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【骨粗鬆症を予防】骨ホルモンを分泌する「かかと落とし」で骨折リスクが低下!

【骨粗鬆症を予防】骨ホルモンを分泌する「かかと落とし」で骨折リスクが低下!

運動不足の悪影響は、骨だけに止まりません。当然、筋力は低下し筋肉も硬化し、痛みやコリが生まれる原因になります。筋肉の状態が悪くなれば内臓の動きが悪化し、内臓機能の低下につながります。悪循環を断ち切るのに、お勧めの運動が「かかと落とし」です。【解説】斎藤究(医師・さいとう整形外科リウマチ科理事長)

解説者のプロフィール

斎藤究
さいとう整形外科リウマチ科理事長。
内科・救急・整形外科研修後、名古屋医療センターにてリウマチ診療に従事。2011年名古屋市名東区に「さいとう整形外科リウマチ科」を開院し、リウマチ・骨粗鬆症の最新治療に加え、筋膜性疼痛に対するトリガーポイント・筋膜リリースも行っている。

●さいとう整形外科リウマチ科
名古屋市名東区平和が丘1-10
TEL 052-776-3110
https://saito-seikei.jp/

血糖値が高いと骨がもろくなる

食べ過ぎ、飲み過ぎ、運動不足、そして喫煙。
これらが動脈硬化(※動脈の壁が厚くなったり、硬くなったりして働きが悪くなること)をはじめ、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の引き金になることは、皆さんもご存じでしょう。

しかし、骨にも悪影響があることはあまり知られていません。
こうした生活習慣を続けていると骨がもろくなり、骨折リスクも高まります。

骨の強さは、約70%が「骨密度」、残りの30%が「骨質」で決まります。
骨粗しょう症(※骨密度が減少したり、骨質が劣化したりして、骨折しやすくなる疾患)で話題になることが多い骨密度は、皆さんも聞いたことがあるかと思いますが、骨質については初耳のかたも多いのではないでしょうか。

骨は、骨細胞と骨細胞が、網の目状につながり合ってできています(架橋構造)。
骨質が悪いとは、架橋構造がもろく壊れやすくなった状態です。

では、何が骨質を悪くするのでしょうか。
その一因として言われているのが、血液中の糖分です。

ある実験で、骨から取り出した組織を砂糖水に漬けたところ、時間ともに、骨の組織がもろくなりました。
「糖化」と呼ばれる現象です。

骨には骨髄を通じて、たくさんの血液が流れています。
血糖値が高いかたは、常に骨が糖にさらされているわけです。

その状態が続けば、骨が糖化し、折れやすくなるのです。
高血糖のほかに、もちろん運動不足も骨を弱くします。

肌と同じく骨も新陳代謝を繰り返し、古い骨と新しい骨が常に入れ替わっています。
新しい骨を作る働きをしているのが「骨芽細胞」と呼ばれる細胞です。

運動などで骨を刺激すると、骨芽細胞が活性化して、新しい骨が生まれるサイクルが速まります。
しかし運動不足では骨の新陳代謝が活発にならず、弱った骨もそのまま、ということになります。

運動不足の悪影響は、骨だけに止まりません。
当然、筋力は低下し筋肉も硬化し、痛みやコリが生まれる原因になります。

筋肉の状態が悪くなれば内臓の動きが悪化し、内臓機能の低下につながります。
そうなれば全身の代謝が悪くなり……。

悪い生活習慣や運動不足が、「負のスパイラル」を招くわけです。

「かかと落とし」は血糖値を下げる効果がある

悪循環を断ち切るのに、お勧めの運動が「かかと落とし」(かかと落としのやり方はこちらの記事を参照)です。
NHKのテレビ番組『ガッテン!』で紹介されたのを、ご覧になったかたも多いでしょう。

かかと落としで骨に刺激を与えると、骨芽細胞から骨ホルモン(オステオカルシン)が分泌されます。
この骨ホルモンには、すい臓に働きかけてインスリンというホルモンの分泌を促し、血糖値を下げる働きがあるのです。

ですから、高血糖のかたには、すぐにでも試していただきたい運動です。
血糖値が下がり、骨の状態もよくなるという、好循環を作るきっかけになります。

当院でも、患者さんにかかと落としを勧めています。
骨を刺激するには階段昇降もいいですが、かかと落としは負担がほぼなく、いつでもどこでもできる点が優れています。

かかと落としは骨粗鬆症予防にも効果あり

かかと落としの利点は、血糖値の降下作用だけではありません。
やってみるとわかるように、足からの振動は頭にまで伝わります。

つまり全身の骨を刺激し、強化できるのです。
なかでも優れているのが、太ももの大腿骨と脊椎(背骨)を刺激できる点。

大腿骨と脊椎は、骨密度を測るとき特に重視する部分です。
かかと落としは、両方を刺激できます。

最も重要な骨を的確に強化できますから、骨粗しょう症の予防改善や骨折リスクの低下に、大いに役立つでしょう。

ふくらはぎを刺激し全身の血流も促進!

さらに、ふくらはぎを刺激する働きも見逃せません。
ふくらはぎには血液を押し出すポンプ機能があり、ふくらはぎが硬くなれば全身の血流も悪くなります。

その点、かかと落としはふくらはぎを収縮させますから、全身の血流促進につながります。
血流がよくなれば、体中にくまなく栄養と酸素が届くようになります。

そうなれば、筋肉は柔らかさを取り戻し、疲れにくい体に変わっていくでしょう。
ふくらはぎの硬さが原因で起きる、腰痛やひざ痛の緩和も期待できます。

このようにかかと落としは、血糖値の降下や骨の代謝アップ、血流改善に効果があります。
悪循環から抜け出し、若々しい体になるための第一歩として、ぜひ試してください。

最後に、かかと落としを行った後は、ふくらはぎを揉むとより効果的。
筋肉の硬化を防ぎ、血流改善にもつながります。

入浴中ならもみやすく、血流もよくなりお勧めです。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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