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【乳首がかゆい】原因と自分でできる対策 乳腺炎など乳房の病気にも注意

【乳首がかゆい】原因と自分でできる対策 乳腺炎など乳房の病気にも注意

乳首の痒みを訴える女性は多いです。まずは皮膚科を受診するとよいでしょう。乳首がむず痒いといった軽度のかゆみは、ほとんどの女性が経験していますが、なんらかの乳房の病気が原因のこともあります。乳腺炎やパージェット病(乳ガンの一種)、乳輪の周囲にカビが広がる等のケースがそれです。【解説】平田雅子(私のクリニック目白院長)

【お悩み】乳首が痒くて困っています。市販のかゆみ止めも効果がありません。


ものすごく乳首がかゆくて、真剣に困っています……。これまで、市販のかゆみ止めを使うなどして
対処していましたが、かゆみはなかなか治まりません。また、乳首のかゆみがガンの前兆みたいな
話も聞き、とても心配です。(60代女性)

回答者のプロフィール

平田雅子
私のクリニック目白院長。
1960年生まれ、静岡県出身。日本大学医学部卒業後、東京医科大学付属病院勤務。東京医科大学付属八王子医療センター助手。同大学助手を退職後、女性のための家庭医・プライマリーケアを理念に女性専門医療に携わる。2003年、医療法人社団育生会私のクリニック目白開院。理事長兼院長として治療に当たる。医学博士。皮膚科学会認定専門医。

●私のクリニック目白
東京都豊島区目白1-4-1 ホテルメッツ目白1階
TEL 03-5992-5550
https://www.watashino.jp/

幅広い年齢層が乳首のかゆみを訴えている

乳首のかゆみを訴える女性は、10代から60代まで幅広い層で見られます。
なんとなく乳首がむずがゆいといった軽度のかゆみは、ほとんどの女性が経験しています。

ご相談のような、強いかゆみに悩むかたも少なくありません。
なかには、あまりのかゆさに、患部をかき壊してしまうかたもいます。

かゆみが生じる原因はさまざまですが、以下に考えられる要因を挙げていきましょう。

●皮膚の乾燥
原因としていちばん多いものです。

皮膚の表面を覆っている皮脂膜は、外部の刺激から皮膚表面を守るバリアとして働いたり、体内の水分が蒸発するのを防いだりしています。
乾燥肌のかたや、アトピー性皮膚炎のあるかたは、皮脂の分泌が不足しがちです。

そのため皮膚のバリア機能が低下して、わずかな刺激でもかゆみが起こってしまうのです。
顔のスキンケアと同様、バストも保湿が必要です。

ワセリンやホホバオイルなどをバスト全体に塗って皮膚の乾燥を防ぐと、かゆみが治まります。
1日2回、または、お風呂上がりにケアしてください。

このバストの保湿ケアは、かゆみが消えても、毎日続けることが大切です。

●下着による刺激
乳首は前に出ているので、ブラジャーの刺激を受けやすくなります。

ブラジャーの縫い目とこすれあって、かゆみが起こるケースはよく見られます。
腕を動かすとバストが引っぱられて動き、ブラジャーの縫い目が当たることがあります。

仕事中やスポーツをした後、買い物などで外出したときなど、腕が動くと胸も動くので、トイレに行ったさいは、バストを元の位置に戻しておきましょう。

見た目がおしゃれなブラジャーはつい欲しくなりますが、バストに刺激になる要素があれば、皮膚にとってはNGです。

ブラジャー選びのポイントは、次の三つです。
①縫い目が硬くない
②通気性がよく肌に優しい素材
③サイズが合っている

これらをクリアしているブラを選んでください。
縫い目のないスポーツブラもお勧めです。

●女性ホルモンの変動
かゆみが起こる時期が、ある程度決まっているようなケースもあります。

特に、生理前になると乳首にかゆみが生じることがありますが、これは女性ホルモン(エストロゲン)の変動により、皮膚の抵抗力が弱まることが原因です。

生理周期で決まって乳首がかゆくなるかたは、先にお話しした保湿ケアと並行して、ブラジャー選びに注意しましょう。

原因がなんであれ、体にかゆみがあるときは、お酒や香辛料のきいた辛い食べ物など刺激物は避けてください。
かゆみは体が温まると強くなるので、お風呂は胸までつからないこと。

バストはぬるめのお湯で、優しく洗いましょう。
かゆみが本当につらいときは、下着の上から保冷剤を当てて、バストを冷やすとらくになります。

また、糊を落とした柔らかいガーゼや、着古したTシャツを切ったものをブラカップに入れると、乳首とブラジャーとの摩擦を防ぐことができます。

自宅でできる乳首のかゆみ対策

数は少ないが病気が原因のこともある

●乳房の病気
なんらかの乳房の病気が、乳首のかゆみの原因になることもあります。

乳腺に炎症が起こる乳腺炎や、数は多くありませんが乳ガンの一種であるパージェット病、乳輪の周囲にカビが広がるなどのケースがそれです。

2週間、乳首の保湿やブラジャーに気を付けるなどしても、かゆみが改善しない、かき壊したところからの浸出液が止まらないなどの症状があれば、皮膚科を受診してください。

皮膚科では、抗ヒスタミン剤などかゆみ止めの内服薬と、保湿剤などによる薬物治療を行います。
あまりにかゆみがひどい場合は、一時的にステロイド剤の内服薬を処方することもあります。

また、これまで一度も乳腺の検査をしたことがないというかたは、乳腺のチェックを兼ねて、まず乳腺外来で検査を受けることをお勧めします。

症状が心配なかたや、乳首から血の混じった浸出液が出る、乳首のただれがひどい、乳房にしこりがあるなどの場合は、2週間を待たずただちに乳腺外来を受診してください。
検査で乳腺や乳房の異常がなければ、皮膚科で改めて相談するとよいでしょう。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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