ルテインを多く含む緑黄色野菜
◎ケール
◎ホウレンソウ
◎パセリ
◎サニーレタス
◎コマツナ
◎ブロッコリー



ゼアキサンチンを多く含むもの
◎パプリカ
◎柿
◎トウモロコシ
◎オレンジジュース
◎温州ミカン



いっしょに取りたい食品
◎イワシ
◎サンマ

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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