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頻尿、尿もれの改善に!感覚が体でわかりやすい「骨盤タオル体操」のやり方

頻尿、尿もれの改善に!感覚が体でわかりやすい「骨盤タオル体操」のやり方

骨盤底筋を鍛えるための体操は、現在多くの医療機関で推奨されています。しかし、やり方をプリントされた紙を渡されるだけなど、わかりずらく続けにくい場合がほとんどです。そこでお勧めしたいのが、おしぼり状に巻いたタオルを使った「骨盤タオル体操」です。【解説】成島雅博(名鉄病院泌尿器科部長)

解説者のプロフィール

成島雅博(まるしま・まさひろ)
1984年、産業医科大学医学部医学科卒業。中部労災病院等を経て、1993年より現職。名古屋大学医学部臨床准教授。2012年に骨盤臓器脱、尿失禁に対応するウロギネセンターを開設。骨盤底筋体操教室の開催にも力を入れている。

加齢や出産で骨盤底筋はゆるみ、頻尿・尿もれ・残尿感につながる

年齢が高くなると「急にトイレが近くなった」「尿もれが気になる」という人が増えてきます。このような人にお勧めしたいのが、骨盤底筋体操です。

骨盤底筋とは字のとおり、骨盤の底にある筋肉です。骨盤の底には骨がなく、ハンモック状のこの筋肉が子宮や膀胱を支えていて、ここがゆるむと骨盤内の臓器が下がってしまうのです。

このような状態を「骨盤臓器脱」といいます。骨盤臓器脱の6割が、膀胱が下がってくる膀胱瘤です。

膀胱が下がってくると、膀胱の壁が引き伸ばされたり、尿道が下垂したりするので、頻尿や尿もれといった症状が現れます。悪化すると尿道が折れ曲がってきて尿が出にくくなり、残尿感が強くなります。

また、セキやくしゃみ、大声で笑う、走る、跳ねるなどの動作をして腹圧がかかるともれてしまう尿失禁も、骨盤底筋のゆるみが原因です。

骨盤底筋がゆるむ主な原因には、加齢と出産が挙げられます。妊娠中の胎児の重みや出産による負担、また、閉経後は女性ホルモンの分泌が減少することで筋肉の弾力がなくなり、骨盤底筋はゆるんできます。

そのほか、遺伝的な要素で骨盤底筋がゆるいこともあります。この場合は、若年時から尿もれなどの症状が現れます。

医師、看護師、理学療法士が経験をもとに考案した「骨盤タオル」

骨盤底筋を鍛えるための骨盤底筋体操は、現在、多くの医療機関で推奨されています。しかし、やり方をプリントされた紙を渡されるだけという場合がほとんどです。

女性の場合、解剖学的に尿道や膣、肛門を意識して締めることが難しく、コントロールできる人はおそらく、3割くらいでしょう。ですから、自宅などで一人で骨盤底筋体操をしても、尿道や膣、肛門を十分に締めることができないため、継続されにくいのが現実です。

そこでお勧めしたいのが、おしぼり状に巻いたタオルを使った、「骨盤タオル体操」です。

私が勤務する名鉄病院泌尿器科では、骨盤臓器脱・腹圧性尿失禁を専門に診療する「ウロギネセンター」を併設し、月に一度、泌尿器科を受診された患者さんを対象に「骨盤底筋体操教室」を開催しています。ウロギネとは、泌尿器科(ウロロジー)と婦人科(ギネコロジー)を合わせた造語です。 

骨盤底筋体操教室で行う体操は、私を含め、看護師、理学療法士が知識と経験を基に話し合い、考案したものです。わかりやすく、患者さんが自宅でも積極的に継続して行えるような体操になっています。

《骨盤タオルが効果的な理由》

■従来の骨盤底筋体操
尿道や膣、肛門を締める感覚が分かりにくく、長続きしない。
■骨盤タオル体操
太ももの間にタオルを挟むことで、尿道や膣、肛門の位置や動きを意識しやすい。効果的に行うことができ、長続きするので、頻尿や尿もれが改善しやすい。

教室では、皆さん和気あいあいと体操をされていますが、実はどなたも最初は恐る恐るというのが、本当のところです。

尿に関する悩みは人には話しづらく、そのため、一人で悩んでしまう場合が多いのです。しかし、教室へ来たら自分一人ではないことがわかり、安心されます。

教室で指導している骨盤底筋体操では、フェイスタオルをおしぼりのように巻いたものを体操器具として使用しています。骨盤底筋を鍛えるため、尿道や膣、肛門を上手に締められるように、言葉でもいろいろと誘導するのですが、やはり難しいからです。

実際、膣圧計や超音波断層装置を使って調べてみても、うまく膣を締めることができる人は半数以下です。試行錯誤の結果、巻いたタオルを膣や肛門に当てるとやりやすいとわかりました。

そこで、現在行っている骨盤底筋体操の教室は、巻いたタオルの上に座ったり、立って行う場合は、太もものつけ根に挟みます。膣や肛門を締めるときは、「尿を途中で止める」「ティッシュを手で引き上げる」程度の力加減で行うと、うまくいきます。

継続すれば、およそ3ヵ月程度で効果が現れます。また、ダイエットや肩こりの解消にも役立ちます。体操教室では、体操後に、ほとんどの参加者のウエストが1cmほど細くなります。これは、日常生活でずれた骨盤が正しい位置に戻るためです。

そしてもちろん、尿の悩みが解消するので、気持ちが明るくなることでしょう。

「骨盤タオル体操」のやり方

※3つの体操すべてを行ってもよいし、やりやすいものだけ行ってもよい。合計で5〜10分行う。

【準備】
タオルの棒を作る。フェイスタオルを四つ折りにし、くるくると巻いて棒にする。タオルの棒の直径が4〜5cm、長さが20cm程度になればよい。

① 呼吸タオル体操

【やり方】
タオル棒をイスの中心に縦に置く。会陰部の真ん中で座るイメージで、おしりを前後左右に揺らし、交差点の真ん中になるようにタオルの位置を調整する。

タオル棒を意識しながら、ゆっくりと鼻から息を吸い、おなかが膨らんでくるのを確認する。次にゆっくりと息を吐きながら、おなかがへこんでいくことを確認する。息を吐きながら、ティッシュを引き上げるようなイメージで、肛門と膣を締める。
※おなかに手を当てながら行うと、うまくできる。
※複数回、行う。

② 座りタオル体操

【やり方】
タオル棒をイスの中心に縦に置く。会陰部の真ん中にタオルが当たるイメージで、おしりを前後左右に揺らし、交差点の真ん中になるように座る。両手を胸の前で合掌する。

合掌したまま、息を吸いながら両手を上に上げる。息を吐きながら両手を降ろしていき、胸の前に戻る。このとき、骨盤底筋を意識し、収縮させる。
※複数回、行う。

③ 立ちタオル体操

【やり方】
立ってタオル棒を太もものつけ根に挟む。つま先は90度に開き、かかとをつける。

①の状態で、タオル棒が落ちないように意識しながら、かかとを上げたり下げたりする。呼吸は普通にする。
※複数回、行う。

①の状態から、タオル棒が落ちないように意識しながら、両足がすれ合うように前に歩く。数歩歩いたら、後ろに数歩下がる。呼吸は普通にする。
※複数回、行う。

トイレの回数が15回から5回に減った

例えば、1日15回もトイレに行っていた患者さんの頻尿が、5〜6回に改善したとか、骨盤臓器脱が現れなくなった患者さんもいます。個人差はありますが、だいたい3ヵ月くらいで効果が現れてくるようです。

また、この骨盤タオル体操は、前立腺ガンの術後の男性にもお勧めできます。術後の尿失禁を改善するとともに、回復を早めます。男性の場合、解剖学上、女性よりも尿道や肛門を意識して締めやすいので、効果も得やすいと考えられます。

ただし、骨盤内の臓器が膣の入り口から1cm以上下がり、股間に物がはさまったような違和感や、座ると何かが押し戻されるような不快感があるような骨盤臓器脱には、骨盤タオル体操の効果は、あまり期待できません。生活に支障がある場合は、手術による根本治療が必要です。

頻尿や尿もれなどの最も大きな問題は、「年のせい」と考えてほうっておいたり、恥ずかしいと考えて医療機関を訪れず、悪化させたりしてしまうことだといえます。

重症の場合は医療機関の受診が必要ですが、それほどではないが気になるという人は、まず骨盤タオル体操を試してみてください。

尿の悩みが解決すれば、皆さんの生活の質は、きっと向上するはずです。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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