【肩こりや膝痛の原因】女性8割 男性6割は「浮き指」になっている!改善には足指強化エクササイズを

【肩こりや膝痛の原因】女性8割 男性6割は「浮き指」になっている!改善には足指強化エクササイズを

人間は本来、立っているときにすべての足の指の腹がしっかり地面に着いているもの。それが、足の指が地面に着かない「浮き指」の人が、女性では8割以上に上り、それが体のバランスをくずして、痛みやこりなどの全身の不調を引き起こす一因となるのです。【解説】阿久根英昭(桜美林大学健康福祉学群特任教授)


阿久根英昭
桜美林大学健康福祉学群特任教授(健康科学)。1950年鹿児島県生まれ。1973年、日本体育大学体育学部武道学科卒業。足の健康科学、足のスポーツ障害、高齢者の予防と転倒、履物と健康、足のゆがみと身体の障害など、足の研究を約40年にわたって続けている。足の健康科学の権威として、テレビ・雑誌等でも活躍中。

女性の8割に浮き指がみられる

「現代人の足は病んでいる」
40年近く、足と健康の研究を重ね、約10万人の足を見てきた私はそう断言します。

「外反母趾もないし、私の足は健康」と思っているかたも多いかもしれません。
しかし、多くの現代人には、隠れた足のトラブル「浮き指」があります。そしてそれが、肩こりや腰痛、ひざ痛などの全身の不調を招く原因の一つになっているのです。

 浮き指とは、その名のとおり、「立っているときに、足の指が地面から浮いている状態」を言います。足の指が地面に触れていても、重心が乗っていなかったり、力が入っていなかったりする状態は、浮き指です。

 立っているときに、すべての足の指の腹がしっかり地面に着いているのが、人間の本来の姿です。それが、浮き指になると、足の指で体重を支えられなくなり、体の重心バランスがくずれます。これが、全身にさまざまな悪影響を及ぼすのです。

 ただ、浮き指には、はっきりとした症状はありません。そのため、「自分が浮き指である」と自覚している人は少ないようです。
しかし、私の調査では、日本人の男性の64・8%、女性の80・3%が浮き指であることがわかっています。

意識しないと足の指は衰える一方

 浮き指になってしまう原因は、足の指を使わなくなった現代人の生活習慣にあります。

 げたや草履などをはいていた昔は、鼻緒をぐっとつかまなければならないため、特に意識をしなくとも、自然と足の指を使っていました。道も現在のように舗装されておらず、ころばないようにするためには、足の指に力を入れて歩く必要がありました。

 しかし、現代の靴は、足の指に力を入れなくても歩けます。舗装された道路も、起伏がないので、足の指を使う必要がありません。しかも、車などの乗り物が普及したため、私たちは歩く機会すら減っているのです。

 靴の形も問題です。つま先が細かったり、ヒールが高かったりする靴は、物理的に足を圧迫し、足の指が浮いてしまうので、やはり足の指を使って歩くことができません。

 使わない部分は衰えます。足の指を使わなくても問題なく暮らせる現代では、意識しないと、どんどん足の指の力が衰えてしまうのです。

 加えて、浮き指になると、重心がかかと側に寄りがちになります。この状態では、体のバランスを保つために、自然とあごが前に突き出し、背中が丸まる姿勢になります。

こうした姿勢が長く続くと、背中から腰にかけての筋肉が緊張し、血行が悪くなります。その結果、肩こりや腰痛が生じてしまうのです。

 また、浮き指では、足の指に力が入らないため、歩くときに地面を足の指でしっかりと蹴り出すことができません。そのため、すり足やペタペタ歩きになりがちです。

 こうした歩き方では、足の外側(小指側)に重心が偏ります。これが長く続くと、ひざの関節も外側ばかりに負担がかかるため、変形性ひざ関節症などが生じることがあります。ひざ痛に悩まされている人の多くがO脚なのも、外側重心で、足の外側の筋肉だけが発達することと関係があるのでしょう。

 寝たきりを招く高齢者の転倒も、加齢による脚力や平衡感覚の衰えだけでなく、浮き指がかかわっている可能性があります。何かにつまずいても、地面に足の指が着いていれば、踏ん張って転倒を避けられるはずなのです

つま先立ちで10秒キープできないと要注意

 そろそろ、自分の足の指が大丈夫かどうか、みなさんも心配になってきたのではないでしょうか。きちんと足の指が機能しているか、ここでチェックしてみましょう。

・チェック1/足の指でグー・パーができますか?

・チェック2/どこにもつかまらず、つま先立ちで10秒キープできますか?

 足の指には、「開く」「閉じる」「曲げる」という三つの動きがあります。この三つの動きは、足の裏にある八つの筋肉と二つの腱によって支えられています。
これらの筋肉・腱を十分に使っていれば、土踏まずが形成され、それによって、重心も、かかと・親指のつけ根・小指のつけ根の3点にバランスよく乗るため、姿勢が安定し、リズミカルに歩けます。

 チェック1・2がうまくできなかった場合は、足の指の三つの動きの機能が低下し、足の裏の筋肉や腱の機能も衰えて、浮き指になっている可能性が大です。

 しかし、ご安心ください。足の指は、いくつになっても鍛えることができます。
足の指の力を強化して機能を高め、浮き指を改善する簡単なエクササイズを四つご紹介します。まずは①からやってみて、①が無理なくできるようになったら、②、③、④とやってみてください。

 このほか、日常の生活でも、なるべく足の指を使うことを意識してみましょう。
 室内では、はだしで過ごすのがお勧めです。はだしであれば、立ったり歩いたりするさいに、足の裏のどの筋肉・腱を使うかを意識しやすくなります。
 履物は、鼻緒のあるげたや草履がお勧めです。足の指を動かせる5本指ソックスや、足袋形ソックスもよいでしょう。

86歳でもつえなしで歩けるようになった!

 足の指を鍛えて、浮き指が改善されれば、体のバランスも整って、歩きやすくなるだけでなく、痛みやこりなどの不調の改善にも役立ちます。

 実例をご紹介しましょう。
86歳の私の母は、以前はつえをつき、すり足で歩いていました。しかし、このエクササイズを1ヵ月半続けたところ、つえなしでも速く歩けるようになりました。歩幅も広くなっています。

 また、ある理学療法士のかたは、自分の担当する高齢の女性が、数ヵ月のリハビリでも効果が現れないことに悩んでいました。くも膜下出血を発症後、マヒが残り、歩けなくなっていたのです。

 そんなとき、私の出演したテレビ番組を見て、足の指のエクササイズをリハビリに取り入れました。
その結果、動かなかった彼女の足の指は、1ヵ月ほどで動くように。その後は歩行訓練も順調に進み、現在は補助なしでも数歩は歩けるまでに回復したそうです。

 小さなお子さんやお孫さんがいるかたは、将来の健康のためにも、ぜひこのエクササイズをやってもらいましょう。最近の子どもは、生まれたときから足の指をあまり使わない生活をしているため、足の指の機能がうまく育たず、土踏まずもない子どもが多いからです。

 日本には「足が地に着く」という言葉があります。気持ちがしっかり安定しており、落ち着いている、といった意味で使われる言葉ですが、現代人の健康を取り戻すためには、浮き指を改善し、健康的な足の指を取り戻して、言葉のとおり「足を地に着ける」ことが必要だと、私は考えています。
ぜひ今日から、自分の足の指に意識を向け、「足を地に着けた」生活を送ってください。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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