解説者のプロフィール

石原新菜(いしはら・にいな)
イシハラクリニック副院長。
1980年、長崎県生まれ。2006 年、帝京大学医学部卒業。現在はイシハラクリニックにて漢方医学、自然療法、食事療法により種々の病気の治療にあたる。雑誌、テレビ、講演などでも精力的に活動。著書多数。近著『女のキレイは30分でつくれる』(マキノ出版)も好評。
●石原新菜 Official Blog
http://nina-ishihara.cocolog-nifty.com/blog/
目の周囲の毛細血管が目の健康のかなめ
健康を保つ秘訣は、血の巡りをよくすることにつきると言って過言ではありません。
なぜなら血液は、細胞に必要な酸素と栄養素を届けるとともに、老廃物を運び去る重要な働きをしています。
血流が悪くなると、体のどの臓器もきちんと働くことができなくなり、機能の低下や不調を招きます。
もちろん、目も例外ではありません。
目と、その周囲には細い毛細血管がたくさん走っています。
目の血流が悪くなると、疲れ目やかすみ目、飛蚊症、視力の低下など、さまざまなトラブルを招きます。
目の血流が悪くなると涙の分泌も低下するので、ドライアイにもつながります。
目の周囲の血流を回復させ、目のトラブルを改善するのにお勧めなのが「ショウガ湯」です。
ショウガには、ジンゲロールとショウガオールという、からみのもととなる2つの成分が含まれます。
ジンゲロールには、体温を上げ、血行を促進させる作用があります。
一方、ショウガオールには、ジンゲロール以上に体を温めて、血流を促す働きがあります。
ショウガオールは生のショウガにはあまり含まれていませんが、加熱すると増加する性質があります。
ショウガをすりおろすと、ショウガに含まれている成分が出てきやすくなります。
そのうえ、熱湯を注ぐことで、ショウガオールも増えることが期待できます。
はちみつも体を温める食品ですので、ショウガとの相乗効果を得られます。
趣味の読書を再開できた患者さんも
私自身もショウガ湯をお茶代わりによく飲んでいますし、クリニックにいらっしゃる患者さんにもお勧めしています。
実際に、ショウガ湯の継続的な飲用によって、目の不調が改善したかたもいらっしゃいます。
ある60代の女性患者さんは、読書が大好きなのに、疲れ目やかすみ目がひどく、さらに飛蚊症の症状にも長年悩んでいました。
「大好きな本も読めない」と嘆いていらっしゃったので、ショウガ湯を飲むよう勧めてみたところ、目の調子が改善。
「目がスッキリして細かい文字もクッキリ見えるようになったので、趣味の読書が再開できました」と喜ばれていました。
ショウガには健胃作用があり、断食中の飲み物にも用いられているほどなので、空腹時に飲んでもだいじょうぶですし、1日に何杯飲んでも問題ありません。
「ショウガ湯」の作り方

ショウガの乾燥粉末を利用してもよい
ショウガをすりおろすのがめんどうな人は、ショウガの乾燥粉末を使ってもよいでしょう。
ショウガの粉末は、大型スーパーなどで手に入ります。
粉末の場合は、水分が除かれているので、生の10分の1くらいの量でじゅうぶんです。
ショウガを多量に取ると、脈が速くなったり体が熱くなったりすることがあります。
そうした症状が不快な人は、自分に合った量を取るようにしましょう。
たいせつなのは、一度にショウガ湯を大量に飲むよりも、1日1杯でも毎日継続して飲むことです。
目の不調にお悩みのかたは、ぜひ試してみてください。